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君に送る物語  作者: コヒアコ(ネクタイ✕朝寝雲)
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第14章 祭りの終わり

 体育祭が終わった。

 美姫、彼、私が所属していた紅組は見事に白組に勝利し、満足感を感じながら体育祭の後片付けを行っていた。

 美姫は自分のグループにテキパキと指示を出していた。

 あらかたかたし終えると、私たちのもとに近づいてくる。

 私と彼は体育祭の間に、なんだか一緒にいるのが心地よい関係性になっていた。

 今までいろいろあったけれど、それが私たちをより特別なものにしている気がした。

 あんなに嫌だったのに・・・嫌・・・だったのだろうか?

 そもそもなんで私は彼のことを、こんなに邪見に扱うようになったのだっけ?

 笑われるような言動をされた。嫌なことも言われた。

 でも、一番はきっと・・・


 美姫が私たちに話しかけてくる。

「終わっちゃったね。体育祭。祭りのあとはいつもせつないというか、むなしいというか。独特の感情を感じるよね」

 私もこたえる。

「そうだよね。なんなんだろう、この感情。終わったばかりなのに、もう遠い昔にあった事のような、ノスタルジーを感じるのよね」

 私たちの会話に、彼も言葉をはさんでくる。

「詩がかけそうですよね」



「でもよかったじゃない。あなた達、クラスのみんなに受け入れられてきてるわよ。好きな人は・・・笑った笑った!

 もうあなた達出る杭は打たれるを通り越して、出過ぎた杭は打たれないの状態になってるよね」

 美姫が笑いながら言う。

 私はため息をついて、

「不本意だわ・・・。私こんなキャラクターじゃないのに・・・。

 でも、友達一人もいない生活に比べればマシか・・・」

「そーですよっ!」

「あんたが言うな!」

 彼の言葉にツッコミ風に返す私。

 美姫はニマニマ笑って、

「仲いいねえ」

 と言う。


 今までは不本意だったやりとり。でもいまはそれが心地よい物になりつつあった。こういうのも悪くない。

 彼の横顔を見る。

 やっぱり似ているなあ。

 彼はやはり故郷のあの人に似ていると思った。

 それだけに、あの人の思い出を汚す様な言動をとる彼がどこかで嫌だったのだろう。

 でも違う。彼は彼、そしてあの人はあの人。

 当たり前だけど別の人間なんだ!

 それがようやく腑に落ちた感じがする。


 美姫の事を級友たちが遠くから呼ぶ声がする。

 美姫が今行くー! と答えて走っていく。

 そして、

 あなた達もよー!

 と級友たちが私たち二人に叫ぶ。

 私たちは顔を見合わせ、


「わかったー!」

 そう声を叫び返して、美姫の後を追った。

執筆:朝寝雲

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