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銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、案の定Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~  作者: ma-no
一章 出会い

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027 プーシー4号


 シモンがAランクに昇級したその夜は、シモンがヘベレケで帰って来たからプックは「女か?」と疑っていた。ギルマスにしこたま飲まされただけなのに。

 翌日は二日酔いで動けなかったので、シモンはお休み。雇い主がいるから鍛冶仕事ができないので、プックは「邪魔やな~」とか邪険にしてる。


 昼過ぎにようやくシモンが動き出したので、プックはガンガン行こう。シモンは「夕方にいつもの酒場に来い」とプックに告げて出て行った。

 言われた通りプックが酒場に顔を出すと、スッキリした顔のシモンが手を上げて呼んでいたから、そこのテーブル席にドカッと座った。


「また娼館行ってたんでっか?」

「な、なんでそうなるんだ??」

「顔がニヤけてるから……」

「行ってないし! あ、俺が昼間に出て行ったからか? アレはうるさかったから、イレーナに寝かせてくれと頼んだんだよ」

「イレーナはんと()りが戻ったんかいな!?」

「シモン……言い方。宿の部屋を格安で貸せってやって来たんでしょ」


 シモンたちが痴話喧嘩していたら、イレーナがお酒を持って来てその席に加わった。


「それで……大事な話って?」

「なんですのん。それ?」


 シモンが宿屋で寝ていたと説明したイレーナが切り出すと、プックは何も聞かされていないので首を傾げた。するとシモンはニヤリと笑う。


「フッフッフッ……昨日、ついに、俺もAランクに昇級しました~」

「わあ~」

「おお~」


 そして冒険者カードをバーンっと見せたシモン。2人ともこれには驚き、目を輝かせて祝福の言葉を送っている。


「いや~。もう上がらないもんだと思っていたけど、盗賊団の討伐で評価されちゃった」

「そりゃあんだけサクッと倒す腕前なんやから、評価されて当然でんがな~」

「うんうん。シモンなら絶対に助けてくれると信じてたもん。カッコよかったよ」


 2人からチヤホヤされて、シモンも鼻高々。でも、感謝は忘れない。


「これもそれもプックのおかげだ。俺のスキルを解明してくれたんだからな。あの武器がなかったら、俺はいまでもうだつの上がらない男だった。ありがとな」

「やめなはれ~。あーしは物作りが楽しいだけですがな~」

「そんなことないわよ。プックちゃんがやる気をなくしていたこの人を変えてくれたの。私からも感謝させて。ありがとうね」

「ホントやめてくれなはれ。褒めても酒を(たか)るだけでっせ~」

「ああ! 飲め飲め。今日は全部俺の奢りだ~」


 プックもデレデレ。シモンとイレーナから褒められまくったプックは、照れ隠しに酒を煽りまくるのであっ……


「ドワーフって、すっげぇ飲むな……」

「知らなかったの? 底無しだから、ドワーフは前払い制になってるのよ」

「俺の報奨金、吹っ飛ぶかも??」

「ちょ、お金あるんでしょうね? 明日の営業もあるんだから、必ず払ってもらうからね」


 しかしプックの飲みっぷりに、お財布や経営が心配になるシモンとイレーナであったとさ。



 プックが飲み過ぎるので、本日の主役のはずのシモンはチビチビ。さすがに閉店時間があるから、オールナイト飲みにならなくてよかったとシモンは胸を撫で下ろしていた。

 支払いをしたシモンは、見たこともない数字だったので驚愕の表情をしていたので、イレーナが財布を覗いて確認。まだまだたんまり入っていたから、「ケチケチするな」とケツを叩かれていた。


 翌日からは、シモンは稼ぎに稼ぐ。貯金をプックに搾り取られているから引退後が怖くなったらしい。

 そんな感じで日々が過ぎると、今度はプックがドヤ顔で発表だ。


「どや! プーシー4号の完成や~~~!!」


 苦節2週間。今回の銃は、とある世界で言うところのサブマシンガンだ。


「発射口が短い……真ん中辺りはプックリしてるんだな……まるで……」

「ああん??」


 その見慣れない形にシモンが何かに例えようとしたけど、プックに凄まれたのでその先は言わない。完全にプックの容姿をディスろうとしてたもん。


「これで何発撃てるんだ?」

「30発や。20発で行こうかと思ったけど、プーシー3号とたいして変わらんから、なんとか詰め込んでやったで」

「おお~。さすがプックだな~。2個も替えのヤツがあったら一日持ちそうだ」

「それがそうもいかんねんな~」


 シモンも興奮し出したがプックは逆に落ち着いて、射撃場にて試射だ。


「とりあえず、引き金をずっと引いたままにしてや」

「握っておけばいいってことだな。とりあえずあそこを狙って……おお~! すげ~!!」


 サブマシンガンと言えば、連射機能がある物。消音アイテムで音がプシュップシュッと鳴るだけだから迫力は低いが、シモンはその連射速度に感動だ。


「アレ? 止まった……故障か?」

「いや、弾切れや」

「は? さっきのいまだぞ??」

「それが欠点や。早すぎてすぐに弾が尽きてしまうんや」

「30発が? うそ~~~ん!!」


 でも、物の数秒で尽きたので、シモンもどう反応していいか困る。確かに凄い攻撃力だけど、弾倉の替えがいっぱい必要になるからだ。


「できてから思ってんけど……これって正解なんやろか?」

「まぁ……ボス戦なんかでは使えると思うけど……ただ、弾の箱を交換する時に隙が生まれるな。数人で撃ちまくったら、それも解決できそうだけど……」

「シモンはんはソロやからな~」


 サブマシンガン、使うにはいくつもの条件があるから扱いが難しそう。シモンは奥の手に使おうかと思ってる。


「まぁダンジョン行って試して来るよ」

「せやな。実践で試してや。あ、連射し過ぎると熱持つから気を付けや」

「ああ。休み休み使う」

「あと、故障も気を付けや~」

「わかってるけど……怖くなって来た……」


 新しい武器を手に入れたシモンは、今回はイマイチ乗り気にならないので、トボトボ歩いてダンジョンに向かうのであった。



 サブマシンガンの弾倉は、いま装着されているのを加えて3個の計90発。シモンはひとまず人気(ひとけ)のないところで取り出して、いつものようにヘッドショットで倒して行く。

 ただし、引き金を1回引いてるつもりでも連射になるから無駄弾が多い。試しにオークの体に向けて連射してみたら、オーバーキル。何発も無駄にしてしまった。


 あっという間に2個の弾倉が空。なので休憩して弾を込めたら、もう一度、体が大きなモンスターで連射を試そうと探して、見付けたイノシシ型のモンスター、ビッグボアに撃ちまくる。


「アレ? ……弾が出ない!? ちょっ! うお~~~!!」


 しかし5、6発出たところでストップ。怒ったビッグボアに追いかけ回されるシモンであったとさ。


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