36話 白亜の城陥落
覚醒したウルフは自分の力を確認した。スキルなどは変わっていないが………ステータスの変わりようは異常であった。まあそれは、いつも通りなのであるが……。
『ステータス』
名前:ウルフ・クロー
種族:魔王種魔狼族
年齢:0歳
職業:---
Lv:50/100
生命力:13000000
魔力:15500000
物攻:13000000
物防:10500000
魔攻:10500000
魔防:9250000
知力:150
俊敏:11750000
器用:9250000
幸運:100
称号:異世界転移者、異世界転生者、賢き魔物、幸運な男、希少種殺し、ダンジョン攻略者、チート魔王、最強の者、理を外れし者
ユニークスキル:異世界言語、鑑定LvMAX、隠蔽LvMAX、争いの爪、王の食事、貫きの心、マイワールド、液化、魔法解析、自然操作、千里眼、異空間倉庫、魔力視、創造魔法
種族スキル:思念伝達、魔狼化、千匹狼、軟体化
ノーマルスキル:五感強化LvMAX、隠密LvMAX、神格思考LvMAX、生命感知LvMAX、神格魔法、魔王覇気Lv3、魂共有、魔力支配LvMAX、最適化
エクストラスキル:熱変動耐性、魔物特効A、心眼、超成長EX、物理無効、魔法無効、魔力増加EX、空気抵抗無効
配下の四人の魔人に聖国軍の壊滅を命令してウルフは一人、ヒューマ聖国へと向かった。最終決戦は近い。ウルフはそう確信した。
ヒューマ聖国に着くと聖国全体を光が包んでいた。それは聖龍の純白魔法である。純白魔法で光の壁を作り出し、魔の者の侵入を防いでいるのだ。ウルフはその壁を………すり抜けた。
この壁は聖龍の純白魔法で作り出されているもの。ならばウルフには効くはずもない。これが魔法ではない他のものだとしたら、ウルフの侵入を阻むことも出来たであろう。
だが、ウルフのスキルには魔法無効がある。ホーリーワールドに入ったときにも魔法無効が効果を発揮していたので、ステータスは下がらず、体に気だるさも感じなかった。
光の壁の中では、人々がいつも変わらず生活をしており、光の壁の存在には気付いていないようだった。しかし、白亜の城の前が少し騒がしかった。
白亜の城の前にある広場では、オルガが演説をしていた。魔の者達を討伐するためにバーツ帝国とシュバルツ王国とヒューマ聖国の勇者達が立ち上がった、と。
「それに加えて!百年前の魔王を討伐した伝説の勇者であるユウト・サイトウが復活し、魔王の討伐へと向かった!」
その瞬間、歓声が巻き起こる。すると、群衆の中から一人の男が飛び出し、このような非人道的な行いはやめてほしい、と告げた。群衆達は訳がわからないが、その男の真剣な様子に何も口を出せなかった。
「勇者様達の意識を刈り取り!無理矢理操るなど、そのようなことはあってはなりません!!」
「貴様……何を世迷言を……ヒューマ聖国の枢機卿である私が……そのようなことをするはずがないだろう。不敬罪で罰する。今すぐに打ち首だ」
オルガは剣を抜き放ち、今出てきた男を剣で斬―――ろうとした。その一撃は美少女…正確には男なのだが………ウルフが受け止めた。
「よくやったぞ。お前のその決意、無駄にはしない」
そう言ってウルフはオルガを殴り飛ばそうとしたが、それは聖龍に受け止められていた。聖龍は既に龍人化をしており、オルガを消し飛ばすだけの力しか込めていなかったウルフの一撃は龍人化した聖龍にも止めることが出来たのだ。
「ふはは、ふはははははは!聖龍を止めることなどもはやできんのだあ!!!!ふはははははは!」
それでは任せたぞ。と、言い残してオルガは城の中へと逃げていった。それをウルフは見送ってから口を開いた。
「………聖龍。なぜ止めた…?お前はこの国と教皇を守ることが契約の内容だったはずだ。あんな奴をなぜ助ける?それに……勝てない勝負はしないんだろう……?」
「………主が帰ったあとにな……彼奴が禁断の魔法書を見つけてきてな……そこには我との契約を上書きする術が記されていたらしく、守護対象を彼奴のみに変えられてしまったのだ……」
ウルフは城の中のオルガの気配を探った。城の半ば辺りまでしか登れておらず、ウルフは聖龍にも視認できぬ速さで城の門前に立ち、中へと入り、一階の階段前の広間で止まる。
「まずい……!!」
即座に聖龍はオルガの元へと飛んでいく。ウルフは一階の広間で魔力を解放していく。魔力は城を徐々に消滅させて行き、崩れていく瓦礫も全て消滅させていく。聖龍は全魔力を使い、純白魔法でオルガを守護する。光が辺りを包む。
光が収まると、上空から上半身だけになった聖龍と無傷のオルガが落ちてきた。オルガは一瞬何が起こったかわからなかったが、すぐに我に返りウルフに叫び声をあげる。
「ふはははははは!こんな大魔法を使ってはもう魔力は残されてはおるまい!?これで私の―――ッ!?」
「黙れよ……今のは魔力を解放しただけだ。魔法は使っちゃいないぞ」
「がはっ……ば、馬鹿な…わ、たしの、や、ぼう、、が………」
ウルフはオルガの体に右手を突き刺し、オルガの心臓を引き抜き、握りつぶした。右手を水属性の魔法で洗い流し、聖龍を抱き起こした。
『感謝するぞ、子狼。念話ですまんな……もう喋れんのだ。古よりこの契約に縛られていたが、たった今解放された……心の底から……主に感謝を……!!』
ウルフは彼を助ける方法をすぐに思いついた。彼の体を再構築すれば彼は助かるかもしれない……その方法とは……
「聖龍……お前に名を与える……ーー」
聖龍の体を光が包む。光が収まると…そこには黒くなった元聖龍がいた。
『ステータス』
名前:バル
種族:神獣種邪龍族
年齢:1036歳
職業:---
Lv:1/100
生命力:510050
魔力:407500
物攻:355550
物防:302450
魔攻:355040
魔防:303750
知力:90
俊敏:302550
器用:300050
幸運:90
称号:龍の神、光の主、最強だった者、チート魔王の眷属、闇に堕ちし者
ユニークスキル:ホーリーワールド、純白魔法
種族スキル:龍人化、龍神化
ノーマルスキル:四大元素魔法LvMAX、聖魔法LvMAX、闇魔法Lv1、星魔法Lv5、身体強化魔法LvMAX、魔力支配Lv3、生命感知Lv9
エクストラスキル:状態異常無効
『闇に堕ちし者』
聖なる存在であった者が闇に堕ちた時に与えられる称号。闇魔法を取得する。




