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行き先のない遊覧船

作者: Riku

ある日、私にふとある感覚が立ち現れた。


-何か行き先のない遊覧船に乗っている様だ。-


それは、辺りが薄暗くなり始めた夕方頃、近所を散歩中の出来事であった。


私はその奇妙な、しかし、どことなく心地良い感覚をじっくりと味わった。


まるで、自分と世界との境界がなくなって仕舞ったような、そんな感じであった。

だからといって、自我が消えて無くなったかと言われると、そうではなかった。


それからというもの、私は"私"というものについて考えるようになっていた。もし、世界に私しか居なく、鏡もなかったとしたら、私は"私"をどう認識するのか。気になって、眠れない日々が続いた。


私たちは、当たり前過ぎる事は、余り考えないのかもしれない。

私も、つい最近まで、"私"が何であるのか、疑問に思った事すら無かった。


人間は、"私"以外の物事には、物凄く関心を抱くのに、何故か、"私"には関心を抱かない。

ちなみにここで云う"私"は、他人から認識されている自分の個性や容姿や、自分で、「自分はこういう人間だ。」というようなものではない。


自分がいる位置から見た、"私"である。それは、目を閉じたところで、無くなったりはしない。眠っている時ですら、"私"は在る。


そう考えると、不思議である。人間は、他人から認識されるアイデンティティや、自分で思う、自分像の他にも、"私"があるように思われる。なぜなら、目をつむったり、眠っていても、"私"はそこにちゃんと在るからだ。


すると、人間は社会的動物としての役割の他にも、何かがあるのではないだろうか。


ありがとうございました。

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