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第20章 不穏な手紙
「こうして、結ばれた僕達は・・・。」
そこまで書いて手を止める。
僕は、この続きを知っている。
君はきっと知らない。それで良かった。
それから数年、アカデミーを卒業し社会人になった僕達はそれぞれの才能を発揮して働いていた。
僕は詩人に、君は学者に。
男社会で生きる君は時々弱いところを僕に見せた。
僕はそのたびに君に守られているんだと思う。
「それは、あの日の君の涙から始まった。」
僕は新しく便箋を取る。
「冷たい君の涙は、何よりも美しかった。」
執筆:ネクタイ




