ティナの決意
「明日、ミーサ離宮に向かうのでお前も準備しなさい」
週末、学園から邸に帰宅し夕食後ゆっくりと部屋で過ごしていると、宮廷から帰っていらしたお父様に呼ばれ執務室へ行くと開口一番にそう言われた。
ミーサ離宮というのは先王陛下が退位後に住まわれている離宮で王都郊外にあり、此処から馬車で行くと大体一時間半程の距離だ。
――だけど何故私がお父様と共に離宮へ行くのかしら。
現在離宮には先王陛下方だけでなく療養中の王女殿下も過ごされているはず。
これが本当の話なら、が前提だけどね。
私を離宮に連れて行く理由として考えられるのは、私を王女殿下に引き合わせようとしているのかもしれない。
いくらベリセリウス家の者だとしても、一介の令嬢が先王陛下にお会いする理由がないものね。
ちらりとお父様に目を遣るけれど、それ以上何も仰らない上にその表情からは何も読み取れない。
今迄お父様の感情を正確に読み取れたことはないので、今も何をお考えなのか分からないけれど。
お父様の言葉は決定事項なので、それに関して否を言うつもりはないから別にいいんだけれど⋯⋯。
「分かりましたわ」
私が肯定の返事をすると少し探るように見つめられる。
「理由を聞かないんだな」
「お聞きしても教えては下さいませんでしょう?」
「よく分かっているね。お前に先入観を与えるつもりはないから理由を教えるつもりはないよ」
「ですが、推測は自由ですわよね?」
「それは構わない」
――そう仰ると思ったわ。
意地悪な言い方も何時も通りだ。
慣れてるから良いけど。
「お話はそれだけでしょうか?」
「それだけだ。早い時間に朝食をとった後に出発するからそのつもりで用意しなさい」
「畏まりました」
私はそのまま部屋へと戻り侍女のリンダに明日の予定を伝えると直ぐに明日着ていく衣装を選びに衣装室へと入っていった。
普通に考えて今年成人を迎えたといえど、私が離宮へ行く理由は皆無。
あるとすれば、王女殿下絡みだというのはすぐに分かること。
だけど、殿下に関しては何も知らないのよね。
知っているのは十歳を迎える年齢で、離宮でお過ごしになっている、という事のみでそれ以外の情報は何も無い。
噂だけなら好き勝手に流れているけれど、あんな悪意ある噂なんて到底信じられるものではない。
所詮噂は噂でしかないのよ。
ベリセリウス家は王家に忠誠をつくし、裏で王族を護り支える影を束ねる一族であり、幼い頃から厳しい教育を受けるのが鉄則で、私達直系の人間もそれは例外ではない。
そして王家の方々の情報に関しては一族を束ねる長の許可を得ないと知る事が出来ず、私もまだ知りえる権利が無いのだ。
だから私も一般的な情報のみで、本当の事は何も知らない。
それも明日離宮に行けば、何故私が呼ばれたのかも分かるでしょう。
明日の事を考えているとリンダが明日の衣装を見繕って戻って来たので確認をする。
「お嬢様、明日離宮へ行かれる際の御召し物ですが、こちらで如何でしょう?」
「そうね。明日の目的が分からないし、ただ離宮ともなれば先王陛下にお会いするかもしれないから、華美ではなく落ち着いていて上品だからそれがいいわ」
「ではこちらに合わせて準備をしておきますね」
「お願いね」
リンダはとても優秀だから安心して任せられる。
明日の事は明日行ってみないと事には何も分からないので、今考えるのは止めておこう。
無駄に労力を使う必要もない。
そして翌日。
いつも邸でいただく朝食の時間よりも早く済ませ、準備を整えてホールへ行くと、既にお父様が私を待っていた。
「お待たせ致しました」
「いや。では行こうか」
お父様と共に馬車に乗り離宮へと向かう。
早い時間なので、貴族区画はまだしんと静まり返っている。
そこから商業区を過ぎ、郊外へ抜けると城下街と違い自然が多く、とても穏やかで街中の喧騒もなくとても静かだ。
「ティナ」
「はい、お父様」
ここまで一言も話さなかったお父様に呼ばれたので外に目をやっていた視線を戻す。
