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エンブリス地方

獣人彼女を溺愛する人間彼氏の日常

 アクトアカデミー・メリーベルキャンバス。この学校には、ちょっと話題になっている名物カップルがいた。

 普通科クラスに通うアドバンスト課程の二年に、その二人は通っている。


 季節はそろそろ秋が終わり、寒さが身に染みてくる十一月。

 お昼時になって、少しだけ暖かさを感じる時間帯。普通科クラスの生徒たちは、自由に昼休憩を楽しんでいた。


 その中の一人、ユートは昼休みになると、自然と彼女の隣に座るようになっていた。

 彼女はエルナ。オオワシ族の少女で、年は人間のユートと同じ、十七歳だ。


「エルナ、好きだよ」

「っ――!」


 昼休みになり、エルナの隣に座ったユートがまず最初にすることは、彼女に好きだという気持ちを伝えることから始まる。

 付き合い始めてからずっと、学校で昼休憩を一緒に取れる時は必ず伝えているのだが、エルナはいまだに慣れないらしい。

 もう三か月になるというのに、彼女はいつも顔を赤く染める。そこがすごく可愛い。


 エルナは、女性の平均身長を二十センチ以上を超す、高身の持ち主だ。

 男性平均の身長であるユートも軽く越しており、無口で、表情もあまり変えない。一般的には、近寄りがたいと思われてしまうタイプだ。

 でも、ユートはそんなことを一度も考えたことがなかった。


 ユートとエルナと付き合い始めたのは、二人が同じクラスになって半年ほど経った頃。

 今年の夏休みに入る前、ユートから告白したことで始まった。


 彼女を好きになったきっかけを聞かれると、ユートはいつも困ったように笑う。それは、照れ隠しなどではなく、本当に何となく好きになったので、理由という理由がなかったからだ。

 これを言うとエルナを悲しませてしまいそうで、ユートはいつも困ってしまう。


 しかし、好きな気持ちは本当だ。彼女の隣に立っているのは、絶対に自分でないと嫌だった。

 彼女が自分以外の男と付き合うかもしれない。なんて考えた日には、自分がおかしくなってしまうんじゃないかと恐怖したほどだ。


 だから、ユートは告白した。

 告白した時の言葉は何の捻りもない、ありふれた言葉だった。


「貴女のことが好きです。俺と付き合ってください」


 これを聞いたエルナは、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして、一分ぐらいそのままだった。ようやく現実へ帰ってきた彼女は、なんで私? と言いたげに困惑していた。

 ユートとしては、むしろなぜ彼女は自分がモテないと思っているかが分からず、とにかく好きだ好きだと言いまくり、彼女から見事オッケーをもらった。あの時は強引すぎたと、今は反省している。

 後悔はしていない。


「今日のお弁当も、エルナの手作り?」


 ユートがエルナの弁当箱を覗き込むと、エルナは小さく頷いた。夏休みに入る前までは購買でお昼を済ませていた彼女は、夏休みが明けてからは弁当を持参するようになった。

 それも、朝早く起きて自作しているという。見た目もきれいだし、味もおいしい。何がきっかけとなったのかは聞いていないが、彼女が栄養バランスの良い食事を採ってくれるのは、やはり彼氏として嬉しい。


