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銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、案の定Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~  作者: ma-no
四章 二度あることは何度でもある

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117 ユーチェの新スキル


 女神様に懺悔しても、厄災の魔獣はいなくなるワケではない。念の為プックとユーチェにも確認すると、やる気満々だ。


「ぶっちゃけ、遠くから撃つだけやしな」

「シモンさんの腕なら、近付くのも難しいどすよ」


 今まで怪我ひとつないからだ。


「それが今回は、そうもいかないかも?」

「どうゆうことですのん?」

「獣型だから素早いみたいなんだ」

「獣型でもシモンさんは外さないじゃないどすか?」

「一発で倒れてくれないんじゃ、今回こそ前衛に被害が出る。それも死人が出ると思う」

「そういうことか~……」


 今まではノリでシモンについて来ていたプックとユーチェであったが、被害ゼロでは済まないと聞いて尻込みした。


「今までが奇跡だったんだ。この点を踏まえて、やるかどうか考えてくれ」


 プックとユーチェは顔を見合わせると頷いた。


「何を言うてますのん。エノールムだって、プーシー11号があればあそこまで近付けへんかったで。あーしたちも強くなっとる」

「そうどす。それにシモンさんには目が必要やん。ウチがいなくてどうするんどすか」


 その力強い言葉で、シモンも覚悟を決めた。


「だな。3人でプーシーユーだ。何度だって奇跡を起こしてやろう!」

「「お~!!」」


 こうしてプーシーユーは、新たな戦いに挑むのであった……



 プーシーユー参戦が決定すると、シモンはレオポルト王と打ち合わせ。作戦も伝えて人員も借りる。

 それと鍛冶場付きの屋敷も借りて、お引っ越しだ。ちなみに、シモンは普通の大きさの家を借りたかったのに、レオポルト王がお金を出すことになって、こんな大きな屋敷になったんだってさ。


「なんで引っ越し? 新しい弾って出てないって言うてまへんでした?」

「あんな豪華な部屋、気が休まらない……」

「「ああ~」」


 単純に、お城が嫌なだけ。王様と屋根を共にしてるのも嫌なんだって。

 かといって、鍛冶場付きの屋敷はメイド付き。猫メイドが目を光らせているから、やっぱりシモンは居心地悪そうだ。暗いと物理的に目が光るし……


 お引っ越しも済んでリビングに集まったら、プーシーユーはパーティ会議だ。


「とりあえず、プックは武器の整備を頼むな」

「せやな。迷宮踏破でガタが来てるかもしれんから、ピッカピカにしておくわ」

「なんか思い付いたら、新しいのも作っていいぞ。整備が終わってからだけどな」

「あら太っ腹……って、王様からお金出てるんやろ~?」

「せやねん。断っても押し付けられてん……」


 シモンがドワーフ弁を使ってもプックは肩をポンッと叩いただけ。いちおう頑張ってくれたからね。


「ユーチェは~………………訓練??」

「そんなに考えないとやること出て来ないのどすか~」

「ぶっちゃけ俺もやることないし……あ、風読み師って、新しいスキルとか覚えてないのか? 出会ってからかなりレベル上がってるだろ?」

「……あっ!?」

「ステータスすら見てないのかよ……」

「相変わらず粗忽者(そこつもの)やな~」


 どうやら風読み師というジョブは、最初に多く魔法やスキルを覚えてからは新しいスキル習得の間隔が急に長くなったそうだ。

 その上、近衛兵に就職してからレベルアップしてなかったから、ステータスを確認することすら忘れていたらしい。つまりユーチェが悪いね。


「凄いどす! 風魔法の最上級攻撃魔法が使えるようになってました!」

「いつからなんだろ?」

「六層の迷宮クリアーした辺りちゃう?」

「あと、【風の(ささや)き】なんてスキルもありますけど、これはなんやろ?」

「使えそうにないスキルだな」

「攻撃魔法もいるんやろか?」

「ちゃんと聞いてや~~~」


 ユーチェが説明してるのに、シモンとプックはヒソヒソ話。ユーチェも怒っているので、庭に出て魔法披露だ。


「ストップ! スト~~~ップ!」

「ど、どうやって止めるんやろ?」

「ユーチェの魔法やろ!!」


 攻撃魔法は、デカイ竜巻が出たのでシモンたちは吹き飛ばされそうになって大変なことに。止め方もわからないのでは、自然消滅を待つしかない。そのせいで庭もかなりダメージを受けました。


「次、【風の囁き】行くどすよ~?」

「……ま、待った!」

「せや! 広いとこ行こ!!」


 続きましては待ったは遅かった。前の魔法があるからシモンたちも怖いのだろう。粗忽者だもん。

 しかし、ユーチェはやっちゃった。でも、何も起きなかったので、プックとシモンは胸を撫で下ろした。


「アレ? 何も起きまへんね」

「……なんか耳が気持ち悪いんだけど~?」

「どういうことどすか??」

「……声や! ユーチェの声がダブって聞こえとる!!」

「ラ~♪ ラララララ~♪」

「「うおっ。気持ち悪っ」」

「なんでですのん!?」


 どうやら【風の囁き】というスキルは、ユーチェの声を対象者にしっかり伝えることができるらしい。

 ユーチェも怒っていることだから機嫌を取って検証してみると、遮蔽物がなければかなり遠くまで声が聞こえるみたい。近くで使うと音が耳に届く速さが違うからダブって聞こえたのだ。


「シモンさん。大好きやで~」

「はいはい。ありがと」

「適当!?」

「なに言ったん??」


 小さい声でも対象者にハッキリ聞こえるらしいが、シモンが塩対応するからまたユーチェはぷりぷり怒るのであった。



「それで~……どうどした?」


 ユーチェの新技の披露を終えたら、次は批評会だ。


「「う~~~ん……」」

「え? 【風の囁き】はアレどしたけど、攻撃魔法は凄かったですやん!?」

「攻撃魔法は凄かったけど、使う場面あるかな?」

「あんなん、弾丸も曲がってしまうんちゃうか?」

「あっ……」


 そう。プーシーユーの真骨頂は遠距離攻撃。竜巻が目の前にあったら邪魔だ。


「【風の囁き】もな~……基本、俺たち固まって戦うし」

「プーシーシリーズには消音マジックアイテムも使ってるから、声が聞こえないこともないもんな」

「そんな~~~」


 残念無念。せっかく新しい魔法やスキルを覚えたのに、このパーティの戦闘方法が異常なので宝の持ち腐れになるのであったとさ。


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