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銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、案の定Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~  作者: ma-no
一章 出会い

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021 プーシー3号


 イレーナがシモンの借家に泊まった翌日。朝ごはんもイレーナが作ってシモンは美味しくいただいていたけど、プックがニヤニヤしてるから気になる。

 理由を聞いても教えてくれないから諦めて、仕事に行くついでにイレーナを送る。帰ってからもプックがニヤニヤしてるので気持ちが悪い。

 どうやらシモンとイレーナの別れの理由を聞いたけど、口止めされているけど、からいたくて仕方がないらしい。


 その顔からシモンは逃げ出し、できるだけ顔を合わせないようにして3日。ついにプーシー3号が完成したらしいので、プックのニヤニヤ顔も止まった。


「まったく見た目が違うんだな……こんなので本当に連射できるのか?」


 プーシー3号の見た目は、とある世界で半自動式拳銃と呼ばれている物。回転式拳銃とはまったく違う構造をしているから、シモンも半信半疑って顔だ。


「当たり前やろ~。ここ、握りの下のところが外れるねん。するとあら不思議、弾丸がいっぱい出て来ました~」

「おお~。何個入ってるんだ? まだ出て来る~」


 プックは実演販売よろしく。弾倉を外して弾丸を指で弾き続けると、シモンはいくらでも買いそうだ。


「なんと、この箱には15個入るねん」

「1号の3倍……すっげえ」

「ただし入れるのめんどいけどな」

「本末転倒!?」


 プックが弾倉に弾丸を1個ずつ入れるのを見たら、シモンはリボルバーのほうが優秀なのではと意見が変わった。


「なので、みっつ用意しました~」

「あっ! 休憩中とか家で補充すればいいのか!?」

「そうでんがな。画期的でっしゃろ~?」

「早く言ってくれよ~」


 プック、シモンのコロコロ変わる顔を見たかったみたい。情けない声も聞けて満足だ。


「とりあえずみっつ用意したけど、もっとあったほうがええやろ? 随時作って行くから待っててな」

「ありがとうございます!」

「礼はまだ早いで~? 撃ったらもっと驚くさかいにな」

「まだ驚くことがあるんだ~。なんだろ~?」


 素晴らし過ぎて乙女チックな反応になっているシモンに、プックは撃ち方を教えて引き金を引かせた。


「おお~。なんか出た。すげ~」


 薬莢(やっきょう)が横に飛び出ただけで、シモンは感動。


「そのままもっかい撃ってみい」

「ん? ここの上のとこ引いてからだな」

「ちゃうちゃう。引き金引くだけでええねん」

「はい? それだと撃てないだろ? 1号も撃鉄を立てるって……」

「ええから言われた通りやってみい」

「ああ……なんで!?」


 ただ引き金を引いただけで弾丸が飛び出たので、シモンは今日一番の大声。プックもしてやったりだ。


「すっごいやろ~? これを思い付いた時、あーしも椅子から転げ落ちたぐらいや」

「凄すぎて意味がわからない。なんか膝がガクガクして来た」

「あははは。それぐらいの代物やから当然や~」


 プックは上機嫌で設計図を広げて説明しているけど、シモンには難しいみたいだ。


「要するにや。弾丸ってのは中で爆発するやろ? それで前に飛ばす力が生まれるんや。それと同時に、後ろにも力が生まれるから、その力を使って次の発射準備を整えてるんや」

「あぁ~……撃ったら反動強いもんな。なんとなくわかった気がしないでもない。でも、そんな技術、この短期間でよく作ったな」

「いやいや。元からある技術やねん。お金持ちの馬車、乗ったこと……ないやろな~」

「あるぞ! 全然揺れないヤツだろ!?」


 この技術は、過去に召喚された勇者がもたらした技術。いわゆるサスペンションやスプリングを教えたのだが、お金持ちが独占しているから一般市民にまでその恩恵はもたらされていないのだ。

 プックは決め付けていたから、シモンはレアジョブに目覚めた時に乗ったことを自慢してた。プックは自分で作って乗っていたから、回数で大負けしてたけど。


「まぁかなり難しかったけど、その技術を組み込めたから、ワンアクション減らして撃てるようになったんや」

「すっごいな~。プックはマジ天才」

「やろ~? ここからもっと凄い物が作れそうな予感がする! いや、絶対作ってやるからな!!」

「この上があるの!? もう俺には想像つかないわ~」


 シモン、お手上げ。プックの野望はまだまだ続きそうだから、楽しみに待つのであっ……


「それで相談やねんけど……お金と期間がな……」

「そうなるよな……」


 その先はお金との相談なので、これ以上の物が必要なのかとシモンも悩むのであったとさ。



 シモンは悩みながら、プーシー3号の試射。連続して15発も撃てて、弾倉の交換も素早く行えるからその先も見たくなったので、早くも悩みは捨て去った。


「おおきに! これですっごいの作ったるからな!!」

「ああ……その前に、2号の望遠鏡ってどうなってるんだ?」

「そんなのお金くれたらチョチョイのチョイチョイや。2、3日くれたら、すぐ付けられるで」

「そんなに早いのか……それならしばらく3号を楽しませてもらうよ」


 シモンは追加発注したらプーシー3号に頬ずりしたけど、思っていたより熱を持っていたから驚いてすぐに離した。それを「馬鹿やな~」と見ていたプックだったけど、そのおかげで注意事項を思い出した。


「あ、そや。プーシー3号は試作機みたいなもんやから、違和感あったらすぐに撃つのやめえや」

「試作機? それ、もしも強行したらどうなるんだ??」

「プーシー1号でもあったやろ? ボンッと破裂して怪我するで」

「お、おう……ちょっと使うの怖くなった……」


 ここでネガティブ情報。プーシー1号の時に怪我をしたことのあるシモンは、テンションが急降下したのであったとさ。


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