「離宮に着けばまず先王陛下にお目通りするのでそのつもりでいなさい」
「はい」
「決してベリセリウス家に恥じぬ行動を心掛ける様に」
「心得ております」
お父様に注意されると、少し緊張感が増す。
そうこうしていると離宮の正門にて手続きを済ませ、馬車は門内へと進む。
そこに広がるのは美しく整えられた木々がきれいに生い茂り、その光景に目を奪われる。
王宮もだけど、ここも沢山の自然に溢れていて鳥の鳴き声もよく聞こえてくる。
外の景色に目を奪われていると、着いたようで馬車が止まった。
お父様が先に降り、私に手を貸して下さる。
さて、ここからは気持ちを入れ替えていかないと、私がそう表情を改めると、お父様は満足そうに頷いた。
私達は侍従の案内で応接間へと通される。
暫く待つと先王陛下がいらっしゃったので私はお父様に倣い頭を下げる。
「よく来たな。上の娘か?」
「はい。長女のクリスティナです」
お父様に促され私は先王陛下に挨拶をする。
「先王陛下にお目にかかれますこと、恐悦至極に存じます。ベリセリウス家が長女、クリスティナと申します」
「楽にしろ」
「恐れ入ります」
先王陛下の許しを得てソファに掛ける。
初めてお会いした先王様は現国王陛下によく似て、それでいて陛下よりもとても眼差しの鋭い方だった。
今私が見定められている事を実感すると共により緊張感と重みが増した。
「エリオット、令嬢に何故呼んだのか理由を話したのか?」
「いえ、何も話しておりません。先入観なく自身で決めさせたく思います」
「そうか。其方は何故呼ばれたか見当はついているのか?」
「恐れながら、王女殿下に関する事と推測いたします」
私がそう答えると、表情は変わらず頷かれた。
「ふむ、考えれば直ぐに分かる事だからな。それで、其方はエステルに関してどこまで知っている?」
「王女殿下は現在、この離宮でお過ごしになられている、という事のみで詳細は存じ上げません」
「では、王女の事をどう思う? 噂が飛び交っているだろう?」
中々意地悪な質問だと思う。
離宮で過ごしているほか何も知らないというのに、どう思うかなんて会ってみなければ何も分からないにも関わらずの質問なのだから、きっと先王陛下は私がどのような人物なのかを探っているのでしょう。
それに噂なんて所詮噂に過ぎない。
「恐れながら、まだお目にかかれた事もございませんので何とも申せません。噂に関しては承知しておりますが、噂を鵜呑みにする事程愚かなことはありません」
「ふむ、成程な」
先王様が何をお考えなのか分からないが、素直に話して失敗した、という事ではなさそうなので少し安心する。
「エリオット」
「はい」
「学園で面白い事が起こっているようだな」
先王陛下は急に話題を変えられた。
先程までの話がなかったかのような感じだ。
「イェルハルド様のお耳にも入りましたか」
「入らない方がおかしいだろう。学園内で起こったことに手を出すつもりはないがな」
何の事かしら。
ヴィンセント殿下に何かあったのかしら。
私が口を出す事ではないのでお二人のお話を聞く事しかできない。
とそこへノック音が響いた。
「イェルハルド様、王女殿下がお見えになられました」
「通せ」
お父様がさっと立ち上がり、私も倣って立ち上がり礼をとる。
まさか王女殿下自らいらっしゃるとは思わず少し驚く。
どのような方なのか⋯⋯。
「おはようございます、お祖父様。お待たせしてしまい申し訳ありません」
「おはよう、ステラ。急に呼んだからな、気にする必要はない。今日の装いもよく似合っているな。自身でデザインしたやつか?」
「ありがとうございます。お祖父様の仰るとおり、私がデザインしたドレスのひとつですわ」
先王陛下は先程私達へと話し掛けた様な声音とは違い、とても優しい響きで王女殿下にお声を掛けていたのにも驚いたが、それよりも王女殿下のよく知ったその声に私は驚きを隠せなかった。
――このお声は⋯⋯まさか?
