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銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、案の定Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~  作者: ma-no
四章 二度あることは何度でもある

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106 2通の手紙


 大激浪(だいげきろう)が収束してから10日。シモンは2人の目を盗んでは娼館に……じゃなかった。プックに製作依頼していた銃が完成した。


「「えっぐ……」」

「やな……」


 それは50BMG弾を使ったガトリングガン、プーシー10号。数百発の弾丸に(さら)されたそこそこ大きな岩が粉々になったから、シモンやユーチェだけじゃなく、製作者のプックまで引いている。

 しかし、この攻撃力が欲しかったのは事実。弾丸補充スキルは50BMG弾に多く割り振って、三千発を確保する。


 その1週間後に完成した銃は……


「ウラララララ~!」

「楽しそうだな……」

「気持ち良さそうどすね」


 ウィンチェスター弾を使ったサブマシンガン。試射と聞いていたのにプックが自分でやっているから、シモンとユーチェはなんとも言えない顔だ。

 これまでプックの銃しか作ってないもん。もう一丁サブマシンガンを作る予定だから、今回の製作依頼は全てプック用だからだ。


「あ、シモンはん。プーシー9号、いらない持ち手は外しておいてやったで」

「おお~。シンプルになった。これだけでも重さはだいぶ変わるな。うん。持ち回しが楽になった」


 プックも少しは申し訳ないと思っていたので、スナイパーライフルはちょこっと改造していた模様。

 それでシモンの目は戻ったけど、ユーチェには何もナシだからそのままの目だ。シモンがちょっと構ってあげたらすぐ笑顔になってたけどね。


 翌日はサブマシンガンの耐久試験をしていたら、メインデルト王の使いという者が手紙を運んで来た。

 シモンはリビングで目を通したら、怒っているような悲しんでいるような微妙な顔をするのでユーチェは気になって仕方がない。


「何が書かれてますん? 勇者パーティとか??」

「いや、俺の故郷の……」

「ふう~。ちょっと休憩~」


 シモンが質問に答えている時にプックがリビングに入って来たので話は止まる。


「なんかシモンはん、顔、暗ない?」

「故郷から手紙が届いたらしいんどす。いま聞いてたところなんどすよ」

「故郷? 二層からはるばる届けてくれたんや~。親かいな?」

「違う。王様からだ」


 どうもこの手紙はエルフの女王宛に送られ、もしも先に進んでいたらダークエルフの王宛に宛先を変更して届いたモノらしい。


「あの王様!? 読ませてや!!」

「なになに? そんなオモロイ人なん??」


 プックは二層の王様の話を聞いていたので、シモンから手紙を奪い取って読んだら笑い転げる。ユーチェも読んでみたら、まったく面白い内容には感じられなかった。


「どこがそんなにオモロイん? シモンさんの活躍を喜んでるだけじゃないどすか?」

「アレをアレしたことはアレだぞって~! アハハハハ」

「それ、何を言ってるんどすか??」


 またしても「アレ」を多用してるから、プックは大笑いしてユーチェには通じないのだ。

 ちなみに手紙の内容は、シモンの活躍を褒めたり自分の目に狂いはなかったとの自己賛美が多め。ここまでならシモンも怒るだけでよかったけど、最後の文章が余計だった。


「もう自由に名乗ってもいいけど、わしがアレをアレしたことはアレだぞ? わかってるよな? もしもアレした場合は、アレだからな? 帰って来たら、アレするからな??」


 こんな意味深な文章なんだもん。翻訳すると、シモンの職業を秘密にしたことを喋るな。喋った場合は処刑ということだ。

 ユーチェには最初から説明しないとわかってもらえないから、プックが説明。最初は怒ってくれていたユーチェだが、アレが多すぎて最後は笑い転げてたよ。


「おお~い。笑い過ぎだって~」

「だって~。帰って来たらアレするんどすも~ん。アハハハハハ」

「処刑だそ? 笑いごとじゃないぞ??」

「アレしなきゃええんね~ん。アハハハハハ」

「俺のこと秘密にした王様が悪くないか?」

「「確かに! アハハハハハ」」


 シモンの気持ちはどこへその。しかしその笑い方は蒼き群雄時代を思い出したのか、満更でもない顔をするシモンであった……



 それから3日。プックが鍛冶仕事に精を出して、シモンとユーチェが隠れてダラダラしていたら、また手紙が届いた。

 その配達人は息を切らして早く読むように急かすので、シモンは玄関で開封すると、みるみる顔色が変わった。


「プック!?」

「わっ!?」

「うおっ!?」


 そして急いで鍛冶場に駆け込んで大声を出すと、プックは振り上げた金槌がスッポ抜けてしまい、シモンに当たりそうになっていた。


「なんなん急に~。危ないやろ~」

「危なかったのは俺……じゃない! 勇者パーティーが迷宮街に現れた!!」

「なんやてっ!?」


 緊急事態だ。プックも理解したら、リビングにてパーティ会議を行う。


「王様からはしばらく屋敷から出るなと言われているけど、俺はいまから城に行こうと思う」

「ああ~……戦うかどうかの相談かいな」

「そうだ。皆はどうする?」

「ウチはついて行くどす! 目は必要どすからね!!」


 ユーチェは間髪入れずに立候補。プックは少し悩んでから答える。


「あーしはやめとくわ」

「なんでどすのん!?」


 でも、辞退だったからユーチェはいきり立った。


「身軽な2人じゃないと戦えへんやろ。お荷物は大人しくお留守番しとくわ~」

「あっ……」


 勇者パーティと戦った時には移動でも足を引っ張っていたのだから、プックは迷惑を掛けたくなかったみたいだ。


「うん。自分から言ってくれてありがとう。でも、俺たちが戦えるのはプックがいるからだからな。それは忘れない」

「ええってええって。忘れたらぶん殴るさかいにな」

「そこは感動するところでは?」

「「アハハハハハ」」


 笑いが起これば、緊張は緩和。しかしすぐに真面目な顔に変わる。


「んじゃ、俺たちは城に急ぐ。留守は頼んだ」

「おう。またフルボッコにしてやりなはれ~」


 こうしてプーシーユーは1人足りないが、心をひとつにして分かれたのであった。


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