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銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、案の定Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~  作者: ma-no
四章 二度あることは何度でもある

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114 八層の住人


 迷宮を踏破したプーシーユーがキャッキャッと喜んでいたら、門番と目が合ってギョッとする。なので3人は目だけで語らい、迷宮の中に戻って行った。

 そして体を隠し、プック、ユーチェ、シモンは背の順に顔を出してヒソヒソ喋る。


「アレってモンスターちゃいますん?」

「鎧を着たワニさんが立ってますで?」

「たぶん人間だ……八層は獣人の国って聞いてたんだけどな~……」

「アレ、獣人ちゃいますで?」

「獣人ってほぼ獣だから、この層には人間に見えない人が集まってるのかも?」

「「なるほど~」」

「てか、てっきり毛むくじゃらなのがいっぱい居ると思ってた」


 そう。八層にいる人種はほとんど見た目に難がある人。下層から逃げて来た難民で、人族に受け入れられそうにない見た目の者は、この国の王様が全て受け入れたのだ。


「とりあえず、プックから話し掛けてみるか?」

「なんであーし?」

「人見知りせーへんやん」

「するわ!」

「じゃあ」

「ウチもするどす~」


 シモンとしては、初めて会った時に2人とも向こうから声を掛けて来たからそう思っただけ。特にプックはベッドの中にいたし……

 しかし下手なドワーフ弁のせいで、プックがグイグイ押すし、ユーチェも押して来るから行くしかない。シモンは覚悟も決まっていないのに、ワニの前に立たされた。


「こ、こんにちは」

「はい。こんにちは」

「今日は雨とか大丈夫かな~?」

「なに天気の話しとんねん!」


 そりゃノープランで来たのだから、こんな会話になるってもの。プックのツッコミが炸裂すると、ワニも笑い出した。


「あははは。今までで一番面白い反応をするパーティですね~」

「あ、ひょっとして、門番さん?」

「はい。ようこそ八層へ。こんなのが門番していてゴメンなさい」

「いや、その……」

「いいよいいよ。人族の反応はそんなモノだし。どこぞの勇者パーティなんて、いきなり斬り掛かって来たんですよ。あははは」


 ワニの門番さんは自分を卑下してもあっけらかんと笑っているから、シモンたちはなんとも言えない顔だ。


「勇者パーティと会った時、大丈夫だったか? 怪我とかさせられてない??」

「1人斬られたけどなんとか。仲間を呼んだら、飛んで逃げたから大丈夫でしたよ」

「仲間と言うと……」

「呼びましょうか??」

「いや、いい。大丈夫。もっと目が慣れてからがいいかも?」

「あははは。正直な人ですね~」


 さすがにワニに囲まれたら、シモンも悲鳴をあげる自信があるみたいだ。プックもユーチェも激しく頷いてます。


「そんじゃあコレ、冒険者カードと手紙。手紙はすぐに読んでくれ」

「プーシーユー!?」

「その顔、やめて。怖い……」


 ワニの門番さんが大口を開けて固まるので、ブルッと震えるプーシーユー。食われそうなんだって。


「あ、ああ。ゴメンなさい。あの有名なプーシーユーと会えたから……握手いいですか!」

「うん……凄い手触りだな。爪、爪が立ってる。口も開けないで」


 ワニの門番さんとの初握手はやっぱり怖いみたい。とうとうプックとユーチェもクスクス笑い出したけど、ワニの門番さんは2人にも握手を求めたから、サブイボが出たんだとか。


「そういうことですか~。はい、プーシーユーのことは秘匿とさせていただきます。ゆっくりして行ってくださいね」

「う、うん。ありがとう」


 これだけのプーシーユーファンなら、メインデルト王からの書状もあっさりオーケー。シモンたちは礼を言って街に向かったが、気になって後ろを振り返ったら、ワニだけじゃなく爬虫類がいっぱい居たから自然と早足になるのであったとさ。



「トカゲ、トカゲ、ワニ……アレはヘビかな?」

「うう……なんか見とるで」

「あの目、怖いどす~」


 入口の迷宮街は、爬虫類だらけ。人族が珍しいのか全員立ち止まって見て来るから、プックとユーチェはゾワゾワしっぱなしだ。


「なんでこんなに爬虫類だらけなんだろ……俺が読んだ本には、ライオンとかトラとか猫とかもいたのに……」

「猫さん! ウチ、猫さん見たいどす~」

「猫言うても、立って歩いてるんやろ? ちょっと怖ない??」

「差別はよくないぞ」

「じゃあ、シモンはん。娼館行ってヘビが出て来たらどないしますん?」

「ゾッとします……」

「「ほら~」」


 怖い物は怖い。ただ、ユーチェはモフモフが見たいらしいので、情報収集に冒険者ギルドにやって来た。


「あの……立派な襟巻きですね」

「あらやだ~。いい男にそんなこと言われたら、食べたくなっちゃうでしょ~」

「ゴメンなさい」

「褒めてるんだけど~??」


 受付に立っていたのは、女性っぽい制服を着たエリマキトカゲ。シモンはどう声を掛けていいか悩んで出した言葉は、エリマキトカゲからしたら口説き文句だったみたいだ。


「あの……こんなこと言うのアレなんですけど、爬虫類以外の人って、どこに行ったのですか?」

「あはは。そんなに気にしないで~。私たちが人族に不人気なの知ってるから~」

「はあ……」

「あ、他の氏族だったわね。他の氏族は、全員疎開してるのよ」

「それって勇者パーティ対策ですか?」

「そうよ~。あたしたちで勇者パーティが行きそうなところを固めておけば、真っ直ぐ九層に行かないかと苦肉の策だったんだけどね~……まさに一直線。なんだったら悲鳴をあげて逃げてったわ~。失礼しちゃうわよね~」


 エリマキトカゲがケラケラ笑いながら説明してくれたら、プーシーユーの声が重なる。


「「「そのせいか~」」」


 勇者パーティが八層をスキップした謎、解決。シモンたちも今すぐ八層を脱出したくなっているので、腑に落ちまくるプーシーユーであったとさ。


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