満天の星空!ビールはどこですか?
一応プロローグを兼ねていますので短めです
体があつい。意識が朦朧とする。私が何をしたというのだろうか。
いたい、痛いよ…
グルル……!
バサバサバサッッ!
グギャッ!!ギャンギャンギャンッ!!
キャインッ!
「ンん……うるさいなぁ…」
どうしようもない程にうるさい鳴き声たちで目が覚めた。近所にこんなにも吠える犬はいただろうか?記憶にない。それよりもものすごく体がだるい。多分今はまだ9時だと思う。…よし寝よう私はまだ寝るべきだ。そうして私、九條楽笑留は、意識を手放…せなかった!全くもうなんだよなんでかって?それはね!
ギャンギャンギャンギャンッ!キャインッッ!!
騒々しいにもほどがある…
「スゥーーー…うるッ!?……は…??」
どこ、ここ。寝たままのだらけた姿勢で見上げた天井は、鬱蒼とした森。意味が分からない……。
え、あれ、じゃあ、さっきまでうるさいほど頭に響いたあの鳴き声達…近所の犬じゃないの?は?さっきまではあんなにうるさかった獣達は…も、もしかして
先程までうるさかったそこをギギギィー…と聞こえてきそうな程にぎこちなく振り向く楽笑留。
振り向いた先には暗闇から覗く数多の目。
「……はは…なにこの無理ゲー…」
獣達がこちらに向かって駆け出してきた。
楽笑留が今まで熟睡していたのはとびきり寝心地のいい木の根元であったらしい。離れがたく愛おしいそこから起き上がらねばならない。起き上がりたくない。そんなくだらない葛藤から抜け出し。目覚めたばかりの体にむち打ち。起き上がり、駆け出したのは同時かはたまたま数秒遅れをとったか。楽笑留は死を覚悟した。
……やだ!やだやだやだ死にたくない!死にたくないよぉもう死にたくないよやだよぉいきたい…いきたいよぉ!!
湿っているからか滑りやすい土に足を取られてなお、必死に走った。下を向いてしまっていた顔も今はまっすぐ前を見、唇は噛み切ってしまったのか血が滲む。この間1秒もかかっていないだろうか、なんて素早く決まる覚悟。ただこの時においてはその素早い覚悟が功を成した。目前に少し開けた場所が見える。その先には満天の星空。崖だ。
こんな状況じゃなかったら最高であっただろうに。ビール片手に眺めたかった。などと考えてるうちに崖はもう目前。今の私なら某陸上のヒーローボ○トにだって負けないかもしれない。かもだから怒んないでよ○ルトファン。やべーやべー現実逃避してる間にも足音はどんどん近づいてくる。行くしかないよねこれは行くしかないんだね!?はーあ、もう、ふーーー…
ほっぷ、すてっぷ
「ジャーーンプッ!!!」
激しく目をつぶった。日本語がおかしいって?仕方ないじゃん仕方ないよね?こんな状況でまでにこにこしてられっかよ。無理でしょう。母さんごめんなさい流石にこんな状況でまで母さんが願ってくれたように楽しく笑って生きれませんでした。…っていうか、ずっと、ずっと母さんが考えてくれた名前に不釣り合いに生きて、ごめんなさい。ちょっと、キラキラネームすぎるんよ、母さん。親孝行…出来なかったなぁ…。次は、次、が、あるなら…
あれ、なんで私生きてんの。
続きも読んでくれたら嬉しいなぁ|´-`)チラッなんてね!