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月面荘  作者: 江本紅
5/7

結果

「なんか本山田君がうつむいたまま帰ってきたけど、なんかあった?」


月面荘に帰ってそうそう、大家さんにでくわすと、こう尋ねられた。丁度犬の散歩に行くところだったらしく、犬を抱きかかえていた。ここの隣に住んでいる田所さん家のペットだろう。田所さんは

犬はトイプードルで触るともふもふしてそうだったけど、あいにく僕は犬アレルギーだから触れない。大方要望が受け入れられなかったのだろう。まあ仕方がないし、断られる方が普通だ。


「多分、どうでもいいことですよ。きっと。」


「そう、ならいいけど。」


話が終わったと思って、即座に立ち去ろうとすると、大家さんが何やら思い出したかのように話を続けた。


「あ、そうだ、あなた宛てに荷物が届いていたから部屋の前に置いといたわよ。確か、送り主は、」


「米山」


「そう!米山一!有名人と同じ名前だったから憶えていたの。同姓同名で面白いわね。じゃ」


言いたいことを言いたいだけ言うと、大家さんは犬を抱えて散歩にでかけていった。犬は興奮しているみたいで、何やらキュンキュン鳴いていた。


部屋に向かうと、ドアに前に大きな段ボールが2つ積み上げられていた。送り主蘭を見ると、さっき言われた通り、米山一の名前が記載してあった。見た瞬間に少し蹴り飛ばしたい衝動に襲われたが、おさめる。ここで憤っても仕方がないことだ。とりあえず、他の住人の邪魔にならないように部屋の中に入れるとしよう。


持ってみると、意外と重い。何が入っているのか内容物記載のところを見ると、そこには「野菜、諸々使えそうなもの(金物)、ガラス製品、その他」と書かれていた。これは、開けてみないことにはどうにもならないな。


とりあえず、部屋に運びこんだところで、玄関のチャイムが鳴った。


「米沢さんいますかー?本山田なんですけど、聞いて欲しいことがあってきました。」


居留守を使ってもいいかもしれない。絶対面倒くさい。あと、話の内容はさっきの大家さんとの雑談に大方わかっている。


「居留守きめこむのは全然僕的にかまわないんですけど、大家さんに今夜の夜ごはんの食事、米沢さんのだけ減らすように言伝しますよ。なんか食欲ないからって。」


それは、困る。一日の楽しみだ。しかも今日は油淋鶏だと言っていた。


結局、開ける以外の選択肢はないのだろう。ドアを開けると、白い歯がまぶしい本山田君が満面の笑みでいた。

年の瀬が迫ってきていますが、みなさんどうお過ごしでしょうか。私は去年の鏡餅を発見してどうしてやろうかと考えている最中でございます。

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