5位:バークさん(バーク軍曹)、やさしい軍曹(J・D・サリンジャー)、小説
※この文章は、情弱さん(わたしの知人)が読めるかもしれない、情弱さんフレンドリーでお届けいたしますので、過度な説明が随所に見られるかもしれません。
ご了承ください。
※基本的に句点(。)をつけません。
※途中で書くのに疲れるかもしれないので、その際は察してください。
今回これを書くに当たりいろいろ調べていて、いろいろショックをうけている
わたしはこの作品を昔近所の図書館で借りた本で何度も何度も読んだのだが、「やさしい軍曹」が翻訳出版されたのは日本だけで、しかもわたしが借りて読んだあのサリンジャー選集は絶版になっているというのだ
まじか……
え、じゃあ図書館の本がなんらかの事情でなくなったとき、わたしが今後あの美しい物語を読みたいとおもったら、もう読めないの……?
まじで?
勘弁してくれ、サリンジャーで一番好きな話なんだ
……とおもったらある!!!再販されてる!!!よかった!!!(滂沱の涙)
こんなこともあり得るから、本当に好きなお話は手元に置いておこうと今回ほんとうにおもいました
サリンジャーは晩年になるにつれて小難しいこと考えてゆくようになっちゃったから、初期のこうした短編はほんとうに希少だと思うのです
ナイン・ストーリーズを否定するわけじゃないけどさ
むしろ出来としてはナイン・ストーリーズのがいいに決まっている、わかっている
が、わたしが愛したサリンジャーは初期の短編の中にいる
なんでもご本人が単行本化を望まなかったらしい
なのできっと読まれるのもこれが一番好き、と言われるのも不本意なのだろうと思う
ごめんなさい、でも一番好き
バークさんが軍隊に入ったばかりの16歳の少年を不器用に気遣う様子が、当時少年だった本人の不器用な語り口でとつとつと現されていく全体の空気感が本当に好き
感傷的すぎるという意見もたしかに、とおもう
でもこの作品を読んで流される涙は綺麗な涙だよ
本当に良い人って、それを当然と思っているから自分が為した善行を誰かに知らせることなんてしやしない
語り部であるフィリーが奥さんにバークさんのことを語って聞かせてるのも、自分はバークさんが「えらい人」だって気付けた数少ない人間のうちのひとりだから
バークさんの人柄と戦死してしまったことを聞いて泣きながらフィリーを殴る奥さんにもらい泣き
フィリーの最後の言葉も泣ける
本当に良い人ってさ、なんで早く死んじゃうんだろうと思っていたけど、これ書きながらなんかわかった気がするよ
バークさんがそうであったように、彼らは他者を愛しているんだ
それは自分を蔑むこととも低めることとも違って、ただ人よりも他の人を思い遣れるから、ちょっとだけ無理がたたってしまったり、まさかというところで行動に移せたりするんだ
その「ちょっと」が、人によって大きなものだってだけで
↓なろう小説で似たテーマの作品、といえばこれね
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https://ncode.syosetu.com/n4688fo/
笑っちまうかもしれないけど、多分それは愛だ
作者:村崎羯諦
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ちなみにわたしはこの作者さまに時折サリンジャーみをみます
バークさんみたいな人を幾人か見送ってきたよ
わたしもフィリーのようでありたいとおもう
↓なろうに神作家がいるとしたらまず最初に名前が上がる方
https://ncode.syosetu.com/n4688fo/
笑っちまうかもしれないけど、多分それは愛だ
作者:村崎羯諦
ぎゃていさまだいすき
↓サリンジャー初期の短編高く評価してくださっている方が!!!うれしい!!!
http://sekineyuji.hatenablog.com/entry/2019/03/08/141322
関根裕治Blog 星々の棲む森
J.D.サリンジャー全小説再読の感想
>僕はこの作品を読み返すたびラストのところで必ず泣きます。感動的な話だからというわけではない。悲しいからでもない。軍曹のやさしさに胸を打たれるというのも違う。うまく説明できないけれど、フィリーの語りの奥にあるサリンジャーの審美眼に深く共鳴するからかもしれません。
わ か る