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BACK WILD  作者: miku
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ANOTHER PROLOGUE

                    とある廃ビルにて


「おらぁ!!!!」

ガッ!!

鈍い音がして、少年が倒れる。

殴られた衝撃で口の中がきれたのか、床に血を吐き出す

殴った派手なピンクのフードを着た少年は肩で息をしながら、尚も少年に殴りかかろうとした。

が、


「ああ、もういい、もういい、それ以上殴ると喋れなくなんだろーが」


「ハー・・・ハー・・・・・・」


年上の青年に止められ、フードの少年は黙ってフロアの奥に引っ込む。

ガラの悪い青年が何十人も溜まったビルのフロアは息苦しいくらい狭いのに、少年がたおれたところだけぽっかりと穴が開いたように誰も近寄ろうとしない。

ふらふらとしながらも、少年は立ち上がり口の血を拭う


「お前、ほんとに羽黒はぐろだよなぁ?」


「ゲホッ・・・なんで?・・・」


「いやぁ、噂じゃあ、最強って聞いてるからよ」


青年の言葉に仲間たちがゲラゲラと笑い出す


「・・・・俺は多分、君らがいってる羽黒で合ってるよ」


「おいおい、嘘だろ、お前最強ってか、最弱じゃねーか」


「あはは、、、当たり前じゃん、だって・・・―」


羽黒は一瞬、躊躇ったようにしたが、困ったような笑顔で青年たちに言った。


「俺、まだ本気出してないもん、まっ、君らみたいな雑魚・・に本気なんて出さないけど」


「・・・・・あん?」


青年たちの中で何かがキレた。

フロアの空気が一変し、羽黒は不思議そうな顔をする。

その表情がますます気に入らなかったのか、青年が羽黒に掴み掛かった

瞬間―


ガァァァァンッッッ!!!!


フロアのドアが勢いよく開けられる音がし、青年たちの視線は音のした方に集まる。

そして、釘付けになった。

ドアを開け入ってきたのは、様々なお面や仮面で顔を隠した奇妙な集団。

集団の先頭に立っていた狐面と、羽黒が目が合う。

すると、羽黒はにっこりと笑った。


「みんな、遅かったね、はやくこいつら片付けちゃって」


狐面はコクリと頷き、片手をあげると後ろの仲間たちに合図を出す


 ―やれ


合図とともに双方のグループは相手に向かって駆けだす。

鈍い音や、喧騒の後ろで羽黒だけが笑っていた

ニヤニヤと―

どこか、この状況を楽しむように、ニヤニヤと―・・・

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