宇宙について語り始めた女装少年
天文学や地学は趣味で色々覚えました。
ベッドの上でミニチュアダックスフントのルーズを捕まえてゴロゴロしている私の恋人、蒼大。
色々怖い話をしたので彼は既に怖い話耐性ができたと思っているらしい。
甘いね。けろけろ言いたいのかな?
では、もっと怖い話をすることにしよう。
いや、なんのことはない、星空のお話ですよっと。
どーもアキです。前回は毒の話なので毒を吐きましたが今回はのんびり宇宙の旅です。……アル○ゲドンとかディープインパ○トとか、そんな可愛い話はしませんよ。やだなあ。
最初は太陽から行ってみましょうか。あ、月が落ちてきたら人類どころか全ての生物が死に絶えますけどまあそんな可愛い話は置いといて。(落ちて来ないんで)
えー、と、太陽の大きさは地球の百九倍有るそうですよ。
わー、おっきい。
直径が百九倍なので体積はその三乗あります。およそ十三万倍ですかね? あ、すみません、百三十万倍でした。
……厳密に言うと立方体の体積の求め方と球体の体積の求め方は違うけどね。球体の体積は立方体のおおよそ半分くらいです。それでも六五万倍はあるかな? 地球も球体だから百三十万倍で良いのか。宇宙の話をすると算数が入ってくるの私も嫌いです。算数は得意科目ですが。
……。宇宙おっきい。怖い。
「太陽が落ちてきたらどうするんだ?」
「その表現はおかしい。その場合太陽にゴミが落ちてきた感じ。蒼大の百三十万分の一の体積の物が落ちてきたらどう思う?」
「単純に計算して百分の一なら五百グラムくらい? その一万分の一なら……二十分の一グラムか?」
「太陽にとって地球はそんなもの。で、更に太陽は宇宙ではゴミに等しい小恒星だったりする」
「ヤバい、もう頭がおかしくなってきた」
これくらいで混乱されると困る。なろう小説とか惑星一つ統治しかねる神様が邪神呼ばわりされてるのにこの程度の大きさで混乱されても。
本当の神様が支配してる世界ってもっともっと大きいからね。楽しみにしておいて。
「太陽どころか太陽から木星だったか土星まですっぽり覆う恒星もあるよ」
宇宙のたった一つの星の話なのでそんなに大きな話じゃないよ。
私たちの暮らす天の川銀河の恒星の数は二千~四千億個有るらしいよ。
「……全くイメージできない」
「天の川ってあるじゃん? あれは天の川銀河っていうどら焼き型の星の群れを横から見てるからあんな風に見えるんだよ。んー、あれの一つ一つが太陽は雑魚って言えるレベルの大きさの恒星で、そのそれぞれの周囲に惑星があるんだよ。宇宙広いよね」
「ごめん、吐き気してきた」
「けろけろ?」
「げろげろ」
それは可愛くないが、私は宇宙を一パーセントも語ってないぞ。
だって、見える範囲の銀河がいくつあるのかって話じゃん?
二兆個。
うん、もう想像もつかないと思う。これからどうお話を展開しようか困るもんね。
まあ、神様が人間を気にかけてくれる可能性なんてほぼゼロなんだとわかってもらえたらうれしい。人間に恨まれてもなんの痛痒も無いだろうね。
まあそんなどうでも良い話は置いておこう。
次はみんなが大好きなブラックホールの話をしよう。うーん、最近私のお話ってものすごいはしょってる気がするんだよね。質問されたらいくらでも答えるから質問してほしい。ネットを漁っても答えを出すからね。
おっと、ブラックホールだね。シュバルツシルト半径とか事象の地平面とか中二病患者御用達の領域だから語るまでも無いのかな。
飲み込まれたら、異世界に行けると思ってる人がいるかもしれないが、うーん。ブラックホールの向こうには小さい世界があるという話は有るんだけど、次元の軸が明らかに違うから落ちても素材になるだけでその世界では生きていけません。ブラックホール自殺って興味有るけど事象の地平面では時間は停止するからお薦めしませんね。
昔マイクロブラックホールを作ろうと言う実験が有ったんですが、確か既に作ったと思いますが、その時めちゃくちゃ危ない、世界が滅びる、なんてばか騒ぎしていた人たちがいたらしいですね。
あのですね、太陽の質量でもブラックホールにはならないと言われています。実験室の一グラムも無い質量で作ったブラックホールはその場で蒸発してしまいます。
えーと、私たちは地球の質量に引かれています。では、あなたの隣のビー玉に引かれますか?
うん、そんな吸引力を出せたらダ○ソンが歓喜しそうですね。無理です。
うーん、加速器の中で電子だかなんだかをぶつける実験の一貫でそんなに意味は感じない実験なんですよね。バカみたいに電力使うはずだからなんか意味があったんでしょ。ヒッグス粒子はもう見つかってましたっけ。まあそれは良いや。蒼大は想像もつかないのでけろりとも言わないし。
ブラックホールに落ちたら永遠に落ち続けるかも知れないよ、とか言っておけば怖がるかな?
宇宙は実は他の宇宙のブラックホールの中で生まれる説もあるよ。確かめようがないけどね。
私たちの宇宙の親宇宙、お爺さん宇宙、もっと上の宇宙が存在する説が有るんだよ。頭の良い学者さんたちが真面目に語ってる宇宙説なんだ。
何兆もの銀河を内包した宇宙が枝葉の一つだと思うと、もう私たちの住む地球なんてゴミの中のゴミの中のゴミ。無くなっても多分神様は気付かないよ。後で見つけてふーん、とか言うくらいじゃないかな。
宇宙の大きさを知ると絶望感を味わえるから、手始めに恒星の大きさから調べてみると良いよ。
まあ宇宙は想像の翼をどこまでも受け入れてくれる。世界は知れば知るほど素晴らしい。
宇宙では地球が滅びるくらいはスモールスケールです。誰にも気にも止められないでしょうね。
究極的な話をすると物理的にいずれ世界は滅びるんで気にすること無いですよ。私たちが生きてるうちには滅びませんしね。
不死化技術が成立したらもしかしたら終末まで生きられるんでしょうか?
近々……ってもだいぶ未来には不老化技術は生まれるらしいですよ。
コンピューターの異様な進化速度を見ると、遠くない未来には私たちは情報の一つになって好きなように生きて好きなように死ぬ世界に旅立つのでしょう。
あれ? あとがきの方が怖い?