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銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、案の定Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~  作者: ma-no
四章 二度あることは何度でもある

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115 八層の村々


 勇者パーティが八層をスキップした理由はわかったが、いまだに迷宮街を爬虫類で固めている理由はわからない。

 でも、聞いたら予想通り。勇者パーティが戻って来た場合に備えてだ。ちょくちょく各階層の迷宮街に現れるのは、各層周知の事実らしい。


「ここはさすがに……」

「せやんな?」

「ウチもそう思うどす」

「なんか言った??」

「「「いえいえいえいえ~~~」」」


 こんな恐怖映像みたいな町には戻って来ないと思ったシモン、プック、ユーチェであったが、ギルド嬢っぽいエリマキトカゲの耳に入れたくないから必死のごまかしだ。


「それはそうと、3人は七層から来たのよね? 買い取りとかしなくていいの??」

「あ、はい。お願いします。あと、手紙があるんですが……騒がないでくださいね?」

「ああ。ギルマス案件ね。職員は守秘義務がしっかりしてるから……プーシーユーーー!!」

「騒いでるじゃねぇか!!」

「「「「「プーシーユーだと~~~!?」」」」」


 せっかく注意したのに、エリマキトカゲが叫ぶモノだから、爬虫類冒険者が集まって来て背筋が凍るプーシーユー。

 中には素行の悪い爬虫類もまざっているからシモンに喧嘩を売ったり、別の爬虫類が喧嘩を買ったりと大騒ぎだ。


「オラァ! 静かにせんか! 俺はプーシーユーが来たら王様に報告するように言われてんだ! プーシーユーにケンカ売ることは、王家にケンカ売ることになるに!!」

「「「「「はっ! すいません! (ねえ)さん!!」」」」」


 しかし、エリマキトカゲがドスの利いた声で叫ぶと、一瞬で収束。冒険者は全員、気を付けだ。


「「「……オレ??」」」


 でも、プーシーユーには気になるワードが耳に残っていたから、近くで声を拾ったトカゲが教えてくれる。


「姐さんは男だ。しかも45歳で、このギルドのマスターだ」

「男だったの!?」

「てことはシモンはん、男を口説いたんでっか!? アハハハハハ」

「食べるって物理的かと思ってたどす~」


 王家よりも年齢よりもギルマスよりも、性別に驚くプーシーユー。プックがいらんこと大声で言って笑うから、爬虫類冒険者から「勇者……」とシモンは引かれてしまった。



 買い取りの査定が始まると、プーシーユーは応接室に拉致。爬虫類職員に囲まれて連れ込まれたから、こんな感情になっているらしい。

 改めてエリマキトカゲが自己紹介したら、本題だ。


「王様からプーシーユー宛に招待状が届いているの。ダークエルフの王様の書状には、面倒事の盾になってくれとなっているから、ギルドとしては無理は言えない。だから、会うかどうかを決めるのはあなたたちしだいよ。でも、あたしの顔を立ててほしいな~? なんでもするから~??」

「舌。舌がめっちゃ垂れてる……ながっ……」

「あらやだ。はしたない。アハハハハハ」


 エリマキトカゲは職務を(まっと)うしてくれる人ではあるが、欲望は隠せない人みたいだ。


「ちなみに招待する理由はなんですか?」

「礼節を持って対応しろとなっているから、単純にプーシーユーに会いたいだけだと思うわよ。厄災の魔獣を二度討伐し、勇者パーティを二度も追い返した凄腕パーティなんだも~ん」

「そうですか……」


 理由としては確かにありそうなので、シモンはプックとユーチェに目配せしたら、力強く頷いた。


「わかりました。その招待、謹んでお受けします」

「ありがと~~~う!」

「ち、近い……手、ゴツゴツですね……」


 プーシーユー、王都行き決定。エリマキトカゲに両手で手を握られたシモンは、本当に食べられるんじゃないかと怖がるのであったとさ。



 入口の迷宮街で一泊したら、プーシーユーはそこそこ豪華な馬車に乗って脱出。爬虫類だらけの街は、精神的に疲れるんだとか。

 案内係兼、御者をしてくれている爬虫類は、トカゲかと思っていたらヤモリとのこと。どこが違うかは、プーシーユーはよくわかりませんでした。


 ヤモリ御者で見慣れておこうと頑張るプーシーユーは、一泊する予定の村に着いたら悲鳴をあげ掛けていた。まだ爬虫類だらけには慣れていないもん。

 次の日もヤモリ御者で慣れようと頑張っていたら、違う問題が発生。


「クマが立って歩いてるぞ?」

「ホンマやな~。今日の晩メシにしよか」

「クマ鍋、久し振りどす~」

「ダメです! あの人、村長さん!!」


 野生の熊と見分けがつかないもん。


「服は着ないのか?」

「田舎のおじいちゃんとかは、着心地が悪いとかで下しか穿かない人が多いんです」

「下も穿いてないように見えるけど……」

「へ? ……本当ですね!? 村長さ~ん! お客! お客さん来てるから、服着て~~~!!」


 どうやら町から離れた村では、どうせ旅人も来ないだろうからと服を着ない獣人が多いらしい。なので村に入ったユーチェは目が爛々だ。


「猫さ~ん。ちょっと触っていいどすか? モフモフ~~~!!」


 猫の獣人を見付けたからだ。毛を触るどころか抱きついてるから、猫さんは複雑な顔をしてるね。


「アレのどこが人見知りなんだよ」

「ホンマやな~。あーしもモフってこよっと」

「プックも人見知りどこに行った?」


 プックまで狐の獣人の尻尾を撫でに行ったので、シモンは納得いかない。人見知りだから、いくらモフモフしたくてもできないのだ。


「あらお兄さん。1人寂しゅう立っとらんで、あたしでも撫でる~? 旅人にはちょっとは撫でさせるってのが、この国の習わしなのよ~?」

「いや、大丈夫です。俺、そういうの間に合ってるんで……」

「あらあらあらあら。奧さんでもおるのかしら~。たまには遊んだほうがええわよ~。あたしなんてどう? ブヒヒ」

「ヒッ!?」


 向こうから近付いて来ても無理みたい。本当はブタの獣人だから、オークに見えているだけだけどね。

 結局シモンもユーチェたちの輪に入ってモフモフパーティ。翌日はけっこう毛だらけで旅立って行くプーシーユーであった。


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