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第二話 みっつの願い、どれがいい?

 その女の人に手を取られると、わたしの足は地面を離れ、宙に浮かんでいく。女の人も一緒に浮かんでいる。


 高さはどんどん高くなり二階建ての家の屋根くらいの高さになっていく。


「お、女の子が宙に浮いてるぞ!」


「えっ、なんかテレビの撮影? ワイヤーアクション?」


「ママ見てー! すごーい!手品みたい!」


 回りの人たちが驚きの声を上げる。


 そして、わたしの視界は光に包まれた。


 ――目の前の光が収まると、そこは元いた関帝廟ではなく、全く別の風景が広がっていた。


 遠くに連なる山脈、真っ青な空、足元に広がる草原と土の地面。


 土がむきだしになっいる所は固く踏み固められ、道路のようになっていた。


 そして隣にいる、不思議な格好をした女の人。歳はわたしのお姉ちゃんよりも少し上くらいかな?


「あ、あの、あなたはいったい誰ですか?そしてここはどこですか?」


 手を取って、わたしをここに連れてきた?女の人に話しかけてみる。


「ああ、やっぱりあなた、私の事が見えるんだね☆ あなたとってもラッキーよ!!」


 やたらとテンション高く返事をしてくる。


「あのーそれであなたは誰なんでしょうか……?」


 わたしが再度質問をすると、じっとわたしの目を見てきて、


「ふっふっふ~、私は女神ケレース。穀物の神様、豊穣神なのさぁ。ちょっとワケあってあそこにいたのだけれど、丁度いい素質の持ち主が来たから、連れてきちゃった☆」


 その女の人は片目を閉じ、ウインクしながら自己紹介をしてきた。


「連れてきちゃったって……やだ、どこここ、早くおうちに帰してよ! ケレースさん!」


 わたしは少しむっとしながら、目の前の女の人、ケレースさんに視線をぶつける。


「まぁまぁそれは心配しないで。で、あなたには素質があると見込んで、特別にお願いを叶えてあげるから☆」


 そう言うとケレースさんは、長さ二十センチほどの、細長く丸められた紙を取り出して手に握りしめ、こちらに差し出してくる。


「さっきあんたが祈った三つのお願い、ひとつずつ叶えてあげる! 最初は何がいいかな? さあ、このクジを引いて☆」


 えっ、さっきのお願いって……関帝廟でお祈りしてた時のお願い?


 まゆかちゃんみたいに国民の妹になれますように! お料理が上手になりますように! おこづかいが増えますように!


 だったっけ。えーと、どれがいいかな??


 わたしは少し疑いの視線を女神様に向けながらも、もしもお願いが叶った時の事を頭の中でイメージしていた。


「やっぱりおこづかいが増えるのがいいかなぁ。欲しいお洋服もたくさんあるし。国民の妹って言っても、まゆかちゃんみたいにスケートが滑れるわけでもないし、何か人より上手な事もないし……」


 ぶつぶつと独り言を言いながら、わたしはどのくじがいいかを考える。


 くじの見た目は、色も形も全て同じ。じーっと見つめてみたけど、中身が透けて見えたりするような事はなかった。


「うーん、それじゃあ、これっ!!」


 わたしはカンで選んだ一本を、ケレースさんの手から引き抜いた。


「さあ、それじゃあクジを広げて、書いてある字を読んでみて☆」


 わたしは丸められたクジを広げ、書いてある字を読んでみる


 そこには――。

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