第17章 やっぱり駄目だ
彼女は結果として級友からの推薦もあり、ミスコンに出場することにした。
サポートには同じく出場すると思われていた美姫がいる。
僕はそんな彼女を眺めているだけだろう。
文化祭が始まる。
屋台があちこちに出来、僕達三人はいつもと変わらず美味しいものに舌鼓を打ちながら散策していた。
「さっきの団子は美味しかったわね。」
「僕達甘党にはうれしいものでしたね。」
「平和ね、あなたたち。周り見て危機感持たないわけ?」
「「危機感?」」
美姫が、はぁと深くため息をつく。そして僕の胸ぐらをつかむと後者裏へと引きずり込んだ。
「この文化祭で好き合う人たちも出てきたんだぞ!あんたは彼女が取られても構わないわけ!?えぇ、どうなんだ!?」
「何を急にそんな剣幕で、えっ、僕何か・・・」
「しろって言ってんだよ馬鹿野郎!!」
ゴッと鈍い音がして美姫に殴られたんだと気づく。それはあの時の彼女の平手打ちよりよっぽど危機感に迫られたものだった。
「いいか、もう忠告しねえからな。このあとのミスコンの舞台で彼女に恋心を寄せてる奴らが名乗りを上げる。お前はそこでてっぺんかませ。いいな?」
「そんな、無茶な・・・。」
うなだれる僕を置き去りにする美姫はもう何も言わなかった。
時間は進み午後一番。
僕は観客席から他の学生と同じようにぼうっと舞台を眺めていた。
ここで、もし彼女と思い合う人ができたなら。
僕はどう振る舞えばいいんだろう。今までどおり友達なんて都合よく行くのだろうか。
それとも。
それとも本当に僕はそれを望んでいるのだろうか。
僕は。
「エントリーナンバー18番!3年1組代表選手です!」
歓声の中、彼女が舞台に舞い降りる。
いつもの制服ではなく、華やかなドレスを纏うその姿は、まるで・・・。
「女神様や。」
「どえらいべっぴんやな。」
「すごーい、きれー!」
あちこちから賛辞の声。
当たり前だ。僕が知ってる彼女はもともと美しいが、それをもってしても。
「きれいだ。」
言葉が漏れる。彼女が少しだけこちらを見た気がした。
その微笑みも絵画のようで、僕はグッと握りこぶしを作った。
「さぁ、この女神に微笑んでほしい野郎どもはどこだ!!」
司会が煽る。
会場中が俺も俺も!となる中、僕は立ちすくんでいた。
「もういないか!?それじゃあ・・・。」
舞台の前に並ぶ学生たち。みんな彼女を思う者たち。
美姫の警告を思い出す。彼女の寂しそうな顔を思い出す。
僕は座っていた椅子から思い切り立ち上がり、そして蹴飛ばした。
「その告白ちょっとまった!!」
執筆:ネクタイ




