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episode20―ready―
※今回は節目になので短くなってます。
※途中からアリア側になってます。
「まだですかねー……」
アリアからの連絡を待ち始めて10日が過ぎていた。
「どうなんだろうな……」
俺と沙耶はまた商店街をぶらりと歩いていた。
変わり映えのしない風景を見つつも、不安が隠せなかった。
「そこでコーヒーでも飲むか」
俺は右側の建物に視線を向ける。
最近よく寄るようになった喫茶店だ。
※※※
―アリア―
「世界の崩壊か……」
アリアは口元に手を運び、思考を張り巡らせる。
「そもそもこの世界だけ影響が大きすぎる……。ほとんどの世界は交じり合うことがなく、それぞれ個々の世界を存在させているのに」
『この世界』が異常。
他の世界と比較しても、これだけ大きな被害を受けているのは『この世界』と『もう一つの世界だけ』。
「やっぱり……これしかないか」
アリアは書類を一気に束ね、鞄の中に放り込む。
「さて、あとはあの2人次第ね」
アリアは上着を着て、大き目の鞄を手に家を出た。