私が殿下のお声に驚いていると、お父様にも親しげにお声を掛けていた。
「おはよう、侯爵。今日はどうされたのですか?」
「おはようございます、エステル殿下。本日は娘を紹介させて頂きたくお時間を頂きました。早速ですが紹介させて頂いてもよろしいでしょうか?」
「えぇ、構いませんわ」
「ありがとうございます」
お父様が私を紹介すると言う言葉ではっとして気持ちを切り替える。
そして私は殿下にご挨拶の言葉を述べた。
「お初にお目にかかります。私はベリセリウス家が長女、クリスティナと申します。王女殿下にお目にかかれます事、恐悦至極に存じます」
私が自己紹介を終えると、殿下の許しで礼を解き、初めて王女殿下のお顔を拝見すると、お声とその容貌で驚きを禁じ得ない。
その声は、シアのもの。
だけどそのお姿はヴィンセント殿下によく似た美しい容姿に、ヴィンセント殿下よりも優し気な面差しで私を見ていて、パッと見シアの面影がない。
だがよく見るとその中に見覚えのある表情が少し見て取れる。
声と同じくシアの表情によく似ているが、彼女よりもより優雅な微笑みにその瞳は正しく王家のもの。
殿下の瞳に惹き込まれ目が離せない。
何故か動機が速くなる。
優雅に微笑んでいらっしゃる殿下の表情からは何を思っているのか伺い知れない。
私は驚きつつも、今迄の事を振り返れば思い当る節が沢山あった。
マティアス様、レオナルド様は妹であるシアを過剰なほど気にかけていたし、ヴィンセント殿下も然り、考えれば分かる事だけど、今迄そうだと断定できなかったのは一重にシアの振舞とマティアス様達のシアに対しての接し方だ。
そしてヴィンセント殿下もまたシアを気に掛けてはいたが、マティアス様達程ではなかった。
今までの事を振り返っていると、私の事を話していた。
――今はこの場に集中しないと!
「⋯⋯説明をしていないようですね。驚いていらっしゃるわ」
「娘にはまだ詳細を伝えていませんから」
それを聞いた殿下はお父様に呆れた表情を見せていた。
今、目の前にいるのはシアではなくてこの国の王女殿下で、その振舞はそれに相応しいものでその中にはシアの面影はない。
そして噂はやはり噂でしかないと改めて思った。
「侯爵、本人の同意なしで連れてくるのはどうかと思いますよ」
「ご心配には及びません。イェルハルド様、娘に発言の許可を頂けますか?」
「あぁ、話してみろ」
お父様が私に発言の許可を求め、それがあっさり降りたので、動揺を隠して許可に対してお礼を伝える。
「お許しいただきありがとうございます。先ずは殿下にご確認をさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「えぇ」
私は王女殿下にお話しする前にきちんと確認をしたく、許可を求めるとご本人から許しを得たので思い切って質問をする。
「現在学園に通われているアリシア・シベリウス辺境伯令嬢はエステル王女殿下でお間違いないでしょうか?」
「えぇ、その通りです」
私は殿下の答えを聞き、決意する。
だけどその前にやる事がある。
「知らなかったとはいえ、今迄のご無礼をお許しください」
私は知らなかったこととはいえ、今迄の振舞に対し謝罪すると、殿下はあっさりとその必要はないと仰った。
シベリウスの者として行動しているので謝罪の必要はないと。
シアらしい、と思ってしまった。
もう気軽にそう呼べはしないけれど。
だけど、私は殿下とお会いして、今迄のアリシア様が嘘ではないと分かるし、アリシア様が王女殿下であってよかったとも思う。
それと同時に、殿下が危険から身を護る為に姿を偽っているのだと悟った。
そして、殿下に心からお仕えしたいとも。
「殿下、私が呼ばれた理由については殿下にお仕えするに価するか見極められる為だと推測いたします。恐れながら、本日、王女殿下にお会いし、私は殿下にお仕えしたく存じます」
