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銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、案の定Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~  作者: ma-no
二章 逃亡生活

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046 潜伏場所に出発


 シモンが夜に1人で遊びに出たことをプックが責めまくるから、シモンも言い訳。本当に保存食を買い足し、冒険者ギルドや酒場で情報収集して来たらしい。


「ホンマかいな? なに調べてたん??」

「潜伏場所だよ。鉱山の近くの町か村がいいと思って、行く方法を聞きにな~……そこなら武器を作るのに持って来いだろ?」

「まぁ、せやな……」

「ただ、そっち方面に行く馬車がないらしいんだ。変だよな? ギルマスから貰った地図には村とか書かれてるのに」

「それも勇者対策ちゃうん? 七層に真っ直ぐ向かわせる」

「その可能性も考えたんだけど、みんな話をしたくなさそうだったんだよな~」


 シモンが再び歩き出すと、プックも続く。


「あ、あと、六層はエルフが原住民だと聞いたのに、女性だけがどこにもいないんだ。これも勇者対策か? 美人って聞いたから見たかったのにな~」

「アウトー!!」


 シモンが世間話をしていたら、突然プックが叫んだので意味がわからない。


「何が??」

「どうせエルフを抱ける店に行こうとしてたんやろ? この変態!!」

「ちがっ! どこにもいないって話だろ!!」

「また逆ギレや!?」


 これは、シモンの正式な逆ギレ。本当はエルフの店はないかと酔っ払いに聞いて、エルフの娼婦はいないと知って落ち込んだんだとか。

 でも、エルフとお酒が飲めるクラブはあると聞いて復活したけど、いまは休業中だと言われて、その酔っ払いにもキレたんだって。


 そんなことを言えないシモンは頑張ってごまかしていたけど、プックは確信に変わってる。ただ、本当に夜のお店がどこも開いてなかったことはなんとか信じたみたいだ。シモンが残念そうな顔をしてるもん。


 そうこう歩いていたら、貸し馬車屋に到着。いちおうプックにも意見を聞いてみる。


「目的地は徒歩で5日以上掛かるんだけど、馬って乗れるのか?」

「無理や。馬車も操れへん」

「だよな~……馬車を借りるとしても、返すの面倒だし……馬を一頭買うってのはどうだ? 疲れた人が乗るって感じで。馬なら、別の場所でも高く買い取ってくれるし」

「だから、あーしは乗れへんで?」

「俺が引っ張るから大丈夫だ。教えてやるよ」


 ここが落とし所。プックもそれならばと、馬の購入が決定する。しかし、馬の購入は難航。馬の鞍だけじゃなく、エサと水も買うから安くしろとシモンが値切るからだ。

 なんとかかんとか商談が成立したら、やっと出発。プックも呆れ顔だ。


「ホンマ、ケチやな~」

「ケチじゃなくて、アイツ、めちゃくちゃ吹っ掛けて来たんだぞ? 五層の倍なんてありえないだろ。物価はちょっと高かったけど、倍はないわ~」

「いまは勇者警報中やからそんなもんちゃうん? 人が減れば、物価は上がるもんやろ?」

「……そうなのか?」

「買い手がいないねんから、価格も上げたなるって。それなのにあんなに値切って……かわいそ」


 プックの家は鍛冶を生業(なりわい)としていたのだから、経営にも明るいみたいだ。


「俺が悪いのか? 安いは正義だろ?」

「売り手のあーしからしたら、シモンはんは極悪人や」

「嘘だろ~~~」


 カルチャーショック。いや、売り手と買い手の意見の相違。2人は口喧嘩しながら、馬を引いて迷宮街を出るのであった。



 迷宮街を出た2人は、北西に向かって歩く。口喧嘩も飽きたら黙って歩き、たまにシモンがプックのスタミナに気を遣っていたら、プックも受け答えに面倒になって馬に乗った。


「おお~。たっかいな~」

「気を付けないと舌を噛むぞ」

「それ、なんか聞いたことあるわ。まさか言われる日が来るとはな~」


 あまり疲れてはいないけど、プックは馬に乗れてテンションアップ。シモンが付き人みたいに見えるのも高評価らしい。

 そうこう1時間も歩いていたら、プックも申し訳なくなって来た。


「シモンはんは疲れへんのか?」

「俺は迷宮の移動で慣れてるからな。それに故郷では山道をよく歩いていたから、平らな道は苦にならないんだ」

「それでも疲れるやろ? そろそろ代わろか?」

「まだ大丈夫だ。レベルも高いからな」


 シモンは元気アピールをしたところで、プックに言い忘れていたことを思い出した。


「迷宮ボスを倒した時は興奮していて忘れてたけど、スキルレベルが上がってたんだった。新しい弾が出たぞ」

「なんやと!? それ、早く教えて欲しかったわ~」

「教えたところで、すぐに渡せないし。とりあえず、この3日で30個溜めておいた」

「はよ見せてぇや~」


 プックの要望に応えてシモンは新しい弾丸をひとつ取り出し、振り向いて投げ渡す。プックは注意されていたけど、落とし掛けてお手玉してる。


「おっとっと。今回のはおっきいな~……これ、めちゃくちゃ強いんやないでっか?」

「さあな~? あんまり遠くに飛びそうにない気はするかな?」

「うん……重いもんな。調べてみようや~」

「もうじき休憩するから、それまで待て」

「どんな弾なんやろ~?」


 プックは新しい弾丸をマジマジと見て、心躍らせる。それとは違い、シモンは特に期待していないので、プックは「もっと興味を持て。お前のスキルやろ」とブツブツ言うのであった。


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