表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/33

第二十五話 文化祭準備⑤

第二十四話 文化祭準備④にミスがありましたので、修正しました。

【文化祭ウィークまで残り2日】ではなく、【文化祭ウィークまで残り3日】の間違いです。

冬真は土日、中宮と河上のグループAOM(メールアプリ)でやり取りをしながら、文芸部の文化祭準備を進めた。冬真と中宮で作っている短編は完成し、そのタイミングで河上から何枚か表紙の案が送られてきた。


(いや、絵のタッチが上手すぎる...どれにしようか...とりあえず、返信しないとな。)


綾人:ありがとう!


(って...この絵、デジタル!?)


綾人:これってデジタル?


河上:小説の表紙絵はアナログだと

   粗くなっちゃうと思って(^^;)


(そこまで考えてくれてるとは...)


「ありがとうございます!!」


冬真はスマホに向かって頭を何度も下げた。すると、今度は三奈方先輩からAOMの通知がきた。


真雪:美夏ちゃんと共同で短編つくってるって、ま?


(一応、三奈方先輩には確認したんだけどなぁ...)


綾人:マジですよ。


真雪:僕、なんかハブられた感じじゃん!


綾人:先輩は部長として、文芸部の代表作的な感じですよ


真雪:あーね


「え、ちょろ。」


思わず、冬真は口に出してしまった。しかし、しっかりと話を聞いていなかった三奈方先輩が悪い。冬真は中宮と個人AOMでやり取りしながら、河上が描いてくれた表紙を選んだ。




「前はごめんね〜!今日から1週間、文化祭ウィークなので、精一杯頑張りましょう!!」


水瀬先生は前回、風邪で休んでいたそうでマスクをしている。風邪をうつしちゃうから〜とか言って、教室を出ていった。


(いや、絶対手伝いたくないだけだろ...)


そう冬真が思っていると、学級委員長の赤坂大翔が黒板の前に立った。


「えーと、前回で役割とか決めたし、お化け屋敷の構図っていうのかな?決めたいんだけど...」


「迷路みたいにしようぜ!」

「ゴール付近を怖くしたいよねー!」

「それなー!」


赤坂は上手くクラスみんなの意見が飛び交う中、黒板に色々と書いていく。赤坂がいなければこのクラスは終わりだと冬真は心の中で思った。




冬真は小沢と一緒にダンボールを取りに行くことになった。普通なら、力ある男子が取りに行くべきだと思うが、なぜ、小沢が選ばれたのかわからない。ダンボールを取りに行く最中、他のクラスでは協力しながら楽しそうに取り組んでいた。


(あ〜...無言気まずい...)


「冬真君ってどうやってみーちゃんと出会ったの?」


先に無言の空気を破ったのは、小沢だった。


「えーと、文芸部だよ。」


「そうなんだ。」


「小沢さんは美夏ちゃんとどういう仲なの?」


トランプゲームを始める前、中宮のことについて聞いてきた。心配そうにしていたから、相当仲深いのだろう。


「中学からの仲だよ。みーちゃん、剣道やっててね。」


「あー、県1位ってすごいよね。」


「え?知ってるの!?」


手を口の前に持ってきて驚く。


「ま、まぁーね...」


(流石にあの時の状況は言えないけど...)


「みーちゃん、あまり自分のことについて言わないんだけどなぁ〜」


腕を組みながら考え込む。そんなことを話しているうちに、ダンボールが保管されている部屋まで着いていた。扉を開けようとするも、錆びているのか、立て付けが悪いのか扉が開きにくい。


「かった...この扉...」


なんとか冬真は扉を開けて、小沢と一緒に部屋に入る。中は非常に暗く、電気も付いていない。学校の物置として利用されているのが一目でわかり、ダンボールは部屋の奥に山積みにされていた。


「え?なんか暗くない?」


「暗すぎるな...」


冬真と小沢は扉から差し込む光を頼りにして、部屋の奥に行く。


「冬真君、反対側持ってくれる?」


「うん。」


一つ一つ丁寧にダンボールを上から下ろしていくことを繰り返していると、扉の方から"ガタガタギー"と嫌な音が聞こえてくる。冬真たちがいる所では死角で見えないため、何が起こっているのかがわからないが、少しずつ部屋が暗くなっていくのがわかる。


「な、なんの音?て、てかなんか暗く...」


(ま、まさか...!)


小沢が何かを言い終える前に冬真は扉の方へ向かう。


「ちょっt...」


《ガチャ》


扉を閉められたことがわかった。中からは扉の取手がないため、開けることすら不可能。部屋の中は真っ暗になったが、棚の方から少し光が漏れているため、おそらく棚の奥は窓だと冬真は気づく。


(なんで、窓のところに棚置くんだよ...)


その微かな光を頼りに小沢の方へ戻ろうとした時、


「と、冬真君...いる?」


とても弱々しい声で尋ねる。


「俺はいるぞ。大丈夫か?」


小沢の近くに行くと、なぜか座り込んでいた。


「体調でも悪いのか?」


同じように小沢の近くにしゃがみ込むと、小沢は冬真に抱きつく。


「ちょっ!?」


「ごめん...暗いの...本当に苦手で...」


(なんかよくあるラブコメ定番のヤツに遭遇しちゃったんだけど!!こっから良い雰囲気になって......しちゃったりとかするヤツじゃん!!)


「だ、大丈夫だって!ほら!棚の前は少し明るいし...」


小沢はゆっくりと顔を上げて辺りを見回すが、再度冬真に抱きつく。


「暗い...じゃん...ばか...」


「そ、そうか...多分、ダンボール取りに来る人まだいると思うし、待ってよう...」


小さな声で小沢は返事した。暗い部屋で男女2人がくっつき合うこの状況は普通の男子高校生は嬉しいことだが、冬真にとって、一刻も早く部屋から出たいの方が強かった。


《ガタッ》


突然、部屋の中から物音がする。


「キャッ!」


小沢は驚いて、手を冬真の背中に回して強く抱きしめる。


(ちょっ!!む、胸が当たってる!!)


「大丈夫だから!!」


すると、扉の方から話し声が聞こえる。聞き覚えのある音ともに、部屋が徐々に明るくなっていく。


「やよいちゃーん?冬真くーん?」


同じクラスの女子2人が部屋の中に入ってくる。


(こんなところ見られたら、まずい!!)


冬真は必死に小沢から離れようとするも、一向に離れない。影が少しずつ近づいてくる。


「え?」

「ま?」


入ってきた女子2人に見られてしまった。

最後までお読み頂きありがとうございます!!

《お願い》

是非、下にある星の評価ポイント【☆☆☆☆☆】•ブックマーク登録、よろしくお願いします!

励みになります!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