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銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、案の定Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~  作者: ma-no
四章 二度あることは何度でもある

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113 緊張感


「アカン! 弾切れや!!」


 巨大なトロールキングがプーシーユーに迫るなか、プックがWサブマシンガンで発射すると、30発ずつをあっという間に使って残弾ゼロ。それと同時にアサルトライフルの弾倉を交換していたユーチェの銃撃が始まった。

 元々シモンがカウントダウンしているから、タイミングよく交代できるのだ。


「おお~い。プック、もうそろそろだぞ~?」

「もうかいな!? 2個使ったのは失敗やったかも……急げ~」

「3、2……」

「いま急いでやってるやろ!」

「ゼロ!」

「もう!!」


 Wサブマシンガンは強力なものの、弾倉交換に時間が掛かるしシモンが急かすから、プックも封印するしかない。サブマシンガン一丁で応戦だ。

 これならリズムよく次々と交代できるが、シモンの弾も無限ではない。


「5連射使う! 2人で耐えてくれ!」

「「了解!!」」


 シモンの弾倉交換の場合は、最強攻撃を決めてから。トロールキングのおでこ目掛けて50BMG弾の畳み掛け。

 まだHPに余裕があるからか、トロールキングはたたらを踏んだだけで耐えられてしまった。


「プックさん! こっち切れるで!!」

「任せとき! ウララララ~!!」


 ユーチェもアサルトライフル連射モードで対応。弾切れになったら、プックのサブマシンガン連射。弾倉交換が間に合わないので、次はシモン用のアサルトライフルを握ってユーチェの攻撃だ。


「よし! 戻るぞ!!」


 シモンの弾倉交換が終われば、ローテーションは元通り。二丁のアサルトライフルは、二度の交代の間にどちらも弾倉交換を終えていた。



「かなり距離が近くなったな……」


 何度もローテーションを繰り返していたら、トロールキングとの距離は20メートルを切った。これならいつ、体高20メートルのトロールキングの間合いに入ってもおかしくない。


「よし! 俺たちの連射のあとに、10号だ!!」

「ついに真打ち登場やな!」

「ひとまず千発な?」

「プーシー10号ちゃんが唸るで~」

「聞いているのかな~?」


 プックの返事がないから怖いが、シモンはユーチェと連動して弾倉が空になるまで連射。もちろんカウントダウンは忘れない。


「プック! ゼロ!」

「死にさらせや~~~!!」


 ガトリングガン、発射。トロールキングの腹辺りを狙えば、この距離なら外すことはない。


「うわっ……」

「すげっ……」


 50BMG弾、強力。プックがペダルをクルクル回すと50BMG弾は絶え間なくトロールキングに着弾。それでトロールキングは後退って行くから、シモンとユーチェは威力に感動だ。

 ただし、まだ戦闘中。シモンは「ハッ」として、見とれていたユーチェの肩を揺すって弾倉交換を急がせる。


「プック! もういい! 充分距離は開いた! ローテーションに戻るぞ!!」

「えぇ~。まだ千発行ってないんちゃうか~?」

「これだけ離れたら避けられるぞ!」

「しゃあないな~」


 トロールキングは振り出しに戻ったのだから、秘密兵器は必要ない。シモンとしては、もしもの時に残しておきたいので必死の説得だ。



 プーシーユーはローテーションに戻ったが、トロールキングの様子がおかしい。急に雄叫びをあげた。


「来た! ラストアタックだ!!」


 最後の足掻き。トロールキングは棍棒を振り回して前進して来たからには、シモンの緊張はマックスだ。


「遠いと無様やな~」

「ゴーレムさんと同じことしてはる」


 ただし、その足は遅い。攻撃がまったく届いていないのだから、プックとユーチェは緊張緩和だ。


「近くで受けたら手に負えないと思うけど……引き付けてから撃っちゃうか?」

「やな」

「簡単に終わりそうどすね~」


 そのせいでシモンまでユルユル。いちおうシモンのヘッドショットだけは続けて、程良い距離になったらガトリングガンで蜂の巣にしたプーシーユーであった。



「シールドもいらんかったどすね」

「な~? 高いマジックアイテムも買ったのにな~」

「それって王様に奢ってもらったヤツやん」


 勝利の余韻もイマイチ。ユーチェ、シモン、プック総掛かりでダラダラ片付けをして、走って八層へ向かう扉を潜って事無きを得る。無駄話が過ぎたみたい。

 小部屋で少し休憩したら、『ガンガン行こう』。安全地帯で一泊して、地上を目指す。


 それからも無駄話をしながら進んで2日。ついにプーシーユーは迷宮を踏破した。


「そういえば、戻るか進むか考えるの忘れてた」

「余裕やったから一択やろ」

「これで気まずいことにはなりまへんでしたね~」


 ここでもまだ、嬉しさはないみたい。せいぜいダークエルフの下に帰ることがなくてよかったぐらいだ。


「ま、何はともあれ……」

「せやな」

「うん!」

「「「八層到着、おめでと~~~う!!」」」


 やっとこさ祝福。プーシーユーは銃の先をコツンと当て合って、八層到着を祝うのであった……


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