「卵焼きだ。……あ、いや! なんでもないよ」


 卵焼きに目がないユートは、つい呟いてしまった。

 今のは欲しがってるように聞こえたよなと、ユートは慌てて誤魔化す。


「ん」


 エルナが箸を止め、そっと弁当箱を差し出してくれる。

 この距離なんだから聞こえないわけないよなと、ユートは申し訳なく思った。


「エルナが頑張って作ったんだから、エルナが食べて」

「……ん」


 特にエルナの表情は変わっていない。だが、一向に箸が動かないところから、ユートは彼女の気持ちを汲み取った。


「じゃあ、思いっきり甘えてもいい? あーんって言って、食べさせてくれる?」

「えっ」


 これなら、恥ずかしがって彼女も引っ込むだろう。明らかに動揺しているし、このままこの話は流れる。ユートはそう思って、自分の弁当箱の方に顔を向けた。


「あ……」

「うん?」

「あーん」


 声に釣られてエルナの方を見ると、顔を真っ赤にした彼女が、卵焼きを挟んだ箸をユートの口元へ運んできている。


 これは可愛い。可愛すぎる。


 ユートは一も二もなく、差し出された卵焼きを頬張った。


「美味しい」

「よかった……」


 さっきまで照れていたのに、今は味のことで安堵しているエルナが可愛くて、ユートはつい口を滑らせた。


「エルナの箸で食べちゃった。間接キスしちゃったね」

「へぇっ――!?」


 ボンッと音を立てて煙が出たんじゃないかと思わせるほどの勢いで、エルナの顔が真っ赤になる。


「これぐらいで恥ずかしがってたら、もっと先には――」

「ユート! ユート! 恥ずかしい! ダメ!」


 首を痛めるんじゃないかという速度で左右に振って否定するので、ユートは困った顔をしながらに押し黙った。


 口づけは一度だけ、ほんのちょっと触れる程度のものをしたことがある。

 本音を言うなら、ユートはもっと、エルナといっぱいしたいと思っている。なんなら、ディープな感じのものまでしたい。

 しかし、今の彼女を見ればわかるように、間接キス一つでこの慌てよう。ユートの願いが叶うのは、まだまだ先になりそうだ。


「すごいな、あれ……」

「ああ、うちのクラスじゃ夏休み明けから毎日だよ。最初はびっくりしたけど、今はもう日常の一部かな」


 友達と話すために別のクラスから来ていた男子が、こちらを見てポカンとしていた。


 ♢


「エルナ、好きだよ」

「うぅっ……」


 次の日の昼休憩。

 昨日は少し性急だったとユートは反省しながら、それはそれとして今日も気持ちを伝える。


 エルナは変わらず照れている。だが、嫌がってはいない。ユートはそれを分かっているので、毎日想いを伝える。

 彼女は無口だが、嫌なことは嫌ときっぱり言える子だ。言ってこないということは、一生懸命慣れようとしてくれている証。

 ユートはそのことを考えるだけで、ますます彼女のことを好きになっていく。エルナはすごく魔性な女性だと、ユートは本気で思っていた。


 食事を終えた後は、大体二人とも自分のスマホを見ている。会話も特にないが、そばにいてまったり過ごす時間がユートは好きだ。エルナもきっと、好きでいてくれているだろう。

 用事があったり、あるいは気分が乗らない時。彼女はそっと離れていく。その時は、ユートも無理に後は追わない。


 今日のエルナは離れていくことなく、ユートの隣に座っている。ただ、彼女はスマホを弄っておらず、なんというか、心ここにあらずといった感じだ。


「エルナ」

「…………」

「ねえ、エルナ。その肩に生えてる羽根を触ってみたいんだけど、いいかな?」

「うん。……うん? 羽根に触る。触る?」


 ぼんやりとしていたエルナが、今自分が何を許可したのか分からず、自問自答を始めた。


 オオワシ族の亜人の特徴と言えば、右か左の肩に羽根が生えていることだ。

 エルナの羽根は左肩から生えていて、黒い色をしている。ユートはずっと、これに触ってみたかった。


「触ってみて、いい?」

「え……あ……うぅ」


 エルナはしどろもどろになりながら、あいまいな態度を続ける。恐らく、触られることへの拒絶と、自分で許可を出してしまったことへの責任で、揺れているのだろう。


 いくら彼氏とはいえ、彼女の体に触るという行為は時期尚早だったと、ユーリは首を横に振った。


「ごめん、性急だったね。もし、エルナの心の準備が出来たら、その時にお願いしてもいいかな」

「そ、の……学校じゃ、なかったら……」

「うん? ここじゃなかったらいいの? じゃあ、今日は僕の家に来る?」

「へぇぇ!?」

「それとも、エルナのおうちに行った方が良い?」

「へぁぁ!?」


 オオワシなのに口をパクパクさせているエルナが可愛くて、ユートはついつい意地悪してしまった。


「冗談ではないけど、エルナが嫌なら無理は――」

「ここで、いいよ……」

「えっ」

「さ、触って? 硬いだけ、だけど」

「うっ――。ちょ……っと待って」


 ユートは思いっきり体を前に折り曲げる。ガンっと机に体をぶつけるが、今はそんなことを気にしている場合ではない。むしろ、痛みのおかげでとんでもないことになるのを回避できた。痛みとは偉大だ。


 まさか、エルナに意趣返しをされる日が来るとは。ユートは先ほどエルナが口にした、触っての言葉を思い出し、もう一度体を机に打ち付けた。


「大丈夫?」

「今の僕に必要なのは痛みだから、気にしないで」

「???」

「え……っと、触れていい?」

「どうぞ」


 ユートの奇行で完全に緊張が消えたエルナは、真顔で許可を出してくれた。ユートが触りやすいよう、左肩をこちらに向けて近づけてくれる。


 急いで煩悩を全て追い出したユートはゆっくり、痛みを与えないよう、エルナの黒い羽根にそっと触れてみた。


「あ……本当だ。芯の部分じゃなくても、結構硬さがあるね。この……羽根のふわふわした部分っていうのかな?」

「そこは羽弁(うべん)って言うの。芯って言ってる部分は、羽軸(うじく)。今ユートが触ってるのは、風切羽(かざきりばね)。フクロウ族のは柔らかいし、下尾筒(かびとう)っていう、羽毛みたいな小さくてふわふわした羽根も生えてるんだけど、私はオオワシだから……」

