17話 スパイ
ウルフが戦場に着くと、もう戦いは始まり、勇者達がぶつかろうとしていた。ウルフは魔狼化を使用。魔力支配を使用して、勇者二人の魔力を霧散させる。勇者二人の物理攻撃をそれぞれ素手で受け止める。
「誰だてめえ!?」
「そこをどいてくれ!」
二人とも光魔法を使ってくる。魔力支配。後ろの騒がしい軍隊が邪魔だな。俺は一旦二人を放置して、上空に上がり、後ろの軍隊達に火魔法と水魔法の合体魔法を使用した。
『我が呼ぶのは火、我が呼ぶのは水。
荒ぶる業火、母なる流水。
動の力よ昂れ、静の力よ包め。
我が名を刻め
母なる業火!!』
よし、これで静かになったな。それにしても勇者達はなんで臨戦態勢なんだろうな?謎だけど。
ああ、そうか。この魔狼族の姿だから気付かないのか。じゃあ……樋爪の姿になって状況を聞くか。
樋爪の姿になると、勇者二人は落ち着いた。話を聞くと、双方共に、相手の国の勇者が攻めてきたから迎撃のためと言われたらしい。この時点でおかしい。
ことの真意を確かめるために、俺が調査に行くと言った。勇者達を連れてダンジョンに戻った。塔の建設は進んでいた。二十回層までの建設が進んでいた。トラップなどはまだない。
配下たちに勇者達を紹介した。勇者達も最初は驚いていたが魔物達が俺の仲間だと知ると安心していた。その後、わざわざ俺の部屋がある五十階層に降りるのは面倒なので、マイワールドを使った。
俺の部屋に到着すると、勇者達は驚いていた。なぜなら、俺の部屋には、クーラー、扇風機、電気、冷蔵庫など、様々な現代のアイテムが揃っていたのだから。これをいつ作ったのか?それは秘密だ。
みんなを俺の部屋で待たせて、俺は一人シュバルツ王国の王の元に向かった。
「なぜだ。なぜ争いを求める。バーツ帝国め、侵攻してくるとは、勇者達を人間同士の戦いに入れるわけには行かなかった。いや、他に道はあったのかもしれない……」
ふむ。シュバルツ王国は白……かな?いや、でもまだバーツ帝国にも行ってみないとわからないか。バーツ帝国の皇帝のとこに行こう。
「ヒューマ聖国めっ!!!スパイに偽情報を紛れ込ませるとは!!もう戦争は止められない。いったいどうすれば………」
ウルフはヒューマ聖国へと向かった。
現代アイテムについては、これからの閑話で説明しましゅ!!




