内命オーバーブッキング
綺麗に並べられた
目の前の食卓
左にご飯
右に汁物
真ん中には
メインであるサイコロステーキと
ポテトサラダの皿
左上にはサラダ
右上にはお茶の入ったコップ
一番手前にある
部屋の明かりに反射した綺麗な箸
美味しい湯気の立つ
幸せなテーブル
幸せなテーブル
それを
全て破壊する
それくらいの事が
改変するには必要だ
君の望みが
そこまでならば
君が破壊する理由には
ならないだろうが
僕は変化を望むから
だから
そこで道は違える
僕は要らない
そんな
幸せなテーブルは必要ない
そんな
幸せなテーブルは必要ない
それを全て賭けて
手に入る物を選ぶ
何もかも
手に入れられる人間は
世界に数パーセントしか居ない
僕等
普通の人間は
何かを賭けて
手に入れられた物に
納得するしかない
月日が経つ度に
その納得の比重は
重くなっていく
遠ざけた分だけ
重くなっていく
考えなかった分だけ
大きくなっていく
ただの文句だけなら
自分に言えば良い
何も無い
自分に言えば良い
組み立てたパーツの
上手くいかなさに
落ち度を考えた上で
申し開きをするのだ
僕等が
言えるのは
そこまでなのだ
落ちこぼれは
肉体派になるしか
方法はない
たまに
フィットネスが流行るのは
ダイエットだけが
理由じゃないんだ
全てはバランスだったりする
一枚剥がさないのは
誰も気づかないように
封じ込めているから
一枚剥がさないのは
誰かが気づいても
抗えない事を
わかっているから