「俺はエルナのが触りたいだけ……あ、根元が白い。へええ、全部黒いわけじゃないんだ」


 エルナが少しだけ肩をすくめた。これは照れている仕草だと、ユートには分かった。


「感覚とか、あったりする?」

「根元は、ちょっとだけ。先っちょは、何にも」

「先っちょ……」


 今日のエルナはヤバイ。ユートはそう思った。


「今度、エルナに言葉遣いをレクチャーしないと……」

「ユートは煩悩が爆発しすぎてる。自重させないと……」


 クラスメイトたちは、謎の使命感に燃えていた。


 ♢


 エルナから無自覚かつ、破壊力抜群の意趣返しをされた日の放課後。

 ユートが自分の机の中に、何か入っているのを見つけた。それは、黒くて根元が白い風切羽だった。


「これ、エルナの?」


 帰り支度をしている彼女に問う。エルナはこくんと頷いた。

 これを聞いた亜人のクラスメイトたちは、ざわついた。


「羽根を渡したって!」

「エルナ、思い切ったじゃん!」


 夏休みが明けてから三か月。

 最初こそ、クラスメイトたちはこぞって二人の話を聞きたがった。


 そして、何を聞いてもユートはエルナが可愛いことを語り、話を振ったクラスメイトたちは早々にギブアップしていった。

 横で聞かされているエルナも、巻き添えを食らっていた。


 昼休憩になると愛を囁くところから始まるラブラブカップルは、二週間もすれば日常の一部へと溶け込んでいき、今ではクラスメイトの中に二人の関係で反応する者はいない。


 ……だったのだが、今回ばかりは流石にことが大きかったため、亜人たちの中ではどよめきが起こったのだ。


 当事者であるユートは、彼らが何故そんな風に反応したのか、分からないでいた。

 しかし、ユートにとってクラスメイトの反応はどうでもいい。

 彼にとって一番重要なのは、彼女が自分に羽根をくれたということ。ユートはそれはもう、有頂天だった。

 羽根を渡す意味は知らなくても、彼女の体の一部だったものを渡してくれるというのは、愛の告白と言って相違ないだろう。ユートは勝手にそう解釈した。


「あの、ユート。私、貴方のことが――」

「すごく嬉しいよ! ありがとう! そうだ。今度一緒に、加工屋さんに行ってくれるかな? どんなアクセサリーにするのが似合うか、一緒に考えてほしいんだ」


 その言葉を聞いた瞬間、エルナの顔が真っ赤になった。


「ア、アク、アクセ、サリー……?」

「うん。俺にはどんなのが似合うと思う? あ、ちゃんとこの羽根が活かされるものの方がいいな。ネックレスは……違うな。指輪は難しいかな」


 ユートが話を進めていると、彼女は一歩、二歩と後ずさり――そして、ふらりと倒れた。


「エルナ? ――エルナ!」


 間一髪、床に倒れこむ前に抱きかかえられたものの、完全に意識を失ってしまったエルナを見て、ユートは今まで生きてきた人生の中で一番の動揺を見せていた。


「婚約してる……」

「婚約だ……」

「婚約まで進んじゃった……」


 クラスの亜人たち全員が、一斉にそう呟いたのだった。


 ♢


 エルナが倒れてしまうという、ユートにとって心臓が飛び出るほどに恐ろしい経験をした日から三日後。

 今日は学校が休みなので、二人は公園でちょっとしたデートをしていた。

 あの後、エルナがすぐに意識を取り戻したことでユートは事なきを得た。もしも、エルナが目を覚まさなかったら……その先は恐ろしすぎて、考えられない。


 話を聞けば、まさか加工屋にまで持っていかれるとは思わなかったらしく、驚きすぎて意識が飛んでしまったらしい。

 ユートとしては、エルナから貰った大切な羽根をアクセサリーにして身に着けない、という選択肢がなかったので、驚かれたことに驚いていた。


「だ、だって……! 恋人としてプレゼントしたつもりだったのに、こ、こここ、婚約になる、なんて……!」

「うーん、そこについてはごめんね? 俺がオオワシ族の習わしに疎かったばかりに……。でも、俺はエルナとの結婚、いいなあって思ってるよ?」

「~~~~っ!」


 オオワシ族というよりは、鳥族全般の話になるが、自分の体から抜けた羽根を渡すというのは、人間で言うところの、バレンタインの本命チョコを渡すようなものらしい。


 エルナは、ユートから告白してもらったということを、ずっと気にしていたそうだ。

 なので、換羽期(かんうき)に入って羽根が抜けたら、それをユートに渡し、改めて自分の思いを伝えようとしていた。

 ただ、換羽期に入ると少し体が重くなるような感覚を覚える亜人もいるという。エルナはそのタイプなため、あの日はぼんやりしていたようだ。


