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銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、案の定Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~  作者: ma-no
四章 二度あることは何度でもある

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110 八層の王都、最後の日


 勇者パーティを撃退した次の日、八層の王都はまたしても大賑わい。冒険者新聞にプーシーユーが勇者パーティを追い払ったと書いていたからだ。

 詳しい説明は伏せていたが、シモンが読んだ時には「王様の手柄にしてくれたらいいのに」と思ったんだとか。


 各階層にもこの情報は流し、ひとつの嘘をプラス。プーシーユーの武器を各国に送ったと、エルフと勇者パーティにしかわからない内容を載せていた。

 同時に、冒険者ギルドの上層部と各国の君主には、この嘘に乗るように手紙を送っている。勇者パーティの蛮行が減るなら、お安い御用だと乗って来るはずだ。


 これは勇者パーティへの牽制。各国が銃を持っていると錯覚させるためだ。そんなことをしなくとも、深読みし過ぎて持っていると思っているけどね。


 プーシーユーはというと、また一段と歩きにくくなったので、屋敷に引きこもり。プックだけ仕事をしているので、ユーチェの射撃訓練は忘れない。賢者と聖者を殺し掛けたもん。


「うん。この距離ならまずまずの命中率だな」

「完璧やないどすか~」

「微妙に穴がズレてるじゃないか?」

「厳しいどす~~~」


 いくらド真ん中を射貫こうとも、シモンには追い付けない。一般的には完璧といっても過言ではないのに、シモンが撃った的は寸分違わず撃ち抜かれているからだ。


「できたで~……なんや? また変態テクニック見せ付けられたんか??」

「2人して変態変態言わないでくれない??」


 ユーチェがブーブー言ってる場面にサブマシンガンを担いだプックが登場。一目で何があったか察している。


「それで作る分は最後だな」

「せやな。これを試射して、あとは箱の完成待ちや」

「あ、また外注してたのか」

「せやけど……メイドさんから聞いてまへんの? 支払いはシモンはんに言ってって頼んでたんやけど」

「まったく……」


 またしても感謝の押し売り。メイドさんはメインデルト王から諸経費は全て王家が持つと言われていたのだ。


「ま、まぁ、ラッキーってことにしときまひょ」

「最近、金が増える一方なんだけど……」

「そのことはもうええやん。弾はどうなってるん? プーシー10号、それ待ちなんやで」

「エノールムを倒してから貰える弾丸は300発になったけど、ウィンチェスター弾も必要だからな~……いまで2000発ってところだ」

「まさか弾待ちの日が来るとは思いもしまへんでしたな~」

「まったくだ……てか、俺、そんなに使ってなくね?」

「さ! 試射試射」

「プックが一番使ってるよな??」


 残弾問題になったら、プックは無視。自分でも無駄遣いしてるのはわかりきっているからだ。しつこく聞いたらシモンはシバかれてました。



 それから10日。シモンの娼館通いがバレそうになった……のは置いておいて、プックは暇潰しに半自動式拳銃を二丁作り、弾数も充分に確保され、弾倉も届いて全て補充されたらシモンたちは旅立つ。


「ダークエルフの英雄に~……乾杯!!」

「「「「「かんぱ~~~い!!」」」」」


 その前に、お別れ会。お城に拉致されたプーシーユーは、王族勢揃いの席で肩身が狭い思いをしてる。


「いや~。世話になったな」

「こちらこそです……国宝級のアイテムバックまで買ってもらって……」

「気にしんさんな。大激浪(だいげきろう)で大敗しとった思うたら安い買い物じゃ。国民1人が失われても、その価値に見合わんぐらいじゃけぇな」


 メインデルト王が憂いを帯びた目でここに集まる人々を見るからには、シモンの苦情はもう止まった。


「ほいでシモンたちは下を目指しとると前に聞いたが、目標はあるんか?」

「いちおう邪神との戦いに役に立ちたいってのはありますけど、一番はかつての仲間に会いたいってだけなんですけどね」

「かつての仲間か~……シモンを手なげる(てばなす)なんて、見る目のないヤツらじゃのぉ」

「そう言ってやらないでください。その時の俺はダメダメだったんで。蒼き群雄は本当にいいヤツらばっかりなんですよ」


 哀れんだ目をしたメインデルト王はパーティ名に食い付いた。


「蒼き群雄なら会うたことがあるでぇ」

「本当ですか??」

「ああ。大激浪が起こるなら戦力になりたいと、しばらく王都に滞在しとったんじゃ。珍しい人族がおるモノじゃと興味を持ってな~……なるほど。あやつらが話をしよったシモンたぁワレのことじゃったのじゃのぉ」

「ここでも俺のこと喋ってたんだ……」


 シモン、嬉しいけど恥ずかしくもあるみたい。どんなことを聞いたのかと聞くと、凄腕の弓使いだったけど自分たちの都合でクビにしたから悔やんでたんだもの。

 ちなみに蒼き群雄は、王都の図書館で大激浪を調べたり、魔獣を倒してレベルを上げていたが、予兆のひとつもなかったから力になれないことを謝罪して去って行ったらしい。


「いまは最前線で冒険者たちを仕切っとるらしいぞ」

「え? まだ若手なのに、そんなことを??」

「ああ。リーダーの人柄じゃろうな。ベテランも若手も協力して、邪神に奪われた土地を次々と奪還しとるんじゃと」

「アールト……大きくなって……」

「わはは。羨むじゃのうて、親心か。わはははは」


 シモンが変な涙を流すので、メインデルト王は大笑い。プックも「たぶん身長変わってまへんで」と大笑いだ。ユーチェはちょっと嫉妬してるみたい。アールトは男なのに……


「ここに勇者パーティが加わりゃあ思いよったのだがな~……」

「場を乱しそうですね……」


 邪神に勝てる下地はできているのに、邪悪な勇者パーティではその下地をぶっ壊し兼ねない。メインデルト王とシモンは暗い顔だ。


「もう蒼き群雄が勇者パーティでよくありまへん?」

「シモンさんが勇者になったらええんどすよ」

「蒼き群雄は賛成するけど、なんで俺なんだよ」

「えぇ~。勇者パーティに二度も勝ってるんどすから、権利はあるどすよ~」


 プックはやや茶化し気味だが、シモンも賛成。ユーチェのアイデアは断固拒否だ。


「ま、そのエルフ娘の言い分はわからんでもない」

「王様まで!?」

「勇者になれとまで言うとらん。後ろから勇者の尻を叩いちゃれば、邪神に勝てそうじゃろ?」

「その前に勇者に殺されますよ~」

「わはは。頼んだでぇ。わはははは」


 こうしてお別れ会はシモンの激励会というか無茶振りに変わり、笑い声のなか続くのであった……


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