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始まりの章 日が暮れて

詰め所に着いたレオとレイは、その場に居た者たちから奇異な物を見る目で見られたが、そんな事には2人はすでに慣れた物で、呆然としているのにも目もくれずに責任者の所在を尋ね、教えて貰った部屋へ向かった。


「慣れればどうって事無いだろ」


道すがらレオが言う、レイは小さくため息を吐いて、


「どうって事は有るが、俺はお前の為なら何でもすると約束したからな、これぐらいなら我慢するさ」


レオの口元が緩むのを確認してレイの口元も緩んだ、そうこうしていると責任者の部屋の前に着いた。


ノックをして中に入ると向かい合わせの椅子にテーブルが有り、その奥には大きな机と責任者が座っている。

責任者が手で向かい合わせの椅子に座るよう促してきた為に2人はそれに従った。

非常に疲れた様子の責任者に盗賊の討伐に関する事を尋ねると重い口を開き話し始めた、有力な情報は無くどこからどう襲って来ているのかも見当も付かないようだ、


「わかりました、貴重なお話をありがとうございます」


何も得るものが無くとも御礼を伝え、退室する前にひとつ気にかかっていた事を尋ねた、


「盗賊に襲われた人たちはどこで治療を受けていますか」


「え、ああ、もう治療はすんでみんな働いてますよ、奪われた分を取り返さないといけないからって」


「そうなんですか、それは何よりです」


そう伝えて2人は部屋を出た、詰め所から馬車に帰る途中でレオが、


「どう思う」


レイに問いかける、レイは暫く考え込んだ後で、


「仕方ないさ、こういうのも俺たちの任務なんだろ」


「そうだなぁ、でも出来れば怪我人は出したくないな」


「それは難しいかな、抵抗はされるだろうし」


レオとレイが馬車に着いた時、カリスタは熟睡していた、ジェラルドは馬車を見張っていたが、その部下たちはどこかへ行ったようでその場には居なかった。

レオとレイは顔を見合わせ今からどうするか話し合ったが、盗賊が動き始めるとしたら人々が寝静まってからだと相場が決まっているので、ジェラルドを残して場所を町の外に移し木陰に腰掛けて休息をとる事にした。


レオが目を覚ましたのは空腹を誘う香りに気付いたからだった、レイお手製のシチューと町で買ってきたパンを軽く炙った上にハムを乗せた簡単な食事だが空腹には最高のご馳走だ。

レオは器を受け取ると一際大きなジャガイモを頬張ってしまい、余りの熱さに身悶えしながら何とか飲み込んだ、


「慌てて食べるからだよ、ほら水で口の中を冷やしな」


レオは呆れ顔のレイから水を受け取ると一気に飲み干し一息吐くと、今度は熱々のハムにかぶりつき再びレイを呆れさせた。

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