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ばけもの子供の物語

誕生日を呪い続けるばけもの

作者: リィズ・ブランディシュカ



 あるとこに、ばけものがいた。


 星の紋章を手につけた、ばけものが。


 ばけものは不死。


 何があっても死なない。


 だから、長い時間ずっと生きていた。


 ばけものはかつて人間だった。


 けれどその時の記憶はすっからかん。


 唯一おぼえているのが、誕生日が嫌いだということ。


 だから、毎日誰かが生まれたり、祝われたりするこの世界のなかで。


 ばけものは誕生日を呪い続けていた。


 すると呪いは強まり、人々にかかりはじめる。


 その力の影響で、誰かが生まれてくると、つながった運命の相手が必ず死ぬようになった。


 それは最愛の相手になるはずの存在だったり、唯一無二の友になるはずの存在だったり。


 ばけものに誕生日を呪われた人たちは、生まれるたびに未来に絆を育むはずだった存在……かけがえのない人たちをなくしていった。


 それで怖くなったその世界の人たちは、悲しみを和らげるために臆病になって、少しずつ人との関わりを絶っていった。


 人は孤独になり、誕生日を祝う習慣も消滅していった。


 ばけものは喜んだ。


 誕生日が祝われることのない、その世界を。



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