 ユートに触られた後、スルッと風切羽が抜けてからは、調子が戻っていた。

 しかし、いざこれを手渡すのだと思うと勇気が出ず、彼の机の中にそっと忍ばせておくのが精いっぱいだった。

 気づかれなくてもいい。気づかれても、きっと自分のだとは分からないだろう……なんて思っていたら、一瞬でばれたのだから、エルナの心臓は限界寸前だった。


 そこへ、加工屋へ持っていこうと言われたため、完全に許容範囲を超えたエルナは意識を吹っ飛ばしてしまった、ということだった。


「恋人からもらったものを、アクセサリーにして身に着ける。これが婚約の約束になるなんて、素敵な習わしだね」

「もう、恥ずかしいよ……! 分かって言ってるでしょ」

「あはは、バレちゃったか。エルナはいつも可愛い反応をしてくれるから、つい」

「うぅーっ! でも、本当にいいの? アクセサリーにしちゃって……。人間としては、特に深い意味はないんだよね?」

「確かに、人間にはオオワシ族のような習わしはない。だけど、相手の習わしを尊重したり、それに合わせたりっていうのは、人間が得意とする分野だよ。郷に入っては郷に従えってね」

「嫌だったり、しない?」

「まさか! 俺は嬉しすぎて、飛び上がりそうだったよ。むしろ、人間にはそうやって渡せるものがないってのが、残念過ぎて……」


 人間の体で渡せるものと言えば、髪の毛ぐらいだろうか。とはいえ、髪の毛をもらっても嬉しくないよなと、ユートは諦めた。


「無理に、ユートの体から渡せるものをとは、考えなくていいよ。代わりに、その……」


 エルナはちらちらと、ユートの左耳を見る。そこにはエルナからもらった風切羽を加工して作られた、イヤリングがついている。


 分かりやすくて可愛いなあ。

 ユートはニコニコしながら、エルナに提案した。


「じゃあ、またデートしようよ。今度は、エルナに似合うイヤリングを一緒に買いに行こう?」

「うぁっ……う、ん。デート、する」


 恥ずかしがりすぎて上擦った声が出てしまい、さらに恥ずかしがるエルナ。

 本当に、彼女はどこまでユートを悩殺すれば気が済むのだろう。ユートは思考を若干飛ばしながら、どうにか理性を保っていた。


「あ、一つだけお願いがあるなあ」

「お願い?」

「俺、すごいわがままを言うなら、やっぱりエルナから手渡しされたかったなあって」

「うっ……」


 エルナが気にしていることに付け込むのは少し気が引けるが、それでもユートにはしたいことがあった。


「だから、代わりに俺のお願い、聞いてくれる?」

「私、今度こそ頑張る」


 あの時出来なかったことを今度こそ。そう意気込む彼女に、ユートは言った。


「キス、したいなって」

「???」

「してもいい?」

「え、ぇ……ぇ?」


 混乱している隙に、ユートはそっとエルナと唇を重ねた。

 今回も軽く触れあうだけものだったが、ユートは十分満足だった。


「な、な、なっ――! か、勝手にしちゃ、ダメ!」

「あははっ。ごめんごめ――」


 お返しだと言わんばかりに、エルナからもう一度、触れるだけの口づけが落とされた。


「……不意打ちは、卑怯だなあ。ちょーっとだけ、待ってね」


 ユートが、ぐーっと体を前かがみにする。エルナはこれがいつも不思議で仕方がないのだが、まだそのことを聞くまでの余裕が、彼女にはない。

 ただ、彼がそうする度に何かが起こる気がして、エルナのすごく恥ずかしい気持ちになる。


「いつも、私がされてることだもん。お返しぐらい、私だってするんだから」


 これはしてやられたと、ユートは必死に心頭滅却の心でこらえる。

 どうにか、とんでもない事態を回避したユートは、改めてエルナの方を見た。


「今度のデートでエルナのアクセサリーを買ったら、そのままエルナの家に行ってもいい?」

「えぇ!? 多分、親がいるよ?」

「エルナのご両親がいるからこそ、かな。俺は人間だから、きちんと人間のやり方もして、ちゃんと君を迎えに行きたい。……君のご両親に、挨拶させてくれないかな」

「それが、人間の婚約の仕方?」

「それだけってわけじゃないけど……うん。人間が婚約する時に、大事にしていることの一つだよ」


 ユートと一緒にいることで、いつの間にか無口だった彼女の口数は人並みに増えていた。もっとも、そのほとんどがユートに抗議したり、恥ずかしがったりと忙しそうだ。

 それでも、彼女はとても幸せそうにユートの隣で、少しだけ口数を増やして笑っている。



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