私がそう殿下から視線を逸らさずに伝えると、表情は変わらなかったが、ただ、その瞳はほんの一瞬嬉しそうに煌めいているように感じたが、私がなぜその思いに至ったのか、理由を聞かれた。
「何故?」
「学園でのアリシア様を見ていますので為人については全く知らない、という事はありません。アリシア様として学園にいる時と王女殿下としてこちらにいらっしゃる時とでは振る舞いこそ違いますが、根本的な所は変わらないと、殿下にお会いしてそう感じました。殿下の置かれている状況は推測でしかありません。今学園寮で過ごされていますが、女子寮に殿下のご事情を知るものがいないのではと考えられます。そこに私が呼ばれた理由のひとつだと考えに至りました。殿下より年上で同性、そしてベリセリウス家というのも殿下にお仕えするにあたり選ばれた理由かと」
私が殿下のおかれている状況を考え、呼ばれた理由を話す。
そして殿下にお仕えしたいと言うことも忘れずに。
だけど、先王陛下より鋭い威圧と共に本当に殿下に仕える気はあるのかと疑問に思ったようで質問をされた。
危険もあるのだと⋯⋯。
だから私は家とは関係なく、王女殿下にお仕えしたいというのは自分の意志だということを気圧されながらも先王陛下にお伝えした。
「ステラ、どうする?」
「私に否はありませんわ」
「ステラがいいなら構わない」
「ありがとうございます。誠心誠意お仕えさせていただきます」
王女殿下並びに先王陛下から許しを得たので私は殿下の側近として仕えることが決まった。
それから殿下の事を知っていくのだけれど驚きの連続で、ノルドヴァル嬢に対して怒りを見せたり、殿下の魔力の多さ、そして魔力を抑えてることへの弊害として声が違うことにも驚きを隠せない。
私が驚いていると殿下が私の側までいらっしゃって私にお話がしたいと提案をされたので、私も殿下の事を知りたく了承のお返事を返した。
先王陛下とのお話が終わりお父様が此方にいらっしゃると、私に話しかけてきた。
「私は先に宮廷へ戻る。殿下が話される範囲でなら質問をしてもいいがご迷惑になる様な事は止めておきなさい」
「承知しております」
お父様は殿下に挨拶をされると帰って行った。
私はというと殿下についてサロンへと移動し、侍女達がさっとお茶の準備を整える。
その様はうちの侍女達とやはり違う。
殿下はお茶を一口お飲みになるとほっと一息おつきになった。
きっと先程の件がお身体に堪えているのでしょう。
それから殿下はお話を始め、私にいつも通りでと仰られたが、流石にそれは憚れる。
殿下もそれが分かっているので追及はしてこなかった。
だけど、本当に自分に仕えていいのかと改めて聞かれ、私では不満がおありなのかと少し意地悪な聞き方をすると、少し驚いたような表情の後、ふわっと表情を綻ばせて「とても嬉しいの」と本当に嬉しそうにそう仰ったので、私も思わず表情を崩した。
だけど殿下は何か思う事でもあるのか、心配でもあると続けて話された。
どのような心配事なのか想像が出来ず聞き返すと、父である侯爵に何も聞いていないのかと質問をされたが、私には父より聞く権利がまだないという事をお伝えすると、殿下から幾つか質問を受けた。
直ぐにアリシア様だと何故分かったのか、そして何も聞かずしてどうして仕えようかと思った事を。
私はその質問に対して素直にお答えした。
声は勿論の事ふとした表情が同じだったこと、ヴィンセント殿下に可愛がられている事、そして普段のアリシア様を見ている事を。
殿下は普段の自分を見ているから? と疑問に思われたのか更に質問をされたので、アリシア様に対して思っている事を素直に話すと少し照れたような表情をされた。
そのお姿はアリシア様の時も可愛かったが、それよりも何倍も可愛らしくてこう、庇護欲にかられる。
殿下のご質問が終わったようなので、今度は私から殿下の事が知りたいと伝えると、殿下にくすくす笑われてしまった。
何故笑われたのか分からなくて、殿下に問いかけると、「何だか告白を受けているような感じがして」と、確かに私が伝えた事は告白の様な感じだわ!
