episode17―back―
「今のところは大丈夫。……ああ」
アリアからの電話。
もう少しかかる、との連絡だった。
「ん、分かった。ああ、よろしく……」
携帯の電源ボタンを押し、ポケットに戻す。
「どうでした?」
「あと少しかかるみたいだ」
「そうですか……」
沙耶と2人で商店街を歩いていた所にきた電話だった。
1人になると余計なことばかり頭に浮かぶので、できるだけ一緒にいるようにしている。
「やっぱりいつ何が起きるか不安ですね……」
「今はアリアに任せるしかないさ」
ただ待つだけなのがとても歯がゆい。
何も起こらないことを祈るだけ。
「今日はどうしましょうか……。直樹くんは、どこか行きたい場所ありますか?」
「行きたい場所か……」
辺りを見渡しながら候補を絞っていく。
「……あ、病院に行ってもいいか」
「病院?どこか具合でも悪いんですか?」
「お見舞いだよ、お見舞い」
「?」
しばらく会っていなかった奴。
月に一回は顔を出せ、との命令だったがここのところ忘れていた。
※※※
着いた病院は、商店街のはずれにある大きな病院。
この町の人ほとんどが、この病院のお世話になっているくらいだ。
玄関から院内に入る。
そこでは、今日退院したと思われる女の子が花束を持ち、母親と一緒に歩いていた。
「あいつはいつになるんだろうな……」
「直樹くん?」
「いや、なんでもない……」
502号室。
ここだ。
「入るぞー」
病室のドアを開け、窓からの光が俺の眼を眩ませる。
視界が戻っていくにつれて、数ヶ月ぶりの姿が映った。
「……直樹?直樹だ!」
「久しぶりだな……」
そこには、薄着のパジャマを着た幼馴染がいた。
新キャラです。
ずっと前に名前だけを出していたあの子です。
やっと出演します。