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銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、案の定Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~  作者: ma-no
二章 逃亡生活

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037 思い出の品


 銃を手に入れたシモンが強過ぎるのでプックはツッコミまくっていたけど、声が大き過ぎると注意されてブツブツ呟きながら歩く。

 ここからもシモン1人でモンスターを相手取り、プックは魔石を拾うしか仕事がない。「暇やな~」と思っていたら地下3階に向かう階段に着いたので、そこに座って2人は少し遅い昼食にする。


「うまっ。イレーナはん、手の込んだの作ってくれたんやな~」


 昼食のメニューは、イレーナに渡されたお弁当。実は半分以上マスターが作ったけど、プックは気付かずパクパク食ってる。

 プックとは違い、シモンは地図を見ながら食べているので、プックは気になって覗き込んだ。


「次の階の地図でっか?」

「ああ。久し振りに来たから、頭に入れてるんだ」

「それやったら、あーしが後ろから指示出しまひょか?」

「それも考えたけど……ここからはかなり危ないから、手が塞がってると急な対応ができないからな。それにこれぐらい覚えられるから大丈夫だ」

「ホンマ、優秀やな~」


 過去は弓でしか戦っていなくても、シモンはなんでもできるのだからプックも認めるしかない。ただ、ずっと暇をしてるのでちょっとは構って欲しいみたいだ。


「地図と言えば、勇者パーティに地図を渡してたやん? アレってなんの地図やったん??」

「ん~? いちおう宝の地図ってなってる」

「なんやのん、その歯切れの悪い言い方わ」

「いやな、四層で蒼き群雄が騙されてな~」


 どうやらあの地図は、怪しい男からアールトが買ってしまったらしい。


「ようそんなん買いはったな。シモンはんも信じてたんでっか?」

「俺は止めたぞ? なのに、全員宝探しをしたいって目をキラキラさせてな。仕方がないから付き合うことにしたんだ」


 もちろん怪しい男から買った宝の地図なんてただの紙切れ。迷宮なのにモンスターは1匹も出ないから、シモンは1階でも止めたのに最下層まで付き合わされたんだって。


「要は、鉱石が取れなくなって廃棄した鉱山なのに、宝が眠る迷宮だと騙されたワケだ」

「そりゃ災難でしたな~。でも、楽しそうに話してましたで?」

「まぁここで話が終わらないからな~」

「まだなんかありましたん?」

「カティンカって子がコケて、隠し階段を見付けたんだ」

「ああ! 隠し階段とか言ってたの、本当にあったんや!!」

「でも、何も見付からなかったけどな。ククク」

「シモンは~ん。期待持たす言い方しなさんなや~」


 プックの顔が蒼き群雄メンバーと同じ顔をしていたので、シモンはしてやったりで笑ってしまった。


「そんなこともあったから、(いまし)めのために俺がその地図を預かっていたんだ。また何かやらかそうとした時に見せたら効果覿面だったよ」

「そりゃ何日も掛けての大失敗なんて、笑い話にしかならんわな~」

「まったくだ」


 シモンはいい思い出と心の中で思いながら遠い目をすると、プックはそんな思い出の品を手放したのかと少し哀れむのであった。



 昼食を終えたら、シモンは『ガンガン行こう』。罠もモンスターも半自動式拳銃で撃ち抜き、真っ直ぐ階段を目指す。

 プックは暇なので、魔石回収しながら雑談。ただ、こんなに歩いたのは久し振りだから疲れが見える。なので、壁から水が湧き出ている場所で少し休憩だ。


「この水って、飲めるんでっか?」

「ああ。飲めるぞ。というか、それを飲まないと迷宮踏破なんてできない」

「うっ……マズそうやな~……」


 プックは恐る恐る手を洗って、そのまま少し溜めて舐めた。


「普通? いや、冷たくてけっこう旨い??」

「あ、飲まないとっての、荷物になるって意味な。これのおかげで、水を大量に持ち込まなくていいんだ」

「あーしがビビッてるの、楽しんで見てたやろ?」

「なんのことかな~?」

「絶対、仕返しするからな……」


 プックは疲れているので座らせて、シモン1人で水を空の瓶に入れて収納バッグに保管する。シモン1人にずっと働かせているから、プックも仕返しの件は忘れてくれたと思われる。

 それからは、モンスターの出現数が一気に増えた。多くて10体以上も出たからプックは焦ってサブマシンガンを構えていたが、出番ナシだ。


「な~んか納得いかんわ~」

「何がだ?」

「焦りもせずにプーシー3号で全部一発やで? こんなん誰ができんねん」

「お……勇者パーティ??」

「俺って言おうとしたやん!」


 シモンもおかしいと思っていたので、勇者パーティに罪を擦り付けようとしたけど失敗。それでも先に進んでいたら、ついにプックの限界が来た。


「ちょっと休みまへん? 外はもう夜になってますやろ?」

「もう少しだけ頑張ってくれ。あとちょっとで安全地帯なんだ」

「ホンマやろうな? 騙そうとしてへん??」

「ホンマホンマ」

「シモンはんがドワーフ弁を使う時は信用できへんねんな~……」


 そう言っていてもプックは我慢して歩けば、二度の戦闘はあったけど、本当に安全地帯に着いたので複雑な顔でドサッと座った。


「疲れた~~~!!」

「お疲れさん。おかげで予定の倍は進めたよ」

「はい??」


 シモンが労って水を渡すと、プックは飲む前に固まった。


「倍って、ホンマはどこで休むつもりやったん??」

「地下3階に入る前だ」

「ん~? 2階で休むってことは、4階が倍やないん??」

「実は地下に行くほど広くなってるんだ。だいたい倍にな。これに騙されて無理する新人、多いんだよな~」

「シモンはん……またあーしをからかって遊んでたやろ?」


 プックのツッコミは図星。シモンはいつもカティンカにからかわれていたから、プックにやってしまったけどそんなこと言えない。


「いや、勇者パーティに追われているから、できるだけ急ぎたかったから黙っていたんだ。プッ……」


 だからもっともらしい言い訳をしたけど、最後に軽く吹き出したから台無しだ。


「歯ぁ食い縛れや!」

「待った! お前、今日でレベル上がりまくっただろ……ゴホッ!?」


 というわけで、プックの拳骨制裁。鳩尾にプックのショートアッパー喰らったシモンは少し浮き上がり、地面に足がついたあとは崩れ落ち、車に()かれたヒキガエルのようにピクピクするのであったとさ。


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