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ちょっとだけ寝ようと思ってたのに、起きたら3000年経過していた、ねぼすけで最強な魔王さまのお話。

ドカッ!


棺の様な物の、蓋が勢いよく弾け飛ぶ。


「ふぁ〜よく寝たのだ」


その少女は、黒髪で長く綺麗な髪、白く透き通った肌、狐の様なふわふわの耳と尻尾、そしてその瞳は深い真紅色をしていた。


そう彼女こそ、最強でねぼすけな魔王さまなのである。


まだ寝ぼけているであろう少女は辺りを見渡す。


「しっかし、ここはどこなのだ?」


辺りは瓦礫の山に加えて、苔や雑草も生え散らかっている。

まるで廃墟の様な感じで、とてつもなくボロボロなのだ、なんなら原型すらほとんど留めていない。


「ん〜、吾輩は確か寝る前は〜、カッコいい決めポーズの練習をしてて、ん〜、でちょっと疲れたから仮眠しようとして、、、あれっ」


その時少女は気付いた、“ここ魔王城なんじゃね”と…


「いやいやイヤイヤ!!、、まさかぁ〜こんなズタボロな場所が魔王城な訳ww、、、、、、、、、、」


少女は考えるのを放棄した。


ぼーっとしていたその時“ぐぅ〜”少女のお腹が怒りの雄叫びを告げた。


「お腹が減ったのだ。」


慣れ親しんだ、その棺の様な寝具から身を起こし、少女は食べ物探しの旅に出たのであった。


そして眠りから、約3000年の時が経過している事もまだ知る由もないのである。


               

              ◇◻︎◇◻︎◇



「お腹が空いて力が出ないのだぁぁぁぁ〜〜!」


あれからどれくらい歩いたであろう、少女は森の中を、ひたすらに真っ直ぐに進んでいた。

“なぜひたすらに真っ直ぐなのか”、人々は問うであろう。


しかし答えは単純明解だ。


–“少女は方向音痴なのである“色んな方向に進んだら戻れなくなるのだ。ー


などとしょうもない事を思っていたその時・・・


「”ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ“!!」


森をつんざめく、人の叫び声の様なものが聞こえた。


「なっなんじゃ!?」


お腹が減っているので、正直行きたくないが、人がいるのであればご飯や情報も得られると思い渋々、少女は声のする方へ向かった。



男 「くっ!来るなぁぁぁぁ」

青年「はぁ!」

女性「風の波よ集いて回れ、ウィンドブレカー!」

男2 「、、、、、、、」


そこには、おそらく冒険者のパーティーであろう人物達がいた。


そして目の前には、体長約2mはあろうかという程の巨体、猪の様な姿に羊の角が生えた魔獣が、再び襲い掛かろうとしているが、1人は死亡、そして今にも逃げ出しそうな男を庇いながら、魔術師の女性と剣士の青年が必死に抵抗していた。


その時少女は、近くの草むらに隠れて、呑気に、


「うむ〜何て言って出て行こうかの〜、吾輩、人と喋るの久しぶりなのじゃよな〜、魔王城でも割とぼっちだったし、、、」


などと供述していた。


「えぇい!なる様にしかならんのだ!吾輩のカッコいい決めポーズ&決め台詞を練習した日々を思い出すのだ!とぅッ!」


勢い良く少女は飛び出した!


「ぐぇッッッッッ」


次の瞬間、思いっきり木の根っこにつまずいて、魔獣の横腹に渾身の頭突きを叩き込んだのである。


「グガァァァァァァァァァァァ!」


唐突な横からの衝撃により大きく巨体が揺れ、怒号と共にバタンッと音を立て魔獣は倒れた。


また少女も恥ずかしさからか、倒れたままであった。


「あっあの大丈夫ですか!?」


女性が少女に駆け寄り手を差し伸べる。


「う、うむ、ありがとなのだ」


「いえ、こちらこそありがとうございます!危ない所を助けていただいて!私はドゥクス・バレンタイン公爵家の長女のカレンと申します。」


そういうとカレンは貴族らしい優雅で上品な挨拶をしてみせた。

冒険者だと思っていた彼女は貴族でもある様だ。


「あの、あなた様のお名前をお聞かせ頂けないでしょうか?」


そう言われると、少女はニヤリと怪しげな表情を浮かべた。


「くっくっく!我輩の名は!全知全能!最強!無敵!超絶魔王のクゥナ様なのだ!」


そして練習した超カッコいいポーズをドヤ顔で決めた。


ーふっ!決まったのだ!これで、人間達は吾輩にビビり散らかして何でも言うことを聞くだろうー


そうクゥナは思っていた……が…しかし


”ぐぅ〜“とお腹が怒りの雄叫びをあげた。


「、、、、、、、、、、、」


「あ〜、サンドイッチくらいしかないですが、いかがですか?」


「、、、、、、、、、、、ありがとうなのだ」








ーもう、ちにたいー














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