断章……一部ロボット関係の設定解説
本編で書くには煩雑としていている科学考証のお時間
本編を読むのに邪魔になりかねないため、本編ではあまり書かない予定の設定
・移民船アトランティス
全長5kmはある超巨大移民船。それ自体で惑星移民のための機能を全て備えさせた結果、これほどの大きさになっている。
基本的にはテラフォーミング用の機材搬入などが優先されているため、武装自体は自衛用というよりスペースデブリなどの障害物や衝突しかねない物体の破壊目的で搭載されている。
まあ、この大きさでスペースデブリを破壊するための武装となれば、結局は武装に転用してもそれなり以上の威力は出るのだが……
ちなみにエンジンは亜空間封入式縮退炉である。マイクロブラックホールによる空間歪曲や、高重力による自壊を防ぐため、空間の歪みを矯正する亜空間に縮退炉自体を封入させる仕組み。
ただし、マイクロブラックホールのホーキング放射による質量の蒸発を防ぐためには、定期的に質量を放り込む必要があるため、それを補佐するための機構として、隕石などの質量物を採掘するための人型機動兵器が導入されている。
しかし、同時に移民船内が多数の人類が生活する空間としては巨大とは言い難い上に、そもそも中にいる人間が無断で兵器を持ち出して移民船内でテロを起こすことを警戒して、人型機動兵器以外の兵器は記録以外が抹消されている。
惑星アトランティスで人型機動兵器による怪獣退治が主流なのは、記録媒体以外で人型機動兵器以外が抹消されていたため、実物を一から建造するより人型機動兵器を改良したほうが実績がある分いいと判断されたからでもある。
・ストラティマキナ
通称SM。
ちなみにこのストラティマキナの歴史は大変浅い。なにせ惑星アトランティスに人類が到達するまで、ストラティマキナは開発がされていなかった。
それまで主力だったのはタクティカルアーマーと呼ばれる、パワードスーツを戦闘用に大型化したものがであり、大きさも全高10m程度である。
しかし、それでは怪獣と戦うときにあまりにも大きさと戦闘力が違いすぎるという話になっため、運用実績が豊富なタクティカルアーマーを大型化して怪獣に対抗することになった。
それによって誕生したのが、全高30mに近いストラティマキナである。移民船アトランティスから派生した機械の中では、真に人型機動兵器と呼べるのはこのストラティマキナが初かもしれない。
・SM-08ノトス
人類統合連合の現在の主力であるストラティマキナが、このSM-08ノトスである。
現在の惑星アトランティスには厳密な軍事企業はないのだが、とはいえ武器開発局で競争を促すために、一部の部署ごとで定期的にコンペなどが実施されてはいる。
SM-08は高い操作性と良好なコスパが評価され、トライアルに勝利して制式採用されている。
逆にいえば、尖った設計やコスパを犠牲にしてしまったために制式採用されていない、試作で終わったはずのストラティマキナが存在し、その設計を横流しされる形で使用しているのが怪獣保護団体である。
怪獣保護団体が民間団体のはずなのに、脅威とみなされるのはこういうカラクリがあるからである。
まあ、トライアルに負けた連中だって、実戦データを入手して次のトライアルに備えたいし……
とっても winwin な関係だよね!
なお、ストラティマキナの主動力は、あえてのレーザーパルス式核融合炉である。
なんで縮退炉が開発出来るのにレーザーを使用した高熱型の核融合炉を使っているのかといえば、撃墜されたさいにマイクロブラックホールが開放された場合大惨事になるからである。
さらにいえば、核融合炉は別に高熱型ではなく1000℃からそれ以下で動作する核融合炉も開発がされているが、それらは怪獣に破壊されたさいに核融合炉の反応が止まらないことが懸念されたために、あえて採用がされていない。
・パワードスーツ
移民船アトランティスで主に使われていたワーカー向けの機材。一応戦闘用の代物もあるが、ワーカーとしての使用が主流なので、あまり戦闘力としては当てに出来ない。しかも、戦闘用といっても暴徒鎮圧用である。
移民船内の暴動鎮圧などで使われたとか使われなかったとか……
船内作業だとしても、何かのキッカケで船外に放り出されること危険性は皆無ではないため、基本的には船外活動も可能な気密を持つ強化スーツを着込んで、その上にパワードスーツを装着する
人間の腕を包み込むように腕部と脚部が造られているが、頭部と胸部は落下物などから内部の人間を保護することを目的として、装着後に防護用の頭部と胸部装甲で固定される。
とはいえ、身体の一部が覆われていないため、防護としては完全ではない。あくまで戦闘用ではないし、強化スーツで身体を防護することが前提にある設計。
・タクティカルアーマー
ストラティマキナの前身に相当する。タクティカルアーマーの時点で全高10mに近いためそれなりに巨大ではあるが、明らかに怪獣相手では小さい。
そもそも、移民船内部でテロが起きたら困るということで、タクティカルアーマー自体が過度な戦闘力を持たされてはいない。
ただ、移民船外で航行して質量物を採取して帰還する、あるいは移民船の外装を保守点検する、といった役割も担うように設計されているので、機動力という一点ではかなり凄まじい。
ストラティマキナを砲戦用の戦艦と例えるなら、タクティカルアーマーはまさに航空機というべき存在である。
なお、その機動力を活かしての偵察任務や、土地開拓を行っている最中に怪獣が現れたさいの脱出用の機材としては、今なお現役である。
ちなみに武器の火力はというと……? 携行可能な重量からして火力がゴミのようですな
正直ね、こういった設定を本編の文章中で長々解説されてもね……読む気になるかって話ですよ
本音をいうと別件が忙しくて本編が中々かけないことにムシャクシャしてやった
公開はしているが、後悔はしていない