海月
―『入学おめでとうございます!!』
校長先生の話が始まる。長〜い話をしてから挨拶をして舞台から降りていく。お母さんたちが拍手をしているから、私も拍手をした。
私の名前は、田山春菜。今日から小学一年生になるんだ。
でも、入学式っておもんない。校長先生っていう人の話を聞いて、お歌を歌うだけ。その歌は、なんだか難しくて、わかんない。『こーか』っていうんだって。こーかって変な名前。そのお歌、幼稚園で先生と歌った歌とぜんぜん違う。うさぎさんも、お花も出てこない。何だか暗〜いお歌だから私は、何だか嫌いだなぁって思った。
―また先生の話が始まったから、もううんざり。誰かとお話したいなぁ。
でも、私は隣町から引っ越してきたから友達がいない。喋る子もいなくて、つまんない。仕方がないから、隣に座ってるこにでも話しかけようかなぁ・・・。その子がこっちを見たから、私は、ニッコリ笑っていった。
「ねぇねぇ、お名前、何ていうの。」
隣の子は、ニコッと笑って、私の手を握った。
「私の名前ねぇ、春嘉っていうよ。松崎春嘉。あなたのお名前はなぁに?。」
「わぁ。私の名前、田山春菜だよ。春嘉と春菜って、似てる〜。お話しようよぉ。」
私と春嘉は、もう一人の子も誘った。その子は加賀稚由実という、凄く可愛い子だった。肌が真っ白で、髪の毛もさらさらで、凄く綺麗だった。