勇者(関西人)
「いらっしゃいませ。勇者様。」
いかにも姫って感じの服着ている女の子が挨拶してきた。横には僧侶服の女の子と騎士の格好した女の子がいる。
そうか、そうやったんや。夢やったんやボケがくどい女神なんて妄想やったんや。異世界に『召喚』やなくて異世界系コンカフェに『ご案内』やったんや。コンカフェ初めてやから緊張するなぁ。
ふと横を見ると綾がいた。
「うわぁ、なんで彩がおるんや。」
「女神様に聞いてない?」
「ボケ女神おったわ、妄想やなかったわ。」
「女神様に対してボケは失礼でしょ。」
「あの女神くっそボケてこんかった?」
「ボケ?そんなことなかったわよ。可愛かったし。最初は異世界って言われてびっくりしたけど、女神様のお願いだし、すぐに行くって返事してここに送られて来たわよ。」
『女神様がおっしゃるのであれば』は綾やったんか……ってことは喜んでたのは生徒会長!?めっちゃ意外や。ってっきり綾が喜んでるもんやと思ってたわ。
生徒会長は……興味津々に建物見とる……
「わたくしはハット王国の第一王女であるアン・ハットですわ。いきなりですが、今から鑑定させて頂きます。」
そう言うと僧侶さんがおっきな水晶を持って来た。
「うわぁ、大きな水晶だ。」
そう言うと、生徒会長が今度は水晶を興味津々に見始めた。
「ここに手をかざして下さい。そうすればスキルや職業が表示されます。」
「ここに手をかざすだけでいいの!?すごい。」
生徒会長が手をかざす。
【職業】勇者
【スキル】氷魔法、風魔法、雷魔法、魔力操作、刀術、長剣術、槍術、体術、並列思考、擬装、料理
「すごいですわ、魔法スキルが3つ!?。しかも刀術、長剣術、槍術、体術のスキルもありますわ。魔法剣士が良さそうですわね。」
お姫様めっちゃ驚いてる。これが女神が言ってた強いスキルってことか。ん?偽装?誰も触れへんの?
「魔法剣士だって!?すっごくカッコ良さそう!」
生徒会長めっちゃ嬉しそうや。
次は綾が水晶に手を置いた。
【職業】勇者
【スキル】火魔法、魔力操作、体術、盾術、格闘術、毒生成、超回復
毒生成って料理下手なん絶対反映されてるやろこれ。
「これまたすごいですわ。火属性魔法に盾術、格闘術、体術スキルもありますわ。しかも超回復スキルがありますので、筋肉僧侶が良いかもですわね。」
「頑張ります!」
なんかすっごい納得。確かに筋肉僧侶。お姫様、的確でございます。でも、綾はどちらかと言うと、
「ゴリラ僧侶」
やばい口に出てもうた。
「なんか言った?」
腕を回し始める。ちゃんと聞こえてなかったみたいや。
「いいえ、なんでもございません。」
「よろしいですか?」
お姫様が聞いてきたので俺も水晶に手を乗せる。
割と、何が出るか綾と生徒会長の鑑定結果を見ていて楽しみになっている俺がおる。
【職業】勇者
【スキル】なんでやねん!
「いや、なんでやねん!」
そう言った途端急に体が光り出した。
「えっ、何これ。さっきは体薄くなって異世界転移させられたけど、次は光り出した?」
お姫様もえっ、えっ、ってなっとる。
少し経つと光が止んだ。
「なんも起こらんのかい。」
「いいえ、これは職業の進化ですわ。」
「進化…?」
「ええ、普通、職業は上位の職業に進化し最上位職になるまで進化し続けるのですわ。例えば、魔法使いの最上位職が賢者です。勇者になることもあるそうなのですが。」
「へぇ、普通のことなんや。」
「それが、違いますの。戦闘系職の最上位職は今まで勇者とされてきたのです。」
やからお姫様はビックリしてえっえっってなっとんたんか。
「ってことはめっちゃ凄そうな感じするんやけど。」
「一応、そうなりますわね。もう一度水晶に手を乗せて頂けますか?」
【職業】勇者(関西人)
【スキル】水魔法、土魔法、聖魔法、回復魔法、無属性魔法、魔法操作、弓術、毒無効、神託、なんでやねん!
勇者(関西人)??????
次はこの世界の魔法について触れたいと思います。