若い世代の光を求めて
渋谷のネオンが揺れる夜、奏(25歳、ダークブラウンロング、テーラードジャケット)は「Lush Abyss」のバーカウンターで、沙羅(25歳、黒ショートカット、ネイビースーツ)とグラスを傾ける。
ロンドンでクラシックピアニストとして彗星の如く現れた奏は、28歳で共に渡英し、ショパンのノクターンやリストの愛の夢を魂で奏でた。
3作連続で全英チャート1位を獲得し、批評家は
「共感性が高く切ないメロディとクラシックの深みを融合」
と絶賛。
2023年、帰国後、凛は一流レーベル「Lush Records」でプロピアニストとして活動開始。さらにJ-POPとクラシックの架け橋を目指し、若い世代の才能に火をつけることに情熱を燃やす。
「あたし、新しい音で、誰かの心を救いたいんだ」
奏の言葉に、沙羅が熱く頷く。
元ヤンの沙羅は、レーベルの情報網を駆使し、若手アーティストを発掘。
彼女の熱いハートと過保護なサポートは、奏の優しい包容力と響き合う。
「女の子たちの魂がぶつかり合う音、渋谷の夜を切り裂くぜ!」
奏が微笑む。
「彼女たちの傷と希望を、メロディで紡ぎたい」
2人はガールズバンドに着目。葵は、沙羅が渋谷のライブハウスで発見。レーベル社員の報告—
「共感性が高く切ない声とエネルギッシュなポップロックの輝き」
を受け、奏がリサーチ。
花音は、沙羅のSNS調査で発掘。
レーベルから
「詩的で純粋な歌詞と情熱的なハードロックのギター、インディーズ時代から注目されていて将来性は充分」
の情報を受け、奏が再生を確信。
結衣は、奏がコンクール映像で知る。
「白石奏の再来」のプレッシャーに潰れた彼女の鍵盤に、共感性が高く切ないメロディを見た。
凛と美月は、レーベル社員の
「重厚なオルタナティブロックのビートと華やかなヴィジュアル系ロックのグルーヴ」
の報告で発掘。不協和音からの再生を信じた。
現役ピアニストとしてツアーをこなしつつ、奏は沙羅と深夜までリサーチ。
「この5人、絶対ぶち抜ける!魂で輝け!」
沙羅の熱い声に、奏が優しく応える。
「彼女たちの音は、蜜のように甘く、誓いのように深い」
Lush Abyss(蜜の誓い)を2人は決意。
「彼女たちは、もっと光るよ」
奏の言葉に沙羅が大きくうなずいた。
二人の関係は前作
「楽譜に落ちる乙女の欲」
を参照
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