39話 不屈の魂
クラスメイト達の活躍の場が増えます!!!
今回は天空寺君のターンです!
スタンバイ!
む!樋爪はまた勝手に行ってしまうのか!追わねば!アイツはなんでも一人で抱え込んでしまう奴だ。今度こそは俺も一緒に行って共に戦わねば友などとは言えぬ!あ、今のはギャグではないぞ?
樋爪のやつ……はやいな!?瞬足を全力で使っているのに追いつくどころかどんどん離れて行くぞ!?む?なんと!もう魔物達がいるところについてしまったのか!それにしても邪魔だな!
「あーらーたーーくーーん!まってーーーー」
この声は………未来か?あちらの世界で共に戦った聖女だ。一人で突っ走ってはダメだな。落ち着こう。ここの敵を全て倒してから樋爪の元に向かうとしよう。
「光魔法………サウザンドホワイトレイ!!」
この技は光を敵にたくさんぶつける技だ!いやーレベルがあがった気がする!魔力の消耗を全く感じない。さあ!いくぞ!剣に光魔法を纏わせて………
「聖剣技!!ホーリーザッパー!!!」
この技の名前がなぜこれなのかわからないが慎吾がこれがいいと言っていた。この技が出来たのは樋爪のダンジョンについたあと。その時に慎吾や他の人達に見せたんだ。
「まて、魔王様の軍勢を蹂躙させるわけには行かぬ、私が相手だ」
む、なんだあの武士風の魔物は……?いや、見た目はどうでもいい。それよりも………とてつもない魔力だ。とてつもないと言っても、俺の半ぶ……む?
「私のユニークスキルは魔力を消費すればするほどステータスがあがるというものだ。制限付きではあるがな」
なるほど…それでさっきよりも強い力を感じるわけか。ならば……!希望を使って未来を見つつ、知恵を勝負のことだけに使えばまず負けはないだろう。ふん!
傍から見るとこの戦いは新が押していて、魔人が押されているように見える。しかし、魔人はその全ての攻撃を受け流していて、傷は一切ない。
そして、重要なのは敵の魔人のステータスは今もなお上がり続けている。魔人のステータスが新を超えるのが先か、新が仕留めるのが先か。
新の鋭い斬撃を受け流し続ける魔人何回攻撃を受け流したのかわからなくなった頃、魔人は反撃をした。
その反撃はただの一撃ではない。新を吹き飛ばした。自分よりステータスが低いものからの攻撃を受けた時、警戒をして、魔力を体に通わせていれば、吹き飛ばされることはまずない。
それはつまり、新より魔人のステータスが上になったということである。さっきとは優劣が逆となる。新の傷は増え、生命力は減って行く。
新は遂に倒れ、誰が見ても負けを確信せざる状況。止めの一撃が決まると思った瞬間。新の体を光が包む。回復の光―――未来が新の傷と生命力を回復させたのである。
「今更回復したところでもう遅いわ!!!」
「聖剣召喚」
先程まで新が使っていたのはヒューマ聖国に操られていた時に渡された物。それを手放して聖剣を召喚する。召喚した聖剣で魔人を弾く。
「俺は、仮にも勇者。世界を混乱させようとする悪しき考えの者達に屈することはあってはいけない。それに、お前に太刀打ちできないからと言って、諦める理由にはならない」
新は聖剣を構え、全魔力を込めた光魔法を纏わせる。しかし、それでも新はそれに留まらない。生命力を魔力に変換して聖剣に込めていく。
『限界突破を取得しました』
取得して効果も確認せずにそれを発動させる。限界突破とは、その名の通り限界を破り、ステータスをあげるスキルである。
「うおおおおお!我が闇の力を受けるがいい!絶技!!暗黒世界!」
新に向かって走り出す魔人。対する新は少し身を屈め、瞬足を発動。動揺する暇も与えずに全ての力を込めて聖剣を振り払う。
「奥義、瞬風一閃」
胴と足が別れ、息絶える魔人。片膝をついて、それでも尚周りの魔物達に向おうとする新。それを追いついたクラスメイト達に止められる。
クラスメイト達が周りの敵を問題なく倒せるのを確認してから新は意識を手放した。
ふむ、新君は新しいスキルを取得出来ましたね




