なんでなん、めっちゃ弱いやん
主人公の鑑定結果の再掲です。
【職業】勇者(関西人)
【スキル】水魔法、土魔法、聖魔法、回復魔法、無属性魔法、魔法操作、弓術、毒無効、神託、なんでやねん!
勇者(関西人)ってなんやねん。あのボケ女神の仕業か。
「関西人というのは異世界の『ニッポン』という国の関西地方の方々のことですか?」
「そうやけど、なんで知ってるん?」
「過去の勇者様の文献に関西について書いてあったのを読んだことがありますの。」
ボケ女神が言ってた張り切って同じことをする人らのことか。
「文献によると関西では「たこ焼き」と言う食べ物がよく嗜まれていると書いてありましたわ。」
「関西人の大抵はたこ焼き作れるで。内緒のケンミンviewでも検証されとったで。」
「もしかして、作れるのですか?」
「勿論やで、材料さえあったらいつでも作ったるわ。」
「嬉しいですわ。」
「私も作れるわよ。」
急に綾が口を開いた。
「そうなのですか?」
「私も関西産まれ関西育ちだからね。」
「もしかして皆様、関西人なのですか?」
「いいや、私は関東産まれなんだ。」
「生徒会長って関東産まれなんや、なんで関西来たん?」
「家庭の事情でね。だから僕はたこ焼きは作れないよ。」
料理スキル持ってるぐらいやから生徒会長の料理相当うまいで。知らんけど。
「そうなのですね。たこ焼き楽しみですわ。」
「私に任せなさい。」
「お願い致しますわ。」
「やめとき。」
綾の作る料理は全部激物になるのにお姫様に食べさせられるわけないやん。
「どうしてよ。あんたいつも食べてるじゃない。」
それは無理やりやんか。『お残し許しまへんで』って感じで食べさせてくるやん。
「私も食べたいですわ。」
お姫様あかんであの世行きの階段がエスカレーターになるどころか、あのチョコの映画みたいな魔改造されたジェット噴射付きのエレベーター乗ってるようなもんやで、ウンピルンピが踊り出してまうで。どないしたらお姫様に綾の料理を食べさせへんで済むんや。
「綾の料理は俺だけのもんやから食べたらあかんで。」
「そ、そそ、そういうことだったら仕方無いわね。」
顔がちょっと赤いんは怒ってるからなんか。怖いからあんま考えんとこ。
「そうでしたわ。スキルの確認がまだでしたわ。」
そうやった。スキルをちゃんと見てなかったわ。相変わらず、なんでやねん!はあるな。魔法スキル5つあるんはすごいんとちゃうかこれ。
「聖魔法と無属性魔法ですか…他は水魔法と土魔法と回復魔法…体術と棍術と弓術は良いですね。神託スキルは教会では重宝されますけど何の役にも立ちませんわね。あとは謎のスキルと毒無効ですわね。」
ちょっとイマイチ感半端ないんやけど。
「水魔法と土魔法は強いんとちゃうの?」
「いいえ水魔法と土魔法は戦闘には不向きですわ。」
「水を薄くして高速で相手にぶつけて切り裂いたり、岩を相手に高速でぶつけたりできるんじゃないん?」
「魔法とは無から何かを作り出せるものです。なので、水魔法は水を土魔法は石や岩などを作るだけですわ。なので、水魔法は農業に土魔法は建築業に向いていますわね。」
あかん、めっちゃ雲息が怪しい。
「ちなみに火魔法は火や爆発を生み出せ、同じように風魔法は風を氷魔法は氷や凍結を雷魔法は雷を生み出せますわ。これらは攻撃向きですわね。土魔法は防御をするのは向いていますけど、攻撃面では岩を落とすことしかできませんわ。水魔法は防御も攻撃もできませんわ。」
水魔法が不遇すぎる。
「ですが、他の魔法と組み合わせることで水魔法と土魔法も攻撃手段になり得ますわ。例えば、土魔法と風魔法を組み合わせることで『ロックバレット』という技を繰り出せますわ。」
「水魔法と土魔法を組み合わせて何が作れるんやろか?」
「ぷっ、泥団子。」
綾が笑いながら答えた。それを聞いたさっきまで全く喋らなかった騎士さんも僧侶さんも吹き出してしまった。
「失礼ですわよ。」
「申し訳ございません。つい。しかし、魔法スキルは攻撃面では何とも言い難いですね。」
確かに、聖魔法とか回復魔法は攻撃できるイメージが何もない。それと、無属性魔法って何なんや。
「ですです。ですが、後方支援は完璧なのです。神託スキルも持っているので教会で引っ張りだこなのです。」
僧侶も口を開いた。
「そうですわね。弓術スキルもありますし、他の勇者の後方支援ですわね。」
そういえば、クソ女神がサポートお願いねって言ってたな。
「無属性魔法って一体何なん?」
「無属性魔法は使える方が極端に少なく、使い方が身体強化や別次元にアイテムを収納するぐらいしか分かっていませんの。因みに聖魔法は浄化してくれる魔法ですわ。それと、聖魔法はアンデット系の魔物には弱点ですわね。回復魔法は文字通り回復ですわ。」
めっちゃ後方支援充実しすぎやろ。ボケ女神が言って通りガチでサポート役って感じやな。強いスキルくれるって言ってたけど、後方支援系めっちゃ強いやん。あの女神ちゃんと仕事してるやん。やるやん。
でも一個だけ言いたいことある。
「単体で弓なかったとき、攻撃手段ないやん。あかんやん。すぐ死ぬやん。」
バチくそ弱いんやん。1人で敵と対峙したら瞬殺やん。
「泥団子があるじゃない。」
綾が言ってきた。
「そうですわよ。泥団子がありますわ。」
「ですです。」
「そうですね。」
お姫様も騎士さんも僧侶さんも一応フォロー?を入れてくれとる。
「泥団子勇者。」
ボソッと、生徒会長が言う。
「泥団子勇者って何よwww不名誉すぎないwww」
綾が大笑いしている。僧侶さんも騎士さんもめっちゃ笑ってる…笑ってへんのお姫様だけやん……ちゃう、めっちゃ堪えてる。めっちゃ笑うん我慢してる。顔がすっごい歪んどる。
「こほん、えっと、今からこの国の王。私の父に会って頂きたいのですが、今は公務が忙しいので先に夜ご飯に致しましょう。この城のシェフが腕によりをかけて作るので期待していて下さいませ。」
「初めての異世界飯だ!やった。何が出てくるんだろう。」
めっちゃ生徒会長嬉しそう。確かに異世界のご飯何が出てくるんやろう。楽しみや。
「どうぞこちらへ。」
俺らはお姫様に連れられて食事の会場へワクワクしながら向かう。
一度千文字ぐらい入力してから、「あっそうだ!一時保存しなきゃ!」って一時保存のボタン押すんですけどその時に限って家のWi-Fiの電波がゴミって繋がらなくて書いたものが全部消えてしまうのを、
『なんと3回も繰り返しました。』
学ばない馬鹿がここにいます。
誤字やおかしな箇所があれば教えて下さい。