16話 大陸騒乱の兆し
魔法の詠唱をそろそろ考えて行きますか!?
ウルフはダンジョンの塔に、あるものを導入しようとしていた。それは………ドアに人が近付いたら生命反応を感知し、自動で開くドア………自動ドアである。
通常、付与術とは、魔法を付与するものである。魔法以外を付与することは普通ない。ない、と言うよりも、それは思いつかない。と、言った方が正しい。
ウルフはドアの上の部分生命感知を付与したマジックアイテムを装着し、ライ達にこれをドアと接続させようと努力した。二日後、それは完成した。何回失敗したかわからない。ライ達は今日一日は休んでもらい、また明日から再開してもらう。
細かい指示を出したあと、ライ達は眠りについた。ハルクとソウに期待だ。ん?俺?俺はシュバルツ王国にマイワールド繋ぎにいってきまーす!
ウルフがシュバルツ王国につくと、そこでは冒険者ギルドの人間達が、急いで町を出ていた。訳を聞いてみると
「ああん!?お前何言ってんだ!?遂にバーツ帝国との戦争が始まるんだろうが!!冒険者達は巻き込まれないうちに他の町に逃げんだよ!」
それを聞いてウルフは前来た時よりも反応が少ないのを感知した。急いで城に忍び込み、マイワールドを繋げ、ダンジョンに戻る。アーティから行ったほうがはやいと思ったが、あそこの入口はもう消してある。
ウルフは北に雷纏で飛ぶ。この大陸は中央に魔の大森林、東にバーツ帝国、西にシュバルツ王国、南にヒューマ聖国、北にナーク大草原があるというのが、子供でも知っている知識だ。その大草原でバーツ帝国とシュバルツ王国はぶつかり合うらしい。もちろん、勇者達も。
ダンジョンから北に向かう。魔の大森林の北には、ドラゴンが居座っている。そのドラゴンは傲慢の力を有している。
『傲慢』
自分のステータスを三分の一下げて、相手のスキルを奪い取る。奪い取るスキルはランダム。
奪われた能力は二つ、ダンジョン創造、ダンジョンモンスター創造。どちらもダンジョンコアが持っていて、自分は持っていなくてもよいスキル。それはなぜか、幸運百のおかげである。しかし相手はドラゴン。ステータスが減ってもその強さは揺るがない。
ウルフは魔狼化を使用。心剣に諍いの爪、黒雷を付与。乱舞。四方八方から斬りつける。斬りつけられたドラゴンは起き上がろうとしたが、数秒後に息絶えた。
ウルフは北の空を見上げた。北では激しい光がぶつかりあっているのが見えた。
うへぇ……ドラゴンよわすぎィ!!




