Don't freak out!
Don't freak out!
意味:びびんなよ!
昨夜 公園前
「おい!今の羽黒じゃないのか!?」
「くそっ!見失った、俺こっちいくから」「逃がすかよ!!」「ボケがぁアアっっ!」
ガラの悪い少年達は血走った目をしている
羽黒は茂みに隠れ、息を整えながら周りの様子をうかがった。
どんどん少年達の数は増え、見つかるのも時間の問題だろう。
羽黒はポケットから携帯端末機を取り出し、仲間にメールを送った。
{作戦開始なう。準備できた?}
そう送るとすぐ返事が返ってきた
{できた。もうつかまっていいよ~}
あっさりとした返信に羽黒は苦笑した。
―つかまっていいよって・・・今捕まると殺されそうなのになぁ
―こんな目にあってるのも倉島のせいだし、後で仕返ししないと
―どうせ、あいつは今頃、安全なとこに逃げてるんだろーなぁ・・・
―あぁ、ムカついてきた
そんなことを考えながら、目を閉じていると、いきなり首の後ろの襟をつかまれ引っ張り上げられる。
「のぉっ!」
間抜けな声を上げ後ろを向いた。
フードをかぶった少年がメンチを切りながら、羽黒を引っ張り上げている。
とりあえず何か言わないと、殺されそうなので、羽黒はにっこりと笑った
「えへへ、捕まっちゃった☆」
「クソヤローをみつけたぞおおぉぉ!」
少年が叫び仲間が集まってくる
・・・羽黒の言葉は火に油だったらしい。
そして羽黒は廃ビルに連れてかれ、昨夜の抗争に繋がる。
昨夜 抗争後 廃ビル前にて
「羽黒さん!」
ビルから出てきた羽黒達に倉島が駆け寄る。
「・・・・・・・」
無表情で羽黒は振り向いたかと思うと、すぐさま笑顔になる
「やあ!倉島さん!終わったよぉ」
「や・・・あ、ありがとうございます」
羽黒の笑顔が逆に不気味で倉島は言葉につまった。
―怒ってる・・・・んだよな
むしろここで羽黒が怒らないわけがない、自分のせいで羽黒はこんなにひどい目にあったんだ。
羽黒の仲間も負傷している者が多く、かつがれている者もいる。
それなのに、羽黒はこの笑顔だ。
―何を考えてるんだぁ?
倉島の警戒に対し、羽黒はにこにこと笑っている
「倉島さん、約束の30万」
「え、ああ!そうですよね!!すんません、うっかりしてて・・・」
懐から茶封筒を取り出し、羽黒に渡す。
羽黒は笑顔で受け取り、仲間に数えさせている、すると羽黒は「ああ、そうだ」と言うと、長身の青年がかついでいる少年を指さす
「こいつさぁ、跳馬っていうらしいけど、俺のチームに持ってっていい?」
「ああ、全然いいですよ!」
―跳馬っていわれてもしらねーし、俺にはもうカンケ-ないしな。
倉島が即答すると、羽黒の笑顔が変わった。
―え?
羽黒の笑顔は先ほどから変わらない。変わっていないはずなのだが、数秒前よりも明らかに威圧感が違う。
うつむき加減に羽黒は笑った。
「ちょっとさぁ、気が変わったわ。アンタみたいに仲間すぐ売っちゃう奴って俺―」
顔を上げた羽黒の顔に表情はなかった。
「俺、きらいなんだよね」
「~~ッッッ!!!!」
全身の肌が粟立ち、一歩後ずさる
「だーかーらー、パシられてくんない?」
羽黒は倉島の胸ポケットのナイフを指さした、
「それでさぁ、龍神 雷斗を刺してきて」
「・・・・・・・・・・・・え。」
「あ、別にやんなくてもいいよー。君次第・・・さ」
すれ違いざまに倉島の肩を「ポンッ」と叩き、羽黒とその仲間達は闇に溶けた。
羽黒達がいなくなると足から力が抜け、その場にへたり込む。。
「はっ・・・・・」
渇いた口からこぼれたのは―笑い。
「あははははははは!!!あはっヒヒっ羽黒さんは俺に死ねってのか!?くそっチクショー!!あんの・・・・・・クソガキぃぃぃ!!!!!」
ナイフを取り出し、刃にうつる自分の顔を見る。
まともじゃない。
「できねーって、おもってんだろあのヤロー・・・」
歯ぎしりをし、倉島は虚空を睨む、まるで、そこに恨むべき相手がいるかの様に。
そして、夜は明け―・・・
長くなってしまった・・・・