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銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、案の定Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~  作者: ma-no
四章 二度あることは何度でもある

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107 勇者パーティの作戦


 プックに見送られたシモンとユーチェは、駆け足で城に向かう。そこで門番に目的を伝えると少し待たされたが、すんなりとメインデルト王と面会できることとなった。


「手紙は読んだみたいじゃのぉ」

「はい。こうなったのは俺の責任でもあるんで、責任を取ります」

「フッ。さすがはダークエルフの英雄。ええ顔をする」

「英雄はやめてください」

「エルフの英雄どすけどね」

「ユーチェもやめて?」


 メインデルト王から英雄と呼ばれたシモンは頬をポリポリ掻いて照れ隠ししていたが、ユーチェの一言で真っ青だ。王様の御前(ごぜん)だもん。

 シモンは焦っていたが、メインデルト王は特に気にせず話を続ける。


 現在、ダークエルフは以心伝心スキルを何度も飛ばして、出口の迷宮街の情報を逐一報告してもらっているとのこと。

 勇者パーティは急に現れて、冒険者ギルドでシモンの情報を収集中。自分で動かずに、ギルド職員にやらせて娼館でハッチャケ中らしい。


「またアイツらは……」

「いまのところ怪我人は出とらんけぇ、そこは御の字じゃ。ただ、シモンの情報を流さんことにゃあ、何が起こるかわからんがな」


 冒険者新聞の件もあるから、シモンの情報は箝口令が敷かれている。もちろんダークエルフも恩人のために何も喋らない覚悟らしい。

 ただ、問題なのは、プーシーユーを六層に派遣したと冒険者新聞に載せてしまったこと。日にちから逆算するに、シモンの留守を狙ってやって来たのではないかとの予想だ。


「命を狙いに来たと思ったのに……」

「思うたよりヘタレじゃのぉ。だが、そのせいでもっと対応がやねこう(ややこしく)なってしもうた」


 返り討ちなら楽ができるが、避けられていては追いかけないといけない。その分、危険度が増すからシモンとしてはやりたくないのだ。


「いっそのこと王都に来てくれたら楽なんですけどね」

「力強いことを言うてくれる……ならば、呼び寄せてみるか?」

「俺が六層にいないとマズイんじゃ……」

「な~に。特使を派遣したたぁ載せたが、日にちは書いとらん。誤差の範囲じゃ」

「なるほど……じゃあ、やりようがあるかも?」

「おっ。ええアイデアが浮かんだか?」


 シモンたちは王都の地図を広げて、作戦を考えるのであった……



「はあ? シモンのヤツ、まだ王都にいるだと!?」


 翌日の昼過ぎ、ギルド職員から勇者パーティにシモンの居場所が告げられた。


「あくまでも噂ですが……あちらのギルド職員がシモンを見たと言っている者がいたと教えてくれたのですが……」

「噂かよ。使えねぇな~」

「も、申し訳ありません。何分、特使の動向は秘密にされることが多いので。入口の迷宮街にも出国した形跡がないもので……そういえば、入口の迷宮街では目撃例がありませんでしたね。やはりまだ……いえ、これは、私の想像です。忘れてください」

「噂や想像で喋るな! 確実な情報を持って来い!!」

「はい~~~!!」


 勇者ユウキが怒りを露わにすると、ギルド職員は飛んで逃げて行った。そしてユウキが苦虫を噛み潰した顔で酒を(あお)ると、賢者トモヤが心配事を口にする。


「さっきの噂が本当だとしたら、シモンがここまで来てしまうぞ?」

「ハッ。シモンが怖くて勇者なんかやってられるか。それよりなんとか殺す(すべ)はないか? ヤツがいなくなれば、俺たちにはバラ色の未来しか待ってないんだよ」

「そうは言っても、近付かないことには撃たれるだけだ……いや、市街戦ならいけるか?」


 前回コテンパンにされたのは、見通しのいい場所に誘いこまれたせい。遮蔽物が多くある王都の中なら、勝ち筋が見えたトモヤ。


「市街戦、いいね~。隠れる場所が多そうだ」

「ああ。人に紛れるのも効果的だ」

「だったら、人質にしてもいいんじゃね?」

「ブハッ! 聖者様が一番ゲスなことを言ってるよ!!」

「「「「「ギャハハハハハ」」」」」


 聖者キヨトの暴言で笑ったところで、シモン殺害計画は決定。勇者パーティは時間の勝負だと、急いで酒場を飛び出すのであった……



 その日の夕刻。勇者パーティは王都を歩いていた。


「はっは~。獲物が大量だ」

「ああ。まだ俺たちが王都にいるとは周知されていないみたいだな」


 大通りは、多くのダークエルフが歩いているのだから、トモヤの言葉は正しく聞こえる。

 ただ、ダークエルフは見慣れない人間を見たからには「アレって勇者じゃね?」とヒソヒソ話は止まらない。メインデルト王の耳に入るのは時間の問題だ。


 そのことはトモヤもわかっているから、冒険者ギルドの場所を聞き出して急いで向かう。冒険者ギルドに着くと、ユウキがドアを蹴破ってギルド職員を脅していた。


「クックックッ……シモンのヤサがわかったぞ。これでいつでも殺せる」

「「「「「ギャハハハハハ」」」」」


 外に出たところで、勇者パーティは大笑い。シモンが暮らす屋敷を聞き出せたのだから、そこをテレポート場所に指定しておけば、強襲も待ち伏せもやりたい放題だからだ。


「さあ! 野郎共! シモンのヤサに向かうぞ!!」

「「「「おお!!」」」」


 こうして勇者パーティは、邪悪な笑みを浮かべて歩き出すので……


「「ぐわっ!?」」

「あん? ……シモンか!?」


 いや、突然、賢者トモヤと聖者キヨトが太ももから血を流して膝を突いたからには、防御陣形を敷くしかなくなる勇者パーティであった。


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