パート1:レコーディングの火花
スタジオの空気は、重く張り詰めている。
NectarVowのメンバーは、新曲「灰の果ての光」のレコーディングに挑む。
防音扉が閉まり、東京の喧騒が遠ざかる。
薄暗いスタジオ。
リンの緑髪がドラムセットで揺れ、美月のピンクツインテールがベースに彩りを添える。
葵の紫ロングヘアがマイクに揺れ、花音のオレンジ髪がギターに光る。
結衣の黒髪はキーボードに溶け、ヒナは緊張した面持ちで隅に立つ。 ブースの向こう、霧島玲がガラス越しに立つ。
漆黒のロングヘアが背中に流れ、アンバーの瞳が鋭く光る。
黒いレースのドレスから、翼のタトゥーが透ける。
彼女の声が、スピーカーから冷たく響く。
「リン、ドラムのイントロ、もう一度。テンポがズレてる。」 リンはドラムスティックを握りしめ、緑の髪を振る。
パンキッシュなゴスロリのスカートが、ドラムセットに擦れる。
力強いビートが、彼女の血を駆け巡る。
「ズレてない!これが私のドラムだ!」
玲のアンバーの瞳が細まる。
「『灰の果ての光』はアルバムの核だ。売れなきゃ、バンドの未来はない。」
リンの手が止まる。
ドラムスティックが、シンバルの縁を軽く叩く。
静かな反発が、スタジオに響く。
「未来?私たちの音楽で作るよ!」
「音楽だけじゃ足りない。」
玲の声は静かだが、鋭利な刃のようだ。
「Xでバズらなきゃ、誰も君たちを覚えない。精度を上げて、リン。」
リンの緑の瞳が燃える。
彼女は立ち上がり、ドラムセットを叩く手が震える。
「精度?そんな数字で私の魂を縛る気!?」
美月がベースを握り、ピンクのツインテールが揺れる。
ヘーゼル色の瞳でリンを見つめ、声を絞り出す。
「凛、落ち着いて…。玲さんの言うことも、ちょっと分かるよ…。」
リンは美月を振り返る。
過去のバンド解散の記憶が、脳裏をよぎる。
「あんたまで!?私のドラム、否定するの!?」 「否定じゃない!」
美月の声が震える。
「ただ…売れる曲にしないと、バンドが…。」
玲がブースから冷たく割り込む。
「美月、君のベースもだ。グルーヴはいいけど、ポップさに欠ける。コーラスも調和が足りない。」
美月の手がベースの弦から離れる。
グルーヴィーなリズムが、彼女の誇りなのに。
「私…凛のドラム、最高だと思う。でも…。」
リンの怒りが爆発する。
「でも、じゃない!玲さん、あんたの指導は魂を殺すよ!」
「殺す?」
玲の声に、わずかな動揺が混じる。
「私は…君たちの夢を灰にしたくないだけだ。」 「灰?私たちの音楽で光に変える!」
リンがドラムスティックを床に叩きつける。
金属音がスタジオを切り裂く。
「もうやってられない!こんなレコーディング、意味ない!」
リンはドラムセットを蹴り、スタジオの扉を勢いよく開ける。
緑髪が翻り、ゴスロリのスカートが嵐のように揺れる。
彼女は飛び出していく。 美月がベースを置き、追いかける。
「凛、待って!またバラバラになるなんて…嫌だよ!」
ピンクのツインテールが、薄暗さに溶ける。 葵がマイクを握り、紫の髪を揺らす。
「リン…。」
情感豊かな声が、静かに震える。 花音がギターの弦を軽く弾き、呟く。
「凛のドラム…あたしの歌詞に命をくれるのに…。」
詩的な言葉が、彼女の心に響く。 結衣はキーボードに手を置き、灰色の瞳を伏せる。
「凛のビート…私のメロディーと繋がってる…。」
キャッチーな旋律が、彼女の指先に宿る。 ヒナが小さな声で呟く。
「みんな…大丈夫だよね…?」
奏がブースの隅に立ち、ダークブラウンの髪を揺らす。
「玲さん…凛の情熱、バンドの魂ですよ。」
穏やかな声が、静かに響く。 沙羅がスマホを手に、気概を放つ。
「凛のドラム、Xでバズらせてやる。」
黒のショートカットが、闘志を滲ませる。 玲はガラス越しに、静寂のスタジオを見つめる。
アンバーの瞳に、過去の影がちらつく。
彼女はまだ、何も語らない。
「この曲…君たちの光になってほしい。」
小さく呟き、翼のタトゥーを隠した背中を震わせる。 「灰の果ての光」のデモ音源が、スピーカーから流れ始める。
未完成のメロディーが、衝突の余韻に響く。
NectarVowの初めての危機は、この曲とともに、どう光を掴むのか——。




