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armor
戦ってよかったのか
争ってよかったのか
『見捨ててよかったのだろうか』
薄暗い洞窟の中、
ボロボロの椅子に座り二時間たった。
洞窟の奥にはかすかな光が見えた。
『…行くか。』
なにかを決意する。
奥から見える光にそっと手をかざす、
椅子から降り、光にかざしていた手で
剣をとり、そのまま奥にゆっくり歩いて行く。
奥の光は思ったよりもはやく近づいてくる。
足を止めたい。
足を止めたい。
ただ、足を止めたかった。
足さえ止めればよかった。
足さえ止めればその現実に目を向かなくてよかった。
ピシャッ、という音が足下から聞こえた。
…なにがあるかは見なかった。
『あ…』
足になにかあたった。
生々しい音ですぐなにかわかった。
絶望を感じながら歩く。
手の力が抜けていく。
なぜだろう、見ていないはずなのに、
勝手に入ってくる。
なぜ、無数の死体が見えるのだろう。
体全体が痛くなってくる。
首がかゆくなってくる。
手が震えてくる。
ゆっくり、震える手で光に手を近づける。
『レア』
光はある男の名前をだした。
『起動』
光は強くなった。
『…了解』
光は赤くなった。
『不可能』
光は絶望をくれた。