You suck!
You suck!
意味:スラングで最低!という意味。
某カラオケ店
「っしゃああ!!歌うぜえええぇぇぇぇぇ!!!!!」
「よっ!音痴!!」「ひゅーひゅー!」「いけ、音痴!!」
「おーし、今音痴って言った奴ら、歌い終わったら全員殺す!」
テーブルの上に行儀悪く土足で乗った行儀の悪い少年は、声高らかに歌い出す。
一方、それを聞く羽黒はヘアバンドをつけ直しながら、ソファーにふんぞり返り、音痴の少年を見ている
「大丈夫か?」
「やあ、カラス」
銀色の髪をオールバックにした、長身の青年、カラスは羽黒の横に立つ
カラスは髑髏のかぶり物をテーブルにおいた。
「俺は平気だよー、あいつ音痴だね」
「・・・・お前じゃなくて、金だよ」
「んーーー??」
羽黒はぐるりと辺りを見回す、部屋の中は人が入りすぎて暑苦しい。
それだけではなく、はしゃぎすぎた音痴がテーブルから真っ逆さまに落ち、室内は混沌の一言につきる。
「ありゃあ、落ちたよあのばか」
「話をそらすな」
「お金の心配なんてしなくていいよー、昨日ので・・・」
そう言うと羽黒はテーブルに置かれた茶封筒をわしづかむ。
「稼いじゃったから☆」
「・・・・・・そうか・・・ところで―」
カラスは部屋の隅にいる少年を指さした
「なんであいつがいるんだ」
あいつと言われた少年は眉間にしわを寄せた
「チッ、んだよ文句あんのかよ」
「なんだ、聞こえてるのか」
というのも、少年はフードをかぶりその上からヘッドフォンをしているからだ。
この喧騒の中、大きな声で言ったわけでもないのに、少年―跳馬には聞こえている
少々驚いたようにしているカラスから跳馬は目をそらした
「聞こえるわけねーだろ・・・普通はな・・・・」
跳馬の言葉の意味を聞こうとしたカラスを羽黒の声が遮った
「改めて、よぉぉこそぉぉぉぉぉ!!俺らのチームは跳馬っち、君みたいな奴を歓迎するよ!!!!!」
マイクを片手に持ち羽黒は頭の上で拍手をする
部屋にいた何人かがクラッカーを鳴らし、手をたたいた
跳馬はただ黙り、羽黒を睨む。
「そぉんな、顔すんなよぉ跳馬っち、むしろ俺らに感謝するべきだよ、だって君はさ、
君のチームのリーダー・・・くらしま?そう、倉島に捨てられちゃったんだからさぁ」
「・・・・・黙れよ、クズが」
「そ、れ、を、ね。拾ってあげたのは俺ら、てか君のリーダーも最低だね、これだよこれ、このお金」
札束の入った茶封筒を、もう片方の手で持ち顔の横でひらひらとさせている
「たった、三十万で君らのチームは君らのリーダーに売られたんだよ?・・・いや、売ったと言うより処分かな?」
「黙れって!!!」
部屋が跳馬の激昂で静まりかえった
「お前のせいで!!俺は、俺は化け物になったんだぞっ!!!」
何故跳馬はここにいるのか、そして何故、化け物になった等と言うのか
すべてのきっかけは昨夜に遡る―
おまけ
「うわー・・・羽黒サイテ-だな」
「性格わっる!」「陰険やわぁ」「あり得ない」「絶対すぐに死ぬタイプだよ」