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銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、案の定Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~  作者: ma-no
三章 パーティ活動

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080 プーシー8号


 プーシーユー初の迷宮ボス討伐が終わると、プックのストレスが完全に発散されたらしいので、製作活動に勤しむ。

 その間、シモンとユーチェは迷宮に潜ってパーティ資金稼ぎ。日帰りができて、稼げるモンスターを探していた。


 クイーンアントを見付けたからそこに陣取ろうとしたシモンだったが、ユーチェが倒してしまうとスキルのアイテム自動回収が使えないことにすぐ気付いた。

 ならば魔石を回収したらいいかと考えたが、蟻地獄のド真ん中に行くのは怖い。ユーチェに取りに行かせるのもかわいそうなので、結局は地下2階でも大物が出る場所を周回して稼ぐことにした。


 休日は、全員同じ日。プックは休む気が起きないのか鍛冶場に行こうとしていたから、シモンたちに止められていた。騒音は高級消音アイテムを使っているから大丈夫だけど、働き過ぎだもん。

 その休日は各自自由行動になっているので、シモンは「ちょっと出て来る」と言ってから、夜中にそ~っと帰って来た。


「どこ行ってたんや?」

「プック!?」

「クンクン……香水の匂いがするどす……」

「ユーチェも!?」


 でも、プックとユーチェがまだ起きていたので、シモンはビックリ。前も後ろも塞がれてしまっては逃げ道もない。


「別に俺が休日に何をしようと自由だろ?」

「確かにそうやで。でも、ちょっと出て来ると言って、何時間経っとると思ってるんや」

「嘘はあきまへんわ~。いかがわしい店に行かんでも、ウチがおるのに~」

「そんな店、行ってないし!!」

「「逆ギレ……」」


 シモンが声を荒げたので、有罪。プックは説教し、ユーチェが体をシモンにくっつけるから、プックの説教は追加だ。


「だからエルフさんにクラブに連れ込まれただけだって~。感謝されまくって断れなかっただけなんだって~」

「これ、ありえるか?」

「あるかも? 疎開してたエルフは戻っておるし」

「それにしては長すぎへん?」

「鼻の下を伸ばしていたのは、目に見えますな~」


 シモンの言い訳、2人に届く。潜伏していた村でもよくあったことだから、信用に値するみたいだ。


「セーフ……」


 ただし、事実はちょっと違う。シモンはご無沙汰だったから娼館に足を運び、楽しんだ帰りに色街を歩いていたら、エルフ嬢の客引きに捕まってクラブに連行されたのだ。

 エルフ嬢とも楽しく飲めてごまかせるなんて一石二鳥。シモンはこの手は使えるとほくそ笑むのであったとさ。



 プーシーユーが入口の迷宮街を拠点にしてから2週間。今日はプックから発表があると聞いたシモンとユーチェは、早めに迷宮を出て屋敷に帰って来た。

 発表は庭に作られた射撃場でとメイドに言われた2人がそこに行くと、布の掛かった大きな物の隣にプックがしたり顔で立っていた。


「ジャジャーン! プーシー8号のお目見えや!!」


 シモンたちが声を掛ける前にプックは布を引っぺがしたけど、2人は反応に困ってる。


「あぁ~……デカイな」

「うん。おっきいどすえ~」

「もっと驚いくれてもええやろ!?」


 プックの顔に「褒めてもええねんで~?」と書いていたから、2人は頑張って言葉を探したけど不発。プックに怒られちゃった。


「いや、前までのと全然形が違うじゃないか? それも、そんなの持って歩けないぞ」

「そうどす。それも同じ物なん??」


 シモンとユーチェがこんな反応だったのは、初めて見る物だったから。ライフル銃を6個も束ねたような物だから仕方がない。だが、この質問はプックは待っていたのか、嬉しそうに説明する。


「これは固定して使う武器やねん。連続使用回数は、なんと千発! これさえあれば、迷宮ボスもあっという間に挽肉でんがな~!!」


 プーシー8号とは、とある世界でいうところのガトリングガン。プックは凄い物を作ってしまったと大興奮だ。


「う、うん。凄いな……それ、誰が補充するんだろ……」

「あっという間に千発もって、そのためには何時間かかるんやろか……」

「何ネガティブなこと言っとんや! 戦力増強なんやで!!」

「そ、そうだよな。俺たちはなんだかんだ言って、一発の火力は小さいもんな。そこを補えるのは大きい」

「せやろ~? とりあえず、撃ってみいや」


 プックの考えに納得したシモンは、さっそく撃たせてもらう。


「うお~! はやっ!? もう的が砕け散った。ちょ、もう100発出たんじゃないか!?」


 すると、発射速度があまりにも速すぎるから、シモンもやっと興奮。消音アイテムのおかげで相変わらずプシュップシュッとしか音は鳴らないが、振動は今までの銃と比べて段違いだ。

 しかしこのままでは試射だけで千発使いそうなので、シモンは慌ててハンドルを回すのを止める。ユーチェにも撃たせて、合計300発近くは使い込んだ。


「ホンマに凄い攻撃力どす~」

「これの弾って、箱じゃなくてベルトみたいなんだな」

「箱やとどうしても制限があるからな。あとからでも繋げて使えるようにしてみたんや」

「てことは、理論上は永遠に撃てるってこと??」

「せやな。耐久度はやってみないとわかりまへんけど……てへ」

「試作機か……」


 初めての物は、全て試作機。プックは本当は大きい弾丸のウィンチェスター弾で作りたかったらしいが、弾が余っているパラベラム弾で様子見したみたいだ。


「このままだとパラベラム弾は、全てプックに消費されそうだな……」

「そんなことありまへんって~。てか、スキルレベル上がって、1日に貰える弾の数は増えとるから大丈夫なんちゃう?」

「いや、六層に来てから1回も上がってないんだ。100個で終わりなのかな~?」

「そうなん??」


 六層でもかなり戦っているのに、スキルレベルが上がらないのはおかしいと考えるプック。


「ちなみになんやけど、プーシー7号使っとる?」

「7号? ……そういえば試射で使った切りだな……」

「それや! ウィンチェスター弾を使った時も、久し振りにレベル上がったとか言ってたやろ!? バックショット弾も使わなあかんやん!!」

「あっ!!」


 スキルレベルが上がらないのは、シモンの好みのせい。弾が余っている拳銃か遠距離に強いアサルトライフルばかり使っていたからだ。


「でも、俺、遠くから狙うほうが得意なんだよな~……安全だし」

「あーしはスキルレベルの話をしとんのや!」


 ショットガンは接近戦に強い銃。シモンが乗り気じゃないので、プックの説教が始まるのであったとさ。


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