6話 上位種
ということで、今町へと向かっております。いやーやめて、本当に。こっちには女の人たくさんいるんだぞ!戦えない人とかな!なのに、まあ、この森と来たら……ゴブリン、ゴブリン、ゴブリンetc………帰れ!!
エレンさんの話によると魔の大森林の西側はゴブリンの縄張りで、ゴブリンキングが頂点に君臨しているらしい。ゴブリンキングはAランクの魔物で、Aランク冒険者数人いないと倒せないらしい。倒してしまったけどね。
東側は、フォレストウルフの縄張り、南はオークとオーガ、北はドラゴン。真ん中にはダンジョンがあるらしい。
それはともかくとして、そろそろ町が見えるころらしい。一応ついて行くことになって三日はたっている。その間にレベルがまたカンストしてしまった。進化先はなんと
『種族進化を行えます』
『進化先』
『サンドウルフ』
『ウェアウルフ』
と出たんだ。あれれ?前の進化先から今なっているスノーウルフが消えただけだぞ?うーむ…なぜだろうか……?全部進化してみれば新しいのが出てくるかもしれないな!とりあえず上から順でサンドウルフになろう!
そう考えた瞬間また前のように全身が光った。数秒後おさまると、砂の狼が現れた。
『厳暑耐性を取得しました』
『極寒耐性と厳暑耐性が統合され、熱変動耐性を取得しました』
『岩魔法を取得しました』
『土魔法と岩魔法が統合され、砂魔法を取得しました』
『熱変動耐性』
周りの気温が変わっても影響を受けない。
『砂魔法』
土魔法と岩魔法が統合された魔法。固めて土や岩にすることもできる。
ほほう…!!熱変動耐性は有用だ!素晴らしい!でも、砂魔法はあまりよくわからないな……。
「狼さん!町が見えましたよ!どこですか!?」
エレンの声が聞こえた。どうやら町についたらしい。
「うわ!そ、その姿、ど、どうしたんですか!?」
『うむ、秘密だ。そんなことより町に着いたのか?』
「ええ!」
『そうか!それでは我は行くとしよう』
「あ、あの!」
『なんだ?』
「お、お名前は?」
『うむ?我の名か?』
考えてなかったな……うーん………
『我の名は……ウルフ・クローだ』
瞬間、彼は意識が曖昧になった。が、今ここで意識を失う訳にはいかないので走り去った。意識を失う直前にステータスを確認した。
『ステータス』
名前:---
種族:サンドウルフ(希少種)
年齢:0歳
職業:---
Lv:20/20
生命力:598
魔力:583
物攻:665
物防:580
魔攻:578
魔防:573
知力:150
俊敏:595
器用:150
幸運:100
称号:異世界転移者、異世界転生者、希少種、賢き魔物、幸運な男、希少種殺し、ゴブリンブレイカー
ユニークスキル:異世界言語、鑑定LvMAX、隠蔽LvMAX、諍いの爪
種族スキル:思念伝達、暴狼化
ノーマルスキル:嗅覚強化Lv5、聴覚強化Lv5、隠密LvMAX、思考加速Lv8、並列思考Lv1、気配察知Lv5、魔力察知Lv5、火魔法Lv3、水魔法Lv4、風魔法Lv3、雪魔法Lv1、砂魔法Lv1
エクストラスキル:熱変動耐性、ゴブリン特効EX
それを最後に意識を失った。その直後彼の頭の中に声が響き渡った。無論、彼には聞こえていない。
『ウルフ・クローの名前を認証』
『サンドウルフのLvをマックスに、種族進化を行います』
『ウェアウルフへの進化を行います』
過去に、自分で名付けを行った魔物はいない。いや、いなかった。彼はそれを可能とした。
『千匹狼を取得しました』
森は嘲るようにざわめいた。
展開が早すぎますね………