その事を指摘され、流石に私も照れてしまう。
その照れを隠すように本来なら不躾で失礼な事なのだけれど、私の事をティナと呼んでいただくようにお願いをした。
そうすると殿下はとても嬉しそうに、ご自分の事をステラと呼んで欲しいと仰ってくださり、私は思わず何時ものアリシア様に対するように表情を崩してしまったが、殿下、いえステラ様は嬉しそうになさっているので、ここは前向きに捉えておく。
和んだところで私はステラ様に質問をし、答えて頂く。
そしてまさかステラ様が攫われていた事へ、その時何も知らずにいた事への自分に対して腹が立った。
親睦会の後にそんな危険な目に合っていたなんて!
この事はステラ様にとって知る人間が少ないに越したことが無いだろうけど、私がお仕えする事になり、闇の者との件を知っておいた方がいいというご判断なのでしょう。
私も教えて頂いた事へ感謝する。
何も知らなければ対処できないから。
話はノルドヴァル家の双子の話へ変わり、話を進めていると、第三者の声が入ってきた。
声のした方へ視線を向けると見るからに不機嫌なヴィンセント殿下が此方にいらっしゃったので、私は殿下に対して礼をする。
だけど私には目もくれずに真っすぐにステラ様の所へ行き、問い詰めている。
このお二人が揃って学園に通うようになれば周囲の騒々しさは想像に難くない。
麗しい兄妹なので、すごい騒ぎになる事でしょうね。
お二人の会話を聞きつつも考えを脱線させていると、ヴィンセント殿下は漸く席に着き、そして私に視線を向けてきた。
「ところで何故ここにクリスティナ嬢がいるんだ?」
もう少し早く気付いて頂きたいものですが、そこは私の代わりにステラ様が応えてくださる。
「お父様にお聞きしていませんの?」
「聞いていない」
「ティナは私の側近を引き受けてくれたのですわ」
それを聞いたヴィンセント殿下は漸く合点がいったように頷き、私にステラ様の事を頼むと、こちらも学園で見せるような表情ではなく、王子殿下という立場で対応される。
やはり殿下も学園ではいかに外向きの柔らかい物腰で対応されているのかがよく分かる。
このまま私はお二人にそのまま同席し昼食まで頂いた。
昼食後、今後の事を少しばかりお話をし私はお二人に挨拶をして帰宅の途に着いた。
馬車の中で今日の出来事を反芻する。
明後日からの学園生活での私の行動、アリシア様への態度など、気を付けなければならない点やアリシア様に対してお手を煩わせるであろうあの令嬢の事、今迄しなかったことを、周囲には目を光らせておかなければならない。
それにしても、本当に麗しい兄妹だわ。
シアも可愛いけれど、ステラ様はまた種類が違うのよね。
魔道具で姿を変えているとはいえ、あんなに違ったら言われなければ同一人物だと分からない。
本当のお姿で学園に通われるようになったら、どうなることやら。
先のことを考えても仕方ないし、今は殿下が学園で憂いなくお過ごし出来るように周囲に気を配る事が一番ね。
そう明後日からの学園生活に向けて、そして私自身もっと精進しなくてはと決意を新たにした。
ご覧いただきありがとうございます。
今回はティナが側近を引き受けた時のティナ視点のお話です。