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銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、案の定Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~  作者: ma-no
三章 パーティ活動

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086 プーシーユーの迷宮攻略


 大勢のエルフに見送られたというか、怒れるユドークスから逃げるために迷宮に入ったプーシーユー。

 ここは初めて来たので、シモンはショットガンを握って先頭を慎重に歩く。次は地図を持ったプック。最後尾に半自動式拳銃を握ったユーチェを置いて、バックアタックも警戒している。


 いちおうシモンも地図は頭の中に入れているが、念の為プックに見てもらっているのだ。ただ、プックはナビゲートなんかしたことがないので不安そう。

 ユーチェは粗忽者(そこつもの)だから、バックアタックに気付かなかったり自分から罠に嵌まらないかと、シモンとプックは不安だ。


 その不安は、地下1階をクリアーしたら払拭。モンスターの種類は入口の迷宮とさほど変わらないから、余裕で対応できているからだ。

 地下2階も苦戦することはない。ショットガンを2、3回撃てばほとんど倒れて、ユーチェの出番も少ないから。プックもナビゲートに専念できるから慣れて来たみたいだ。


 そうして地下3階も楽々進んでいたら、特に急いでいなかったのに、夜に着くだろうと思っていた安全地帯に着いてしまった。


「はやっ。腹のこの感じだと、まだ夕方にもなってないんちゃう?」

「だな。ま、無理して急ぐ必要もないんだから、ここで野営にしておこう」

「あんまり疲れてへんし、腕によりをかけて作らせてもらうどす~」


 場所は予定通りなので、プーシユーはここで野営。プックは銃の整備をし、シモンはテントの設営。ユーチェは料理と各々に分かれて動く。

 設営が終わるとシモンは使った弾倉の補充に回り、料理ができたら全員でいただきます。食事も銃の整備も終わったら、濡らした布で体を拭いて就寝だ。


「シモンさ~ん。覗かへんの~?」

「テント開けんなや!」

「早く寝ろ!」


 その前にユーチェの色仕掛けがあったけど……



「ここからだ。冒険者ギルドの情報だと、モンスターのレベルが一気に上がるぞ」


 翌日、地下4階に下りる前に、シモンは皆の気を引き締める。ユーチェはアサルトライフルに武器を変え、プックもサブマシンガンの出番だとニヤリと笑う。

 シモンはアサルトライフルとショットガンを肩からぶら下げての二刀流。プラス、罠対策の半自動式拳銃を加えた三刀流で忙しそうだ。


「ん~……7号、効きが悪くなって来たな~」


 地下4階は大型のモンスターが増え、さらに群れで出現するので、シモンはショットガンの5発を撃ち切ったらアサルトライフルを使って倒していた。


「まだこのままでええんちゃう? スキルレベルを優先しいや」

「そうどす。シモンさんが本気出したら、ウチらの出番ありゃしまへんで」


 そのおかげでプックとユーチェも撃てる。シモンはヘッドショットで一発だから、よっぽど多い群れじゃない限り、通路から飛び出た瞬間に終わるもん。

 シモン的には弾倉の補充が面倒だから本気を出したいけど、多数決で負けているから渋々従う。それからもパーティで協力してモンスターを倒していたら、苦手なゴーレムの群れが現れた。


「3匹か~……」

「こりゃシモンはんに任せるしかないわ」

「え? この武器があったら倒せるんちゃいますのん??」

「それが鉱物には効きが悪いねんな~」

「じゃあ、どうやって……」

「いってくる。バックアタックだけ気を付けておいてくれ」


 プックの台詞にユーチェが首を傾げているのに、シモンは半自動式拳銃だけを持って走り回る。その10分後には、答え合わせだ。


「ゴーレムさん。かわいそう……」

「壊れたオモチャみたいやもんな~」


 ゴーレムは全て、足関節に弾丸を詰められて無力化。腕をクルクル回しているだけの姿になったから、ユーチェもプックも哀れんでるよ。


「1匹倒れてるけど、倒してみるか?」

「もうええわ。トドメ刺す気も起きへんわ」

「かわいそうやからやめたげて~」


 プックの鍛冶技術なら解体できるはずだけど、哀れ過ぎて拒否。ユーチェが訴えているのにシモンは試しにショットガンで5発撃っていたから、「鬼か!」と2人にツッコまれたのであったとさ。



 ショットガンの実験はゴーレムに効いているかわからず仕舞。軽く傷が付いただけなので、ダメージは低いと予想して先に進む。

 ここからもできるだけショットガンを使ってプックとユーチェの出番を作り、シモンが後処理をすればモンスターは近付くこともできずに撃沈。


 今日も予定より早く進んで、地下4階の後半にある安全地帯にて野営だ。


「けっこう使ったな~……」

「しゃあないやろ。モンスター強いんやから」

「速いのもいたんどすよ? そりゃ外しますわ」


 下に行くほど弾倉の補充が増えるのだから、シモンはなんだか納得いかない顔。プックとユーチェは、「お前の命中率がおかしい」って顔をしてるよ。


「明日は無理したら、ボス前の安全地帯に届きそうだけど、どうする? 2回に分けるか??」


 シモンはその顔には負けず、地図を広げて作戦会議。2人も真面目に考えて答えを出す。


「早いにこしたことないやろ」

「そうでんな。そこまで疲れてへんし」

「地下5階はシモンはんに本気を出してもらえば、もっと疲れへんで」

「弾数も減らせるから、補充の疲れも減らせますどすね」

「じゃあ、明日は一気に抜けてしまおう」


 全員一致で地下5階攻略の方法は決定。明日に備えて疲れを取るプーシーユーであった。


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