表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/27

episode8―feel―

沙耶が倒れた日の翌日。


沙耶は俺の家に朝飯を食べに来ていた。


「なぁ、ほんとに俺のこと好きか?」


「はい。むぐ……、大好き……です……あむ」


「なんで食いながら!?」


目線すらあってない。


「で、体調は大丈夫か?」


「あ、はい。大分回復しました。まぁ風邪ってわけでもなかったですし」


「そうか……」


確かに、この食欲を見ればね。


「そういや、前から思ってたんだけどさ……」


「はい?」


「なんでお前敬語なんだ?」


「敬語、ですか?……それといって理由はないですけど、今まではあまり他の人と話す機会がなかったからだと思います。友達っていう人もいませんでしたし」


沙耶はあまり悲しそうにも見えない顔で話す。

誰とも話さない。

それが沙耶にとっては普通だったのだろう。


「……じゃあ、今日から敬語禁止!」


「え……?ぇええええっ!?な、何でですか!?」


朝飯に夢中だった沙耶が急にこちらを見る。

逆に俺がびっくりしたりする。


「い、いやー、実は俺、同年代に敬語で話されるの抵抗があったんだよねー」


「今更、驚愕の事実を知らされましたよ!」


「ほら!もう敬語はだめだ!」


「う……。……うん、わかったよ、直樹くん」


「……」


こ、これは……


敬語をやめる。

それだけのことなのに、予想以上に強力だった。


「直樹くん?」


「な、なんだ?」


「今日も屋上で魔法使うけど、いいかな?」


「あ、ああ。無理しなきゃいいぞ」


「ありがとう、直樹くん!」


「……。敬語に戻そうか……」












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