パート3:奏の指令と新曲制作
奏の個人事務所。
昼下がりのミーティングルームで、
奏がメンバーを集めた。
「みんな、次のライブに向けて、新曲を作るよ!
全員で魂込めた一曲を!」
アオイが目を輝かせ、
「奏さん、最高!どんなテーマにする?」
奏は微笑み、
「『前進』をテーマにしよう。
ヒナちゃんを中心に、みんなの想いを一つに。」
ヒナは俯き、
「ユイ姉さん…私、できるかな…」
ユイがヒナの手を握り、
「ヒナちゃん、絶対できるよ。私たち、家族だから。」
カノンはギターを手に、
「ヒナ!お前のキーに私のリフを合わせるぜ!」
リンが母性的に笑い、
「ヒナ、ドラムでしっかり支えるよ。」
ミヅキはウインクして、
「ヒナ、ベースで盛り上げるから!
沙羅ママ、どんな感じ?」
沙羅は腕を組み、
「いいね、ミヅキ。
お前ら、最高の音作れよ。」
メンバーは知らないが、沙羅は前夜、奏にヒナの虐め事情を話していた。
奏の指令は、ヒナを輝かせる第一歩だった。
夜、奏と沙羅は事務所の別室で密談。
沙羅の黒いスーツが、元ヤンの気迫を滲ませる。 「奏、ヒナの学校の件、マナの妹のカナが虐めてるやつを特定中だ。ライブでそいつらを呼びつけるぜ。」
奏は静かに頷き、
「沙羅、頼もしいね。ヒナちゃんの心、音楽で救いたい。
だから、特別な任務を。」
翌日の練習スタジオ。
奏がヒナを呼び止めた。
「ヒナちゃん、ライブの締め、アコースティックギターのインストルメンタルで終わらせたい。
ヒナちゃん一人で、あなたの心を音で届けて。」
ヒナは目を丸くし、
「私…一人で?
ライブの最後?
奏さん、できるかな…」
奏は優しく微笑み、
「ヒナちゃんの音、絶対に響くよ。」
ヒナはアコースティックギターを抱え、
スタジオの隅で弦を弾いた。
だが、不安が胸を締め付ける。
「何を弾けばいいんだろう…
1人でステージ、
私にできるのかな…」
ヒナの小さな呟きが、
スタジオに響いた。
練習後、ヒナはカノンにそっと近づいた。
スタジオの窓辺、夕陽がオレンジの髪を照らす。 「カノン姉さん…
私、奏さんの任務、
不安で…
何を弾けばいいか、
分からないよ…」
カノンはヒナの肩に手を置き、
明るく笑った。
「ヒナ、めっちゃ分かるよ。
初めてのソロ、ドキドキするよな。
でも、お前の音、絶対響くって!」
ヒナは俯き、
「でも…1人でステージ、怖いよ…」
カノンは優しく、
「大丈夫、ヒナ。明日、うちにおいで。
一緒に考えて練習しよ。」
ヒナは小さく頷き、
「カノン姉さん…ありがとう。」
その瞳に、小さな光が灯った。
一方、沙羅はスタジオの外でカナからのメッセージを確認。
「虐めグループ、リーダー格特定。
チケット配布、準備OK。」
沙羅はニヤリと笑い、
「カナ、いい仕事だ。ヒナ、お前の音で
そいつらを圧倒してやるぜ。」
沙羅の策略は、メンバーには内緒のまま、
着実に進んでいた。




