episode10―road―
翌朝、俺たちは話しを聞くために遠出することになった。
もちろん学校は休みました……
で、現在は電車の中。
「直樹くん」
「んー?」
少し眠りかけていた時、沙耶に話しかけられる。
「新婚旅行ですねっ」
「違うわっ!」
目が覚めた。
「え!?違うんですか?」
色々とおかしい。
というか目的が変わってる。
「じゃあ……婚前旅行ですねっ?」
だから目的が変わってる。
「学校まで休んだんだから……」
「学校なんてどうでもいいじゃないですか」
ぇええ……
こいつの価値観がわからん。
「しかも、2人きりで宿に外泊ですよ?危険な香りが……」
「危険なのはお前の頭だ!」
まったくもう!
キャラが安定しない奴だなほんとに!
「で、これから会いに行く人ってどんな人なんだ?」
「催眠術師です」
「……」
「母に聞いたところ、人に暗示をかけることが得意だそうです」
それだけ聞くと危な過ぎるんだが……
「いい人みたいですよ?」
「何を根拠に!?」
ゲームとか漫画に例えると明らかに敵キャラじゃねーか!
「昔、お母さんに聞いただけで実際には会ったことないんですよ」
「だ、大丈夫なのか?」
「住んでる場所は分かります」
ふ、不安だ。
というか何?そのガッツポーズ……
「ま、それより……」
沙耶は体をこっちに向けて言った。
「その人の所に行くまでは楽しみましょうよ。ね?」
「……だな」