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災いの爪  作者: 豆粒
学園生活編
60/75

50話 緊急依頼と暴食


 午後になって、ソウタはギルドの前にいた。Fランクから冒険者のランクをあげるためである。Fランクで受けられるクエストを探していると……


『急募!!発電所の探索!ランク問わず!人数は多い方がいい!』


 というクエストを発見した。急いで書いたらしく、他のクエストのような綺麗な言葉や字ではない。さっそく受注して場所を聞いた。その時に受付嬢にFランクだけど大丈夫かという顔をされたのは言うまでもない。




 目的地につくと、既に冒険者達が集まっていた。その中にアーチボルトさんがいたので声をかけた。


「アーチボルトさーん!」


「!!あなた来てたの!?」


「いやーそろそろ冒険者ランクをあげたいなあって思ったんだー」


 ナタリーと話しているとギルド職員がやってきてクエストが開始された。開始して一時間は順調だった。


 しかし、先に向かった者達の反応が徐々になくなっていき、感知を持っている者達の顔は険しくなっていった。


 この発電所に現れる魔物は、雷属性の魔物が多い、今までそんな魔物に出会ったことがない者達は苦戦を強いられる。


 それを踏まえてもわからない。その程度の強さの者達などいない。そう考えてますます謎は増えて行くばかりだった。


 魔力と気配は全く感じないが、一つの巨大な生命力をソウタは感じ取っていた。


「なあ、一回弱いやつを連れて行こうぜ?そいつを囮にしてそれで何でか見てみようぜ」


 そんなことを小声で言っているのが聞こえた。その後そよ声の主がギルド職員に何かを聞いた。声の主が何人かを連れてこちらに近付いてくる。


「そこのしょーねん。今度は俺らが行くぞ。大丈夫だ。守ってやるからよ」


 五人の男がやって来てそう言った。それを承諾し彼らに冒険者ランクを聞くと、三人がBランクで残りの二人がCランクらしい。


 ダンジョンへ彼らのあとに続いて入っていくと、しばらく進んだところで男五人がニヤニヤしながらソウタを取り囲んだ。そして、先程の声の主がソウタに語りかける。


「お前は囮に使わせてもらう。別にFランクの雑魚が死んだところで誰も気に止めないだろ」


「俺らはBランクとCランクだ。それなりに傷をつけて戻って守りきれなかったってちょっと悔しそうな顔をして言えば信じてもらえんだよお」


 それをソウタは全く聞いていなかった。むしろ、ソウタは彼らの身の安全を心配していた。なぜなら、巨大な生命力がすぐ近くにせまっているからだ。


「弱い者いじめなんて、しょうもねえことしてんじゃねえよ」


 そう言いながら現れた巨大な生命力の主は水色の髪をした、魔人だった。いや、覚醒魔王種である。


『ステータス』

名前:ベルゼブブ

種族:覚醒魔王種悪魔族

年齢:不明

職業:---


Lv:90/100

生命力:1505000

魔力:1307500


物攻:1504000

物防:1409000

魔攻:1304000

魔防:1206000

知力:70

俊敏:1407000

器用:1355000

幸運:30


称号:暴食の魔王、蝿の王、気高き主、魔王種殺し


ユニークスキル:暴食


種族スキル:吸血


ノーマルスキル:嵐魔法LvMAX、雷魔法LvMAX、身体強化魔法LvMAX、生命感知Lv5、魔力支配Lv5、眷属化、魔王覇気Lv2、限界突破


エクストラスキル:魔法吸収、魔物特効A


「ここにいる魔王種を俺の力にして帰ろうと思ったら何だか外から弱い反応が何個も来るから今片っ端から片付けてたとこだ。」


 しかし、ベルゼブブには返り血が一つもついてはいない。男達は構えて、いつでも攻撃できるようにした。


「そしたら弱い者いじめをしてるじゃねえか。テンション下がったぜ。だが、まあ、弱い者いじめじゃなかったみてえだな」


 ベルゼブブはそう言いなが嵐魔法を発動させ、ソウタ以外の体を切り刻む。しかし、血は溢れ出ない。


 ベルゼブブが嵐魔法で、空気に干渉して血を丸め、自分の口元に運んだからだ。


「ぷはあ、あんましうまくねえなあ、それに、全く強くなってねえし。でもおめえは……」


 そう言いながらベルゼブブはソウタの背後に一瞬で回り込み、ソウタを殴る。ソウタはその拳を受け止める。


「ははは♪やっぱりお前は違う、な!!!!!」


 笑顔で殴りかかってくるベルゼブブ。それを交わし続けていると、建物が揺れ始めた。これはまずいと思い、ソウタは天井を突き破って屋上に出る。


 追い掛けてきたベルゼブブを空高く蹴り上げ、飛ぶ。 拳を拳で相殺し、もはや防御などないただの殴り合いが続く。それでもベルゼブブは笑顔のままだ。


「ああ!!ああ!!!この感覚!何年?何百年ぶりだあ!?こんなに楽しいのはあの厄病神以来だぜ!!!お前さん誇っていいぞ!!!!!」


 心の底から嬉しそうに、無邪気な子供のようにベルゼブブは言う。しかし、ソウタにそのような趣味はない。


「んあ?あーやべー……すまねえな!続きはまた今度だ!」


 ベルゼブブはそう言いながら丸い玉を潰した。するとベルゼブブの反応はどこからも感じられなくなっていた。


 屋上から下を見下ろすと、自分を見上げる冒険者達がいた。

僕の中では魔王=男です

でも、ここから先の魔王全員が男だと花がないので、女魔王も出す予定です!いや!